プレイヤー&コンポーザーとしての個性を徹底考察
さて、ここからは本題であるソニー・ロリンズとジョン・コルトレーンそれぞれのサクソフォン・プレイヤーおよびコンポーザーとしての偉業を振り返るとともに、個性の違いに迫っていこう! 解説してくれるのは日本を代表するジャズテナー奏者であり、コルトレーン、ロリンズの双方に造詣が深い三木俊雄氏だ!! 二人が所属したレーベル時代ごとの時系列に沿って考察してもらおう。(文・採譜:三木俊雄)
John Coltrane
Sonny Rollins
三木俊雄(みき としお)今年5月に95歳で亡くなったソニー・ロリンズと9月に生誕100年を迎えるジョン コルトレーン。この紛れもなくジャズにおけるテナーサックスを代表する巨人2人の、プレイヤーそして作曲家としてのスタイルとその特徴を考察してみたいと思います。
二人の共演が刻まれた唯一のナンバーである
『Tenor Madness』
「テナー・マッドネス」(1956年)ソニー・ロリンズとジョン・コルトレーンの唯一の共演はプレスティッジ レーベルによって1956年5月に録音されたソニー・ロリンズ名義のアルバム「Tenor Madness」のタイトル・トラック1曲のみとされている。
「レコーディング当日、スタジオにコルトレーンが楽器を持ってふらっと現れ、セッションが実現した」というような話を聞くが、ジャズ界の伝統であるジャズクラブなどのステージでの飛び入り、いわゆる「シット・イン(Sit in)」と違い、一般に非公開のスタジオ・レコーディングに呼ばれてもいない者が楽器を持って現れるとはなかなか考えにくい。
当時、プレスティッジ・レーベルはこのアルバムのレコーディングの2週間前に同じリズムセクションおよびコルトレーンを含むマイルス・デイヴィス・クインテットの4部「Cookin’」「Relaxin’」「Workin’」「Steamin’」いわゆる「マラソン セッション」を同じスタジオで録音しており、今後その話題性も考えてプロデューサーのボブ・ワインストックがコルトレーンに声をかけたのではないかと推察される。
1926年9月23日生まれのコルトレーンは当時29歳、1930年9月7日生まれのロリンズは25歳。この生涯を通してライバルとなる乙女座生まれの2人は年齢的にはコルトレーンのほうが年上であるが、1956年当時のジャズシーンでのキャリア、評価はロリンズのほうが上であった。(次ページに続く)
マイルス・デイヴィス
三木俊雄
Toshio Miki
大阪府生まれ。関西大学、バークリー音楽大学卒業。サックスをビル・ピアース、ジョ−・ヴィオラ、アレンジをハーブ・ポメロイ、フィル・ウィルソンに師事。1996年から自己の率いる「フロントページ・オーケストラ」の活動を続け、2004年「Harmony of the soul」をリリースの他、DOUBLE、押尾コータローとのコラボアルバムにも参加。2013年「Stop & Go」は《ジャズライフ》誌「アルバム・オブ・ザ・イヤー」にて第3位を獲得。また、小曽根真率いる「No Name Horses」のメンバーとして作品も提供している。尚美学園大学 非常勤講師。












