サックス記事アーティキュレーションは歌っている歌詞と聴こえ方がリンクするように！

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模範演奏プレイヤー福井健太インタビュー

アーティキュレーションは歌っている歌詞と聴こえ方がリンクするように！

2025-08-28

［この記事の目次］

１│高校では地元でビッグバンドを結成し、藝大時代にはダンスホールで演奏

２│ソプラノサックスが持つクセも含めて良い音をさせれば心地よい

３│福井健太さんによる演奏解説

122号もダウンロード形式でお届けする誌面連動の付録音源。今回の選曲テーマは、日本の朝を60年以上にわたって彩ってきたNHK「連続テレビ小説」通称「朝ドラ」のテーマ曲だ。ドラマの人気とともに常に話題を集めてきた「朝ドラ」主題歌から、名曲および最新ナンバーをチョイスした。模範演奏をお願いしたのは、本誌でもお馴染み、クラシックと吹奏楽をベースに持ちながら、ビッグバンドのジャズやポップスのスタジオ・シーンでも大活躍の福井健太氏。今回はバックトラックのプログラミングも福井氏が担当してくれた。カラオケ音源の制作も含めて今回のレコーディングについて、じっくり話を訊いた。

●PROFILE
福井健太（ふくいけんた）
静岡県浜松市に生まれ育つ。幼い頃から様々な音楽や楽器に触れ、中学時代にサックスに出会う。B to E （バロックから演歌まで）をモットーにあらゆるシーンで活躍する演奏家としてリサイタル、コンサートやライブを国内外で展開。マルチリード（多種木管楽器奏者）として様々な著名アーティストとのステージの他、スタジオワークも多くテレビで福井の音を聴かない日はないほど。また指導者としても評価が高く日本全国を飛び回っている。須川展也氏に師事。東京藝術大学卒。

高校では地元でビッグバンドを結成し、藝大時代にはダンスホールで演奏

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本誌でもお馴染みの福井さんですが、クラシックと吹奏楽の分野を極めながら、ジャズのビッグバンドや、ポップスのスタジオワークまで様々なジャンルにおいて第一線で活躍されています。ジャンルレスなサックス奏者としては先駆け的な存在だと思いますが、そういう活動は藝大の学生時代から始めていたのでしょうか？

福井健太

大学に入る前からですね。もちろん大学受験のための勉強もしていましたが、それと並行して地元の高校生を集めてジャズのビッグバンドを結成して活動していたりしましたから。多分、「スウィングガールズ」より先だったと思いますよ（笑）。地元は静岡県の浜松市なので、毎年「ヤマハジャズフェスティバル」が開催されるんですよ。その一環でピアニストの佐藤允彦さんのクリニックがあって、それを手伝うビッグバンドを募集していたので「じゃあ、やろう」と人を集めて、ライブもしましたね。単に、やりたいことをしていたらジャンルが広がっていたという感じですね。
藝大に入学してからは、大学の授業の後に鶯谷のダンスホールで演奏のアルバイトをしていました。大学で白いタキシードに着替えてアルバイト先に通っていましたね。スタジオでのレコーディングの仕事にも興味があったので、知り合いになった作曲家の方などに猛アピールして大学1年のときから仕事は始めていました。とにかく好きなことをやりたいという気持ちが強かったですね。もちろんクラシックも、憧れの存在で師匠でもある須川展也先生を始めとして名プレイヤーたちの演奏をたくさん聴いてきたので、そっちでも精進したいし、とともにロックも大好きだしジャズやフュージョンも。特に僕らの時代はT-SQUAREが全盛期だったので、中学時代に初めてライブに行って本田雅人さんの演奏に衝撃を受けた世代でもあったので。アレもやりたいコレもやりたいという好奇心だけで、ここまで来たという感じですね。

基準となるクラシックの奏法から必要に応じて変化させて切り替える

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主宰されている吹奏楽団のBRASS EXCEED TOKYO でのソロパートとZ Express Big Bandでアドリブソロを演奏されるとき、まるで別人のようなプレイスタイルの違いを感じます。それぞれのプレイスタイルにどうやって切り替えているのでしょう？

福井

根本的に求められるサウンドが違うので、道具を替えますね。マウスピースによって出せるサウンドが違うので。さすがにメイヤーでクラシックを吹くことはできないし、ビッグバンドでセルマーのクラシック用マウスピースを使ったりしたら鳴らないし自分の音がモニターできないし、となる。だから音楽に合わせて音色を追求しているということですね。

―

セッティングだけでなくアンブシュアや息圧なども変える必要があると思うのですが、混乱することはないですか？

福井

クラシックの標準的なセッティングって自然にそのスタイルに導いてくれるんですよね。どんな人がどんな吹き方をしてもだいたい決まった音色で鳴ってくれる。いい意味でツボが狭いので。だから、それを基準にしてティップが大きいマウスピースだと硬いリードでは鳴らないので柔らかいものに変える。そうするとシンリップだとプレスが強すぎるからファットリップに変える……というように基準となるクラシックの奏法から必要に応じて変化させている感じですね。同じ吹き方をしたんじゃ鳴らないので。今はもう道具が変わると自然に切り替わりますね。

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・ソプラノサックスが持つクセも含めて良い音をさせれば心地よい
・アーティキュレーションはオリジナルでの歌のニュアンスに近づけた
・苦手な箇所もクリアすれば喜びがあるという気持ちで練習も楽しんで！

【収録楽曲・掲載楽譜】
［B♭譜］『賜物』［2025年「あんぱん」テーマ曲］（RADWIMPS）
［B♭譜］『SAKURA』［2002年「さくら」テーマ曲］（須川展也）
［E♭譜］『Best Friend』［2001年「ちゅらさん」テーマ曲］（Kiroro）
［E♭譜］『にじいろ』［2014年「花子とアン」テーマ曲］（絢香）
［E♭譜］『春よ、来い』［1994年「春よ、来い」テーマ曲］（松任谷由実）※定期購読者特典ボーナストラック

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