サックス記事 Super Custom & Super CustomX Debut!

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Review by DAVID NEGRETE

Super Custom & Super CustomX Debut!

2025-06-25

［この記事の目次］

１│Wood Stone Alto Saxophone Review

２│“Super Custom”&“Super Custom X” 試奏後に訊いてみた

３│3rd Album「Live at The Moment」についてインタビュー

国内外のプロ、アマチュアを問わず絶大な支持を得たWood Stone New Vintageシリーズ。New Vintageシリーズの誕生から約10年の時を経て、この度、新たなステージへと昇華したアルトサックス“Super Custom”&“Super Custom X”が誕生し、すでに多くのサックス奏者の注目を集めている。
そこで、New VintageシリーズのテナーとWood Stoneソプラノサックスを愛用し、ジャズを中心に多様なフィールド・ジャンルでの演奏活動を展開するデイビッド・ネグレテさんに、音色、操作性、音程などの観点から、Super Custom & Super Custom X各モデルの特徴について深く掘り下げ感想を語ってもらった。
（取材・文：ねじ助／取材協力：石森管楽器）

PROFILE：デイビッド・ネグレテ
アメリカ合衆国、カルフォルニアロングビーチ出身。1984年生まれ。サンディエゴに移り、チャールズ・マクファーソン氏、グレゴリー・ポータのプロデューサーとしても知られる、カマウ・ケンヤター氏、地元のジャズミュージシャン育成に力を注ぐギルバート・カステラノス氏に師事。
2004年、全額奨学金でボストンのバークリー音楽院に入学。卒業後はニューヨークへ移り、演奏活動を続ける。
2011年に日本へ移住し、2016年1stリーダーアルバム『トライブオブD』をリリース。サックス奏者、そして作曲家として活動を続け、デイビッド・フォスター氏の日本公演、ASKA氏のワールドツアーにソロプレイヤーとして参加。挾間美帆氏と大西順子氏の丸の内コットンクラブ公演、MISIA氏、Chris Hart 氏の公演ではホーンセクションのメンバーとして参加している。ジャズにとどまらず、多くのジャンルで活躍し、その美しい音色と緻密なアドリブは唯一無二のサウンドと好評を得ている。2024年7月2ndアルバム「WHISPER」をリリース。2025年1月3rdアルバム「Live at The Moment」をリリース。
［ホームページ］https://davidnegrete.net

“Super Custom”&“Super Custom X” 試奏後に訊いてみた

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お使いのWood Stone New Vintageテナーについて、気に入っている点はどんなところでしょう。また、テナーと、今回吹いたスパーカスタム、スパーカスタムXのアルトを比べて、音や吹奏感、音程、操作性など共通点について教えてください。

D.ネグレテ

ウッドストーンは、フラジオの音も好きですけど、重厚で深いMidレンジとLowレンジの音色をとても気に入っています。
テナー（New Vintage）とアルト（SC、SCX）で似ている点は、全体的にピッチが素晴らしいということと、フィンガリングのポジションとかレスポンスがとても良くて、そこも共通する点です。音色やフィンガリングのレスポンスについては、マークⅥに似ている感覚がありますが、より進んだ新しい時代の楽器という感じがあります。

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New Vintageテナーに決める際、他の楽器も試されたのでしょうか？

ネグレテ

他のメーカーの各種モデルも試しましたが、Wood Stone New Vintageは音色が違います。New VintagのなかでもAF（アンティークフィニッシュ）の重厚感ある音が特に気に入りました。最初の音を出したときに楽器と共感するような信頼感があるんです。誰が吹いていても安心するそんな音色を持つ楽器だと思います。

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今日3本（SC_VL、SCX_VL、 SCX_GL）吹かれた中で、いちばんのお気に入りは？

ネグレテ

ゴールドラッカー（SCX_GL）が気に入りました。
SCとSCX両モデルには音色に少し違いがあって、どちらかというとインパクトが大きかったのはSCXです。SCXでも自分はゴールドラッカーが良かったです。ヴィンテージラッカーもあたたかくて綺麗な音ですが、ゴールドはそれにほんの少しエッジも加わった音色で、いろんなジャンルで使えそうです。それと、いろんなマウスピースを試してみたいと思いました。でも本当は両方欲しいんですけど（笑）。
音については好みがあるので難しいですね。それぞれの好みで選ぶのがいいと思います。

“Super Custom”&“Super Custom X” 製作について
開発者インタビュー：石森信二氏

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ウッドストーンスーパーカスタム、スーパーカスタムXの製作コンセプトとは？

石森信二

SCに関しては、今までのNew Vintageを基にネックジョイントやオクターブキィシステムなどを見直して改良しましたが、大きく変わっている訳ではなくNew Vintageの後継機種といえます。SCXのほうほうは、ネックとボディを根本的に見直した、全然違うコンセプトになっています。音色は、SCに比べてタイトで、昔のセルマーのように「新品から4、5年吹き込んでいくと音抜け良く、だんだん鳴ってくる」そういうコンセプトでちょっと抵抗感を強めにして作りました。

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ネグレテさんの演奏を聞いていて、SC、SCXともに全音域のピッチの良さを感じました。特に同音のオクターブ間の音程がとても良いですね。

石森

オクターブキィシステムやトーンホール・ポジションの見直しをしました。それが、SC、SCXでさらにピッチが向上した点だと思います。

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操作性についても改良を？

石森

そうですね、できるだけコンパクトに仕上げています。

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New Vintageをさらに進化させたということですね。

石森

進化させなきゃ作りません（笑）。New Vintageでも、これまでたくさん進化させたマイナーチェンジを行なっていたんですよ。