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ランクアップ講座 -ユーフォニアム-

Navigator: 岩黒 綾乃

Navigator:岩黒 綾乃 A y a n o I w a k u r o

岩黒綾乃

国立音楽大学、パリ国立高等音楽院業卒業。第18回日本管打楽器コンクール第1位、The 4th International Jeju Brass Competition 第2位受賞。NHK‐FMリサイタルノヴァ、リサイタルfrom‐Dに出演。ソロCDをリリース。現在、東京佼成ウインドオーケストラ団員。洗足学園音楽大学非常勤講師。武蔵野音楽大学非常勤講師。

楽初めて楽器に触れる人に覚えてほしいこと3つ

新年度がやってきました! これから仲間になる新入生に、先輩の皆さんは次のことを教えてあげると同時に、改めて自分でも確認してみましょう! まずは、楽器についての大まかな名称と意味を覚えましょう。

マウスピース→口に当てる部分。吹き口。楽器とは別についていて取り外せます。

ベル→鐘状の広がった口の部分。

ピストン→一番から四番まで。押す組み合わせによって息の通る管が変わり、音を変えることができます。

管→一番から四番までと主管(チューニング管)。一番管から四番管までは、それぞれのピストンと繋がっています。チューニング管は、抜き具合によって楽器全体の音程を設定します。

これらのことを覚えたら、パートナーになる楽器を大切に扱って、長く付き合ってほしいので、手入れの仕方を覚えましょう。手入れ道具ですが、これだけは揃えましょうというものは、ピストン用オイル、管に塗るスライドグリス、楽器を磨くクロスです。その他オプションで、マウスピースのブラシ、楽器の管を掃除するブラシ、楽器の表面の汚れをとる液体などです。ピストンは、開きますよね? 開けて取り出して、オイルを表面に塗ります。

動きにくい場合は、汚れが付着していることがあるので、オイルを塗る前に汚れを拭き取ってあげましょう。できれば、筒の部分もチェックしてみてください。それぞれの管は抜いて、まず汚れを拭き取ります。古いグリスが残ると、管の中が汚れやすくなります。管の先端の少し下の部分に適度にグリスを塗り、本体に出し入れして馴染ませましょう。余分なグリスは拭き取ってください。楽器の表面が汚れているとステージに立ったときに残念な気持ちになりますよ。普段からこまめにピカピカに磨いてあげましょう。マウスピースは基本水洗いをして、汚れが気になる場合はクリーナーを使って拭き取ったり、ブラシで管の部分を掃除しましょう。楽器本体は数ヶ月に一回程度、ピストンや管を外してから、ブラシを使って水洗いしましょう。

 

音を出してみよう!

①楽器の準備が整ったら、次は、早速音を出してみましょう! といっても音はどうやって出るのでしょうか?口の形は、上唇と下唇を軽く合わせ、合わせた部分がまっすぐになるようにします。唇の周りはなるべく平らになるように注意しましょう。真ん中に小さな穴を作り、細いストローのように息を出してみましょう。穴の大きさと息の太さを調整すると自然にブーッと振動するところがあります。ポイントは、息と振動です! 両方がバランスよくなると音が出ます。手でVサインを作って、マウスピースがあたるところにあててサポートし、音が鳴るようにコツをつかんできたら、なるべく長くのばしてみましょう。

②マウスピースで音が鳴るようになったら音程をつけて吹いてみるといいですよ。最初のうちは筋肉が未発達なので、無理のないようにコツコツやりましょう。口の中に関する注意点ですが、歯と歯の間は、閉じずに少し開けて、舌の根元を下げて口腔を広くとりましょう。そうしないとのちに音が詰まってしまう原因になります。

③それでは、いよいよ楽器で音を出したいと思いますが、その前に! ユーフォニアムはどの音域で、どの指で何の音が出るのかを知りましょう。ユーフォニアムはBb管で、最高約4オクターブ半の音域が出せます。はじめは出せる音域が狭いと思いますので、まずは次の表を参考にしてみてください。

まずは上の段を覚えて、半音階である下の段は、徐々に覚えていきましょう。音名は、実音のドイツ音名がよく使われますので一緒に覚えてみてください。運指は倍音のもとに成り立っています。同じ指でも何種類もの音が出せるので注意しましょう。

※こちらの記事は、Wind-i vol.5を一部抜粋し掲載しています。

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