サックス記事

付録音源連動企画│映画&テレビにまつわる名曲を吹きこなす!

THE SAX vol.104 Special Contents 2

Played by Jun Kondoh
演奏:近藤 淳

今号から付属CDではなくダウンロード方式となった誌面連動の音源。メディアは変わったが、これまで通り本誌掲載の楽譜と演奏アドバイスとともに、模範演奏とカラオケ音源を参考に新たなレパートリーにチャレンジしてほしい。
さて、前々号の「ボサノヴァ&ラテン音楽」、前号の「フュージョン」に続く今回の付属音源のテーマは「映画&テレビの音楽」! 誰もが耳馴染みのある映画のテーマやテレビのCMや番組挿入曲などからセレクトしている。今回もオリジナルのイメージに忠実な精密なカラオケ音源に乗せた、国内トップ・プレイヤーの模範演奏でお楽しみいただく。模範演奏はビッグバンド出身でミュージカルやスタジオでも長年大活躍、さらに昨今はサックスYouTuberとしても話題となっている近藤淳さんにお願いした。まずは、レコーディングを終えてのインタビューの模様をお届けしよう。

近藤淳

アルトサックス奏者を志したのは、ある映画音楽を耳にしたことから

日本を代表するビッグバンドである高橋達也&東京ユニオンオーケストラを皮切りに、プロとしての幅広いキャリアを築いてこられてきた近藤さんですが、ちょうど現在はミュージカルのお仕事をされている最中ということで、映画やテレビの音楽というテーマで選曲した今回のラインナップはいかがでしたか?
近藤
僕がアルトサックスを吹きたいと思ったきっかけが、実は映画音楽なんです。高校生の頃に映画音楽大全集という10枚組のレコードを叔父から借りて聴いていて、そのなかに収録されていたミシェル・ルグラン作曲の『風のささやき(The Windmills of Your Mind)』(映画「華麗なる賭け」のテーマ曲)が大好きになりました。どこの楽団の演奏だったか定かではないんですが、アルトサックスのメロディが美しくて自分でも吹いてみたいと思うようになったんです。
なるほど。そして、今回はどちらかというとトランペットで演奏されることが多い楽曲を中心にあえて選んでいますが……。
近藤
僕は中学と高校の吹奏楽部でトランペットを吹いていたんです。高校を卒業して消防署に就職したのですが、休憩時間には消防車の横でトランペットを吹いたりしてました(笑)。当時のアイドルはニニ・ロッソ(Tp)でした。
そうでしたか。では今回のラインナップはうってつけでしたね。
近藤
まさに僕の大好きなジャンル! ジャズも演奏しますがアドリブをバリバリ吹くというよりも、綺麗なメロディを吹くことに喜びを感じるタイプですから。

メロディはもちろん、アドリブもオブリガートも丁寧で端正な演奏

では、1曲ずつお聞きしていきます。まず『Bitter Sweet Samba』ですが。
近藤
ラジオの深夜放送「オールナイトニッポン」のテーマ曲ですよね。これを吹いたら楽しいだろうなと思って編集部からいただいた候補曲から選ばせてもらいました。オリジナルにはないのですが、今回はアドリブを入れてみました。分散和音を基調にしたフレーズを書いて吹きました。
この曲はソプラノサックスだと少し難しいキーになりますよね。
近藤
そうなんです。だから、実は半音上げたキーでアドリブのフレーズを考えて、その後に半音下げたキーに戻すという方法で書きました。つまりAマイナーのキーで作ってG#マイナーのキーに移調して吹いたということですね。そうすると、どうしてもフィンガリングが難しい箇所も出てくるという難点がありますが、分かりやすいキーのほうがフレーズは浮かびやすいですよね。アドリブのフレーズ作りでは、カラオケに合わせてアドリブを歌ってみて、それを採譜するという方法も僕はよくやりますね。
『Friday Night Fantasy』は近藤さんのYouTubeチャンネル「近藤淳のサックスバラエティ(Channel5513)」で以前から演奏動画がアップされていましたね。
近藤
僕のYouTubeチャンネルへのリクエストも多かったんですよ。人気曲ですよね。トランペットにピッタリの曲ですが、実はアルトサックスにも合います。すごく歌い込める。色っぽく吹いたり張ってみたりというサックスならではの抜き差しができるので、この曲は面白いですよ。
『ゴッドファーザー 愛のテーマ』は、アルトとテナーの両方で収録していただきました。
近藤
編集部からはテナーでという要望をいただいたのですが、アルトでも是非やってみたくて。僕は基本アルト吹きなもので。テナーはマウスピースを普段とは違うウッドストーンのメタル TM-1SPを使って演奏しました。ハイバッフル系のマウスピースですが、吹きすぎて下品にならないように抑えめに吹いたら、サラっと大人しめの良い感じの音で録れました。アルトはいつも使っているメイヤー6MMで。これは即興でアドリブしています。オブリガートはなるべくメロディを邪魔しないように気をつけて入れました。惜しくも亡くなられた作編曲家でピアニストの前田憲男先生がよく「メロディが綺麗な曲はそのまま演奏するのが一番いい」と仰ってましてね。確かにそうだなと。それ以来、その言葉を心に留めています。
そして『明日に架ける橋』はいかがでしょう。
近藤
今回サイモン&ガーファンクルのオリジナル・ヴァージョンを何度も聴き返しました。力強い曲のようなイメージでしたが、アート・ガーファンクルは囁くような優しい声で歌い出すんですよね。なので、柔らかい音色を心がけました。

各曲で吹き分けたソプラノ、アルト、テナーと、そのセッティング

では、最後に今回のレコーディングで使用された楽器とセッティングを教えてください。
近藤
アルトはセルマーのシリーズⅡのゴールドプレート 43万番台とアメセル マークⅥの17万番台の2本です。マウスピースはメイヤー6MMです。実は東京ユニオン時代から40年以上愛用していて一度ダメになったのですが、大堀サックス研究所で4〜5年前にリフェイスしてもらって、また使っているんです。リードはバンドーレン ジャバの3です。テナーはフランス・セルマーのマークⅥで20万番台。マウスピースは先ほども言った通りウッドストーンのメタル TM-1SP。リードもウッドストーンで3番です。そして、ソプラノがフラセル マークⅥのシルバープレートで26万番台。マウスピースがセルマー F。リードはバンドーレンのトラディショナル3½です。
ありがとうございました。
 
ソプラノサックスソプラノ・サックス:フランス・セルマー マークⅥシルバープレート
アルトサックスアルトサックス:アメリカン・セルマー マークⅥ

 

【収録楽曲】

『Bitter Sweet Samba』(in B♭)
ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラス[1965年]

『Friday Night Fantasy』(in E♭)
ピエール・ポルト楽団[1985年]

『ゴッドファーザー 愛のテーマ』(in E♭/in B♭)
ニーノ・ロータ[1972年]

『明日に架ける橋』(in E♭)
サイモン&ガーファンクル[1970年]

 

上記4曲、5トラック分の近藤淳さんによる模範演奏音源およびカラオケ音源が、下記リンクよりダウンロードいただけます。

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