フルート記事
THE FLUTE vol.180 特集

メンテナンスの豆知識 Part1[再編]

フルート取り扱い

楽器はとてもデリケートなものです。特にフルートは他の楽器と比べて小さく細かなメカニズムがあります。これから吹き続けていく上で、必要なのが楽器の寿命を延ばす日頃のメンテナンスです。その第一歩がお手入れ。ここでは、メンテナンスやお手入れについてQ&A形式で解説します。
(THE FLUTE117号より転載、一部改変)

頭部管の中にある反射板の位置はなぜ重要なの?

音を反射させるために頭部管内に入っているのが反射板です。フルートは壊れた場所が、歌口に近ければ近いほど、楽器や音色に与える影響が大きくなります。反射板は音を出す上でとても重要なパーツですから、傷つけてはいけません。反射板にはいろいろと種類があって、管体と同様に金やプラチナもあれば、水晶を入れているメーカーもあります。
反射板の位置は、掃除棒(クリーニングロッド)で計ることができることはよく知られていると思います。布を挟むほうとは逆側をフルートの頭部管にに差し込むと、歌口部分から掃除棒に刻まれた線が見えます。この線は先端から17mmの位置に刻まれていて、これで反射板の位置を確認できるのです。フルートを吹いていると息圧などによって反射板が奥にずれることがあります。17mm以上になると音が低くなりますし、短くなれば音は高くなります。そのため、反射板の位置が17mmでないと一流プレイヤーでも調子が悪くなるのです。
目安としては、掃除棒の線が歌口の真ん中にくるように調整してください。反射板の位置は頭部管の先端にあるヘッドスクリューで調整します。反射板がよくずれる場合は、コルクが劣化している場合が多いので、楽器店で定期的にチェックしてもらいましょう。

反射板頭部管の中に入っている反射板
 

反射板マメ知識♪

反射板はコルク栓にくっついた状態で頭部管の中に収まっています。このコルク栓は、息を一定方向に流す役割を果たしています。歌口から送り込んだ息は、反射板に当たって足部管側に流れていきますが、コルク栓がないと左右両方向に流れてしまいます。ですから、反射板と同じくらいにコルク栓も重要なパーツなのです。《お手入れのキホンをチェック!》の記事で紹介した岩崎さんの動画にもあるように、「水洗い不可」の理由がよくわかると思います。

 

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