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Ocarina vol.40

珪藻土で作られた唯一のOcarina「かさやオカリナ工房」に迫る!!

かさやオカリナ

能登の特産物でもある珪藻土の主成分は、ガラスと同じ珪酸質でできており、無数の小さな孔をもつ超多孔質な中空構造により高い断熱性と保湿性に優れ、なにより軽量であることから、まさにOcarinaには最適な材料といえる。そんな珪藻土で作られた「かさやオカリナ」の秘密に迫るべく、2021年10月13〜15日に東京ビッグサイトで開催された「東京ギフト・ショー秋」に石川県の名産品として出展中の「かさやオカリナ工房」を訪問。代表で製作者の笠谷正美氏に珪藻土Ocarinaの音色や特性、製作についてなど、あれこれ訊いてみた。

 

ガラス管のような特性を持つ珪藻土

珪藻土でOcarinaを作ろうと思ったきっかけは?
笠谷正美
(以下、笠谷)
少し前に樹脂製のバス管オカリナが出てきましたが、同じように軽量なオカリナがあるといいなと思ったのがきっかけです。私自身バス管やコントラバス管を吹くんですが、親指や手首を痛めることがあり、軽量なオカリナが欲しいものの、樹脂製だと音色に物足りなさを感じることと、演奏会で演奏するにはかっこ悪いという印象もあり、やはり粘土製の軽量なオカリナが欲しいという思いが高まったんです。 そんなとき、たまたま愛知県から石川県の珠洲に引っ越したんですが、石川には珪藻土という素晴らしい素材があるということに気づいたんです。珪藻土の特徴としては七輪でもわかるように耐熱性にすぐれ、優れた吸湿性もありバスマットなどにも使われています。ただしもう一つの大きな特徴である軽量であることに目をつけて作られている製品は見当たらなかったんです。そこで軽いオカリナが作りたいという思いと、この珪藻土という素材が結びつき、珪藻土でのオカリナ作りを始めました。
珪藻土は軽石に似た印象を持っている人もいらっしゃると思いますが、そもそも珪藻土とはどういったものでしょうか?
笠谷
軽石は火山によってできた岩石で、珪藻土は海で採れるものです。植物性プランクトンである珪藻が死んで、その殻がガラス化した化石が長い年月をかけ海底に堆積され、さらに地殻変動によって盛り上がり、海底で採取されたもの。これを細かくしたのが珪藻土です。
実は珪藻土は世界中のどこでも採れますが、地下から隆起した時期によって質が異なります。古い珪藻土は風化されて、ガラス管のように中が空洞だったものが潰されて、ただの粉末になってしまうんです。石川県の七尾市から奥能登にかけての迫り上がった土地では、1万年〜2万年くらい前の、中が空洞な形が残っている珪藻が採れるんです。
珪藻土のOcarinaの特徴として軽量であることがわかりましたが、それ以外音色などの特徴はどうですか?
笠谷
種類にもよりますが、陶土で作ると音に厚みもある分、締まった音色になりがちですが、珪藻土のオカリナはフワッとした柔らかな音色が特徴です。普通のオカリナに比べて持った感じも軽量な分、音色も包み込むように優しく、吹奏感も軽やかです。アンサンブルでも溶け込みやすい音色だと思います。

 

インタビューはさらに続きます。全文は本誌Ocarina Vol.40でお楽しみください。

 







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