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ランクアップ講座 -チューバ-

Navigator: 北畠 真司

Navigator:北畠 真司 M a s a s h i K i t a b a t a k e

北畠真司

大阪教育大学教養学科芸術専攻音楽コース卒業。同大学院芸術文化専攻を修了。同大学卒業記念演奏会、第52回関西新人演奏会に出演。チューバを吉野竜城、武貞茂夫の各氏に師事。これまでに、Rex Martin、David Zambon、Andreas Martin Hofmair、杉山康一、次田心平の各氏のレッスンを受講。2012年サイトウキネンフェスティバルにおいて、室内楽.勉強会に参加。同フェスティバルの「青少年のためのオペラ」に出演する。2014年よりOsaka Shion Wind Orchestraチューバ奏者。

初めて楽器に触れる人に覚えてほしいこと3つ

チューバという楽器は非常に大きいので、少々の凹みは気にならない〜!みたいな方が多くいらっしゃるような気がします。当たり前のことですが、チューバも立派な楽器です。少しの凹みが音に大きく影響してしまいます。楽器が大きく、壁などに当たってしまいやすいのですが、持ち運ぶときは「事故」が起こらないように注意しましょう。また、マウスパイプ(マウスピースを装着した管:写真①)は楽器の心臓部分なので特に注意が必要です。

次に気をつけて欲しいことは、「楽器の持ち方」です。チューバ本体が非常に重たいので、持ち運ぶときに抜き差し管等の細い管(写真②)をもってしまうと、その細い管にチューバ全体の重さの負荷がかかってしまい、楽器の歪みなどにつながる可能性があります。また、急に管が抜けて楽器を倒してしまう危険性もあります。持ち運ぶときは太めの管を持って、楽器に楽器自身の負荷がかからないように気をつけましょう。

【写真①】


【写真②】


 

最後にチューバの日頃の手入れについてです。チューバは大きく分けると、「ピストンバルブ」のチューバと「ロータリーバルブ」のチューバの2種類があります。それぞれの詳しい手入れ方法はここでは割愛しますが、バルブは動きにくくなってから手入れをしても遅いです。動きが悪くなる前にオイルを注してあげましょう。また、それぞれの抜き差し管についても同様のことが言えます。動かなくなってからでは遅いですよ!

楽器を大切に扱い、丁寧にメンテナンスをすることで楽器のことを知ることができます。楽器の上達に直接つながりはしないかもしれませんが、日頃から愛情を持って楽器と接するようにしましょう。

 

初めて楽器に触れる人に覚えてほしいこと3つ

まず、気をつけてほしいのは「姿勢」です。チューバの重さに負けて、姿勢が悪くなってしまっていないかチェックしましょう。悪い姿勢で練習していると、気付かないうちに身体に力が入ってしまい、きちんと息が吸えなくなってしまいます。また、悪い姿勢は腰痛や肩こりの原因にもなります。リラックスして良い音がならせるよう良い姿勢を心がけましょう。

良い姿勢ができたら、早速音を出してみましょう。音を出す上で、金管楽器と木管楽器の一番大きな違いは何でしょうか?それは、音を鳴らすために何が振動しているか、です。わかりやすく言うと、木管楽器は「リード」、金管楽器は自分の「くちびる」です。チューバは金管楽器なので自分のくちびるを振動させて音を鳴らします。くちびるから出た振動が楽器を伝わってベルから音となって出てきます。

そこで大事になってくるのは、「息(ブレス)」です。管楽器にとって「息」は、車に例えると「ガソリン」です。チューバは特に大きいので、たくさんの息が必要です。しっかりと息を使えていないと、ベルの先まで音が伝わらず、豊かに響いた音を作ることができません。 楽器を吹くときに一番気をつけたいことは、この「ブレス」のことです。新入生が入ってきたら必ず教えてあげましょう。すぐには身につかないと思いますので、日々の練習の中で何度も確認すると良いでしょう。その際、ブレスビルダーやエアバックなど、ブレスを視覚的に確認できるものがあれば効果が得やすいでしょう。

次に、アンブシュアについてですが、初めの頃は不自然なアンブシュア(力が入りすぎていたり、イーッと引っ張ったような形)でなければ、過度に気にする必要はないでしょう。良い息で良い音を鳴らすことを念頭に置いて練習をすれば、自然と自分にあったアンブシュアができてくるかと思います。口の形は人それぞれなので、一概に「このアンブシュアが理想だ!」ということは難しいです。それでも、もしアンブシュアに不安があれば専門家に直接見てもらうのが良いでしょう。

「姿勢」「ブレス」「アンブシュア」と小難しい説明をしてきましたが、一番大切なことは、「楽しんで練習ができる」ことだと思います。自分の音に耳を傾け、理想の音をしっかりとイメージして楽器を吹くようにしましょう。また、少し吹けるようになったら、童謡など簡単なメロディーを吹いてみて、チューバを楽しみましょう!

 

 

※こちらの記事は、Wind-i vol.6を一部抜粋し掲載しています。

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