健康とフルートのレベルアップ! 紫園 香&松村 卓 第2回

「フルート☓骨ストレッチ®」

「骨ストレッチ®」──それは松村 卓氏が考案したストレッチで、スポーツ界の一流アスリートに称賛され、TBS「金スマ」、日本テレビ「シューイチ」などを始めとしてTV、メディアに広く取り上げられている、今注目のストレッチです。この骨ストレッチに出会った紫園 香氏がフルートをはじめとする楽器奏者にも広めたいと、この度、松村氏との対談が実現。動画での実演も含め、3回シリーズでお届けします。特別な器具や道具もいらない簡単ストレッチで、あなたの体が劇的に変わります!

第2回テーマ 骨ストレッチは体の羅針盤

紫園
骨ストレッチの効果ついて前回少しお話を伺いましたが、効果を改めて教えてください。
松村
運動不足解消、健康増進、そして小顔、ダイエットの美容関係ですね。運動が苦手な女性でも骨ストレッチならカンタンで続けられると喜ばれています。
紫園
松村先生は一流のアスリートをたくさん指導されていますが、スポーツではどのような効果がありますか?
松村
日本代表でもあり、現在アラビアン・ガルフ・リーグ・アル・アインFCに所属しているサッカーの中島翔哉選手が、試合前や試合中に肩甲骨を動かしたり鎖骨ひねり(親指と小指で鎖骨をつかみ、体を左右に動かす骨ストレッチの基本の一つ)をやっているのを見たことはありませんか? オリンピックや世界選手権に出場される選手も骨ストレッチを取り入れて、怪我の予防やパフォーマンス向上に役立っています。
紫園
音楽家で松村先生の指導を受けに来られた方はいらっしゃいますか?
松村
ピアニストやギター、和太鼓、指揮者、声楽家の方がいますが管楽器の方はいなかったと思いますね。指揮者の方は骨ストレッチをした後に指揮をすると、全然疲れないとおっしゃっていましたね。
声楽の先生は、骨ストレッチのWTの立ち方をしただけで肋骨に響かせられるようになり、声がよく出るようになりました。これはフルートなどの管楽器にも有効だと思います。
やっぱり出したいときに出したい音が出せるのが理想ですよね。多分、筋肉に任せて音を出すと余裕がないと思います。でも骨に任せれば余裕が出て、さらに筋肉も使うことが可能になります。
紫園
先日大きなホールで3日間にわたり録音をしました。普通だったら最後の頃は疲れが出るはずですが、整体の先生もびっくりするほど、身体が楽なままで、筋肉が締まる状況を回避できました。体が自分の思うとおりに響いて、本当に幸せな思いで演奏できました。
松村
満足いく演奏ができるかというのは、自分の体を意のままに操ることができるか?がポイントです。
たまたまゾーンに入ったから良い演奏ができた、というのでは再現性がとても低い状態です。
いつも良い演奏をするために必要なことは再現性を高めていくことにあります。骨ストレッチは骨を触りながら意識して行なうことでコツを掴みやすくなります。
紫園さんは骨ストレッチを続けてきた結果、再現性が高くなり3日間の録音で疲れなかったのだと思います。
いつまでも演奏をしたいという思いと良い音を出したいと云うお氣持ちをお持ちだと思いますが、それが叶うのが骨ストレッチです。
紫園
その通りですね。私は世界中を回ります。欧米だけでなく、地球の反対側のケニアやブラジルなど、遠距離のリサイタルツアーも多いのです。現地では時差、気温、湿度、食事、睡眠……あらゆることが違うのでリズムが狂いますが、その中でもベストの演奏をしなければなりません。そのためにヨガやストレッチ、骨体操などもいろいろやってみたのですが、結局松村先生の骨ストレッチが、私には一番効果がありました。道具がいらず、ベッドの上で目が覚めた瞬間にでき、体の中が緩み楽になって蘇ってくるのが自分でもわかります。リサイタルツアーのときにも本当に助けられています。
ところで、骨ストレッチの考え方に「居つかない」という言葉がありますね。
松村
例えば、今はコロナ禍なので、今まで当たり前に行なっていたリアルでの仕事ができなくなり、多くの方がオンライン化にシフトチェンジしました。これだけ大きな変化はそんなに起こることではありませんが過去に上手くいったことに「居着いて」しまうのか、それとも「居着かない」で新しいものにチャレンジしていくのかで時代の波に乗っていけるかどうかが決まる……と言うとわかりやすいと思います。
骨ストレッチでは“WT(ダブルティ)”という立ち方がありますが、“WT”の立ち方をすると多少の力で横から押されても倒れません。筋肉で踏ん張っているからではなく、骨身で立っているからです。
「居着いて」立っているとすぐに動けませんが、「居着かない」で立つとスッと動くことができます。
武道の話になりますが、武道の世界では「居着く=死」という考えです。
もし、相手と対峙して切り損ねて体勢を崩した時に、地面を強く踏ん張りながら体勢を戻して切り返す時には、その“一瞬の隙”に相手に切られて死んでしまいます。
仕事や人間関係、スポーツや武道の世界においても「居着かない動作と心」が大切だと思います。
「居着かない」という考え方ができるようになると、人生にとても役立つはずです。
紫園
骨ストレッチをすると動きがスピーディになるんですね。
松村
はい。でも骨ストレッチはあまりにも簡単すぎて信用されないのです(笑)。
厳しく辛い努力を続けてきた人ほど、「オレの今までの努力はどうなるのか!」と自分の価値観まで否定されたように感じるようです。
骨ストレッチをすると「心地好い体」になるので氣持ちもラクになります。
体は、身体感覚を使って「声なき声」として、心地好さと違和感で常に答えを教えてくれています。自分にとって良ければ「心地好さ」を感じるし、逆に悪ければ「違和感」を感じる。人生のいろんな場面でこの「声なき声」を頼りにすると良いと思います。
紫園
気持ちがいいから続けられるのですね。
松村
そう、骨ストレッチは体の羅針盤になります。
紫園
骨ストレッチは、頭ではなく、体から生き方を変えてくれますね。
 

次回テーマは「鎖骨は人生を変えるスイッチボタン」で3月20日に公開予定です。お楽しみに♪

 

Profile
ペトリ・アランコ Petri Alanko
紫園香【フルーティスト】
(しおん かおり)
東京藝術大学、同大学院を各首席卒業。渡欧しフルートの巨匠M.モイーズに師事、薫陶を受け、マスターコース修了。第7回「万里の長城杯」国際コンクール他、入賞多数。NHK洋楽オーディション入選。ジュネーヴ国際音楽祭等、海外から招聘多数。外務省招聘等で世界24ヶ国でリサイタル開催。近年では2018年ブラジル、2019年アメリカから招聘。皇居にて御前演奏。現在、日本クラシックコンクール審査員。MFLC、ユーオーディア・アカデミー各講師。ケニア「コイノニア教育センター」特別講師。日本バプテスト連盟東京神学校教会音楽科講師。キリスト品川教会音楽伝道師。NHK、スイス放送など世界各国のメディアでその活動は大きく報道されている。13枚のオリジナルCD他発売中。ハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機)構親善大使。
紫園香HP http://sionkaori.com/

 

Profile
松村 卓
(まつむら・たかし)
1968年生まれ。スポーツケア整体研究所代表。中京大学体育学部体育学科卒業。陸上競技・短距離選手として全日本実業団6位などの実績を持つ。引退後、ケガが多かった現役時代のトレーニング法を根底から見直し、筋肉ではなく骨の活用法に重点を置いた「骨ストレッチ」を考案。仙台市を拠点に全国各地で講習会を行い、多くのアスリートや体に不安を抱える人たちの指導にあたる。著書に『ゆるめる力・骨ストレッチ』『やせる力・骨ストレッチ』(文藝春秋)『「筋肉」よりも「骨」を使え!』(共著・甲野善紀)など。
・スポーツケア整体研究所 https://www.sportcare.info
・WT-LINEⓇシューズ公式オンラインショップhttps://wtline.jp/
 
 
 

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