全音域で安定した音を出そう!
Ocarinaは音域によって息の入れ方など吹き方の異なる楽器があります。すべての楽器がこれに該当するとは言えませんが、特に高音域では音程が下がる傾向にあり、逆に低音域では音程が上がる傾向の楽器が存在することは、みなさんもご存じだと思います。そのため、高・低音域での音の出し方は、Ocarina吹きにとって悩みの一つになっているのではないでしょうか。
そこで今回は、プロ奏者に安定した音の出し方をレクチャーしてもらいました。登場いただいたのは、クラシックや童謡はもちろん、沖縄民謡やブラジル音楽などマルチな活動を展開している石井幸枝さん。そして、オカリナセブンのメンバーであり、タローズオカリナアンサンブルのリーダーとしてもおなじみの江波太郎さん。さらに、特別編としてOcarinaの第一人者である宗次郎さんの3人です。ぜひ参考にしていただきたいのですが、それぞれナイトオカリナ、カンターレ・オカリーナ、宗次郎オカリナ(TNG Ocarina)と、使用楽器が違うのでそれぞれの息の入れ方も変わりますし、形状が異なるので持ち方が変わってきます。
誌面で宗次郎さんも言っていましたが、それぞれの楽器によって高音、低音の吹き方が変わってきます。これはそれぞれの息の量やスピード、さらに楽器の形状(楽器内部)などが違うからです。みなさんは、いろいろな角度、そして息の入れ方を変えながら吹いてみることが大事です。楽器の角度によって音が変わるということを頭に入れておき、一番いい音の出し方を自分で探してください。
石井幸枝 Yukie Ishii|フルートを中心に、オカリナ、ケーナ、篠笛など様々な笛を演奏するマルチインストゥルメンタル・プレイヤー。大学在学中より、劇版演奏、数々のレコーディング、コンサートに参加。ブラジル音楽においては、3度の渡伯。ショーロをベースにオリジナルな音楽を展開中。また、子供向けの企画では、笛&歌のお姉さんとしても活動。1999年、1stアルバム「I LOVE BOSSA」、マキシシングル「Sentimental city」、2002年8月2ndアルバム「私の夏/ E MEU VERAO」、06年12月、リオデジャネイロ録音のサードアルバム「AMOROSA」をリリース。07年4月フルート教本「あっという間にフルートが吹けちゃった」発売。09年1月オカリナとギターによるアルバム「ハローウォルフガング」リリース。11年8月「はじめてのオカリナレッスン」発売。12年韓国ホンソンでのオカリナフェスティバルに出演。13年7月参加ユニット、LANCAPERFUMEの1stアルバム「LANCA PERFUME」をリリース。14年8月「Okinawa~オカリナで聴く島の唄」リリース。参加CDは「CLASSICON BOSSA」、「私が愛した女たち・・」ピーター、「サンバの夜明け」ゲーリー杉田など多数。
江波太郎 Taro Enami|東京都出身。東京音楽大学音楽学部器楽ユーフォニアム専攻卒業。ユーフォニアムを山本孝氏に、ソルフェージュを有馬禮子氏にそれぞれ師事。オカリナを1993年より始め、ユーフォ音楽工房、オカリナセブンなどに所属。2002年独立し「Taro's Music」を設立。2003年より毎年「オカリナフェスティヴァル in 奥信濃」を主催。CD「MOTHER」、「江波太郎がオカリナで綴る心のふるさと」、「名曲に乾杯!」など。2015年にはソロミニアルバム「ムジカ・ケ・アミ~愛する楽曲~」と、タローズオカリナアンサンブル「華麗なるオカリナアンサンブル」をリリース。また、2006年にはオカリナ教則本「OCARINA METHOD」も出版。現在、オカリナ教室を川越市、さいたま市、墨田区、長野県飯山市など30 ヵ所で開催中。
▶︎江波太郎HP
宗次郎 Sojiro|群馬県館林市出身。1975年に生まれて初めて聴くオカリナの音色、響きに魅せられ、自分の目指す音を求めて本格的にオカリナ作りを始める。1985年までの10年間に制作した数は1万個を越える。その中から選りすぐった10数個のオカリナを使用。1985年レコードデビュー、1986年NHK 特集「大黄河」の音楽で一躍脚光を浴び、人気アーティストとしての地位を得る。その後、定期的にオリジナル・アルバムをリリースし、全国各地でコンサートツアーを実施。1993年アルバム『木道』『風人』『水心』の自然3部作で、第35回日本レコード大賞“企画賞”を受賞。2001年よりマイク等音響機材を使用しない生音コンサート<クラシカル・アンサンブル~オカリナ・エチュード>を毎年実施。2008年オカリナの普及やファンとの交流の場として茨城県常陸大宮市の自宅近くに「Sojiroオカリーナの森」を建設。2013年『オカリーナの森からⅡ』を発表。2014年『オカリナで奏でる名曲集vol.2』(宗次郎演奏CD+カラオケCD+オカリナテキスト+楽譜)を発表。常に自然との関わりの中で土とのふれ合いを大切にし、コンサート、作曲、創作活動を続けている。
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