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ランクアップ講座 -サックス-

Navigator:新井 靖志 / 田端 直美 / 貝沼 拓実 / 大津 立史

アルトサックス

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田端直美

東京藝術大学を経て、同大学大学院を修了。第51回ジュネーヴ国際音楽コンクール、第2回アドルフ·サックス国際コンクール、セミファイナリスト。第16回日本管打楽器コンクール第4位。第12回大阪国際音楽コンクール、優秀指導者賞受賞。マイスターミュージックよりソロアルバムを2枚リリース。現在、Osaka Shion Wind Orchestraサクソフォン奏者。京都市立京都堀川音楽高等学校、徳島文理大学、同志社女子大学、各校非常勤講師。http://naomisax.exblog.jp/z 

 

初めて楽器に触れる人に覚えてほしいこと3つ

①「楽器の組み立て方」

マウスピース→ネック→本体→リード&リガチャー、の順番でつけると楽チンです。最初にリード&リガチャーを付けると、割ってしまったり曲げてしまったりすることがあるので注意! リードはマウスピースの先端とほぼ同じ高さにつけて、リガチャーはリードの削られてない部分に当たる位置で留めます(写真①)。

②「お手入れ方法」
練習後の水分を拭き取る作業は大事です。リードはマウスピースから外して水分を拭き取って、リードケースなど平らな面に押し当てて片付けます。そうしないと、先端が波々になって音が鳴りにくくなります。楽器本体にはスワブという紐のついた掃除布を通しますが、ネックにはSサイズ、本体にはサックス用のスワブを必ず“広げて”から通すことが大切です。広げずに縮こまったスワブを通すと、管内に詰まらせる危険大! 万が一詰まらせたら、スワブを紐状になるまでねじり上げ、引っこ抜きます。それでも抜けない場合は無理せず楽器店へ修理に出しましょう。孔をふさぐタンポは皮なので、水分を吸うと硬くなり息漏れして音が出にくくなりますから、クリーニングペーパーで水分を拭き取るのをお忘れなく。

③「構え方」
まず左手親指をオクターブキィの下に置き、右手親指を下方フックに引っ掛けて楽器を支え、ストラップを本体へ引っ掛けて、 マウスピースが無理せずくわえられる高さに調整します(写真②)。座奏での構え方はサイドとセンターどちらでもいいですが、私の場合、学生時代は制服がスカートだったのでサイドで構えていましたが、今は体に負担の少ないセンターで構えています。

【写真①】

サックスリード

【写真②】

 

 

音を出してみよう!

①「アンブシュア=口周辺の使い方」

マウスピース先端から1㎝くらいのところに前歯を乗せて、下唇は軽く巻き込みます(写真③)。 マウスピースを包み込むイメージで、よく響くポイントを探してみましょう。マウスピースだけでA、Bb(ピアノでラ、シb)の鳴る噛み加減がちょうどよく、それより高い音しか出せないと音程が上ずりやすくなり、ヴィブラートが下向きにしかかからず音が緩む原因になります。いろんな音程が出せると便利なので、ピアノで出した音を真似して吹いてみて、どこまで出せるかチャレンジしてみましょう!

②「ブレスコントロール=息の使い方」
深くブレスをとり、長い息をネックにまとめて通すイメージで吐きます。しっかりとまとまった息が必要ですが、息を吐こうと頑張ると、アンブシュアを締め付けやすいので注意が必要です。

【写真③】

 

③「音を出してみよう!」
まずは出しやすい真ん中解放のド#、ド、シ、ラ、あたりから出してみましょう。初心者の傾向と対策です。

1.息を入れても音が出ない→リードが厚すぎる可能性があるので替えて、アンブシュアが緩すぎか締めすぎなので調節する。

2.音は出るが出だしが引っかかる→リードが薄すぎる、アンブシュアを締めすぎている可能性があるため、調節する。

3.爆発音になる→力まかせに息を吐かず、始めから終わりまで同じ量&同じスピードの息を吐く。タンギングに頼った音を出さずに、息だけで音を立ち上げる練習もすること。

4.音が揺れる→アンブシュアに力が入りすぎて口周辺が震えている場合は脱力を心掛け、フーッと長い息を吐く。

 

※こちらの記事は、Wind-i vol.5を一部抜粋し掲載しています。

 CONTENTS

◆1ページ:ソプラノ・サックス 新井 靖志
◆2ページ:アルト・サックス  田端 直美
◆3ページ: テナー・サックス 貝沼 拓実
◆4ページ:バリトン・サックス 大津 立志

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