サックス記事 T-SQUARE 2人体制としての新たなるスタートに最強の助っ人も参戦!
THE SAX vol.109 Cover Story

T-SQUARE 2人体制としての新たなるスタートに最強の助っ人も参戦!

伊東たけしとともにグループのシンボルだった安藤正容の退団により、伊東と坂東慧の2人体制となった新生T-SQUARE。そこから半年が過ぎ、今年もニューアルバムが届けられた! フレキシブルに自由度を増したT-SQUARE alphaとしてのスタートには、その名の通り強力なサポート陣が参戦。なかでもサックス・ファンの目を引くのは、何と言っても本田雅人の名前だろう。自身の大ブレイクのきっかけとなった古巣の作品に久々に携わった本田と、それを迎えた伊東と坂東の豪華な鼎談が実現した!
インタビュー・文:熊谷美広/写真:井村重人(アーニーズ・スタジオ)

2メン・ユニットという新体制になったからこそ広がった可能性

最新アルバム「WISH」は、T-SQUAREが新体制になって初めてのアルバムになりますが、基本的なコンセプトなどはあったのですか?
坂東慧
メンバーが2人になったので、逆にそれを活かしていろいろなミュージシャンたちと共演しようと。T-SQUAREの核となる部分は残しつつ、可能性を広げた音楽をやりたいなと考えました。
伊東たけし
坂東はここ数年すでにメインのソングライターだったし、曲のコンセプト的なものも彼の中で明確なものがあったので、それに対して僕もすごくチャレンジしてみたいということがあったんです。楽曲のビート感とか、リズムの在り方とか、そういうものをすごく新鮮に感じています。あとは2人になったので、この曲にはどういうミュージシャンが面白いんじゃないかっていうことも2人でいろいろと相談していきました。
そういった参加ミュージシャンの人選は、どういうふうにやっていったのですか?
坂東
若いメンバーは僕がよく一緒にやっている人たちですけど、本田雅人さん、渡辺香津美さん、是方博邦さんなどはプロデューサーからの提案です。「え、そんな方たちにやっていただけるんですか?」って(笑)。
本田さんがT-SQUAREに参加するのって、グループを脱退されてから初めてですか?
本田雅人
日比谷野音で1回やりましたね(1998年)。T-SQUAREというのはバンドなので、他の人を呼ぶというアイデアがそもそもないんです。でも今の体勢になったことで、いろいろな人とのコラボができるユニットになって、そこから広がっていくんだろうなと感じましたし、その中の1人に入れてもらえてとても嬉しかったです。
伊東さんと本田さんって、ライブなどで共演したことはあるのですか?
伊東
毎年、土岐英史さんが主催して京都のRAGで“THE 4 ALTO SESSION”っていうのをやってて、そこで共演してました。
坂東さんと本田さんは?
坂東
最初は櫻井哲夫さんと本田さんのバースデイ・ツアーというのに参加させていただいて、あと神戸のチキンジョージで本田さんのバンドに参加させてもらったことがあります。
伊東
でも僕と本田の共演というのが、T-SQUAREの枠の中で行なわれているというのは普通はあり得ない話ですから、不思議な気分にもなりますね。だから今回は覚悟を決めてやりました(笑)。
 
 

次ページにインタビュー続く
・伊東と本田の個性が際立ちながらシームレスに流れる共演曲
・T-SQUAREたらしめる伊東たけしの音と坂東慧の書く楽曲
・二人ともゴールドプレートの新しい楽器で臨んだレコーディング

 

●CD Information

「WISH」T-SQUARE
【OLCH10024-25 】CD/SuperAudio CD Hybrid +特典 Blu-ray Disc ¥3,900(税込)
名匠、バーニー・グランドマン本人自らのカッティングによるアナログ盤も同時発売!
【OLAH-02】Analog 30cm LP(180g 重量盤)+特典映像視聴 URL 同梱 ¥4,400(税込)
T-SQUARE Music Entertainment Inc.
[収録曲]晴れのち晴れ、Magical Hour、Trial Road、Good For You、Lady “S” の初恋、Freaky Rats、Lover's Beat、Smile on the hill、As you wish!
[演奏]T-SQUARE:伊東たけし(Sax,EWI)、坂東慧(Ds)/本田雅人(Sax)、エリック・ミヤシロ/西村浩二(Tp)、中川英二郎/半田信英(Tb)、渡辺香津美/是方博邦/外園一馬/ YUMA HARA (Guitar)、松本圭司/白井アキト/佐藤雄大/半田彬倫(Key)、田中晋吾/森光奏太/ Taiki Tsuyama (Bass)

 
伊東たけし(Sax,EWI)
伊東が愛用するEWI1000を手にする坂東慧(Ds)

PROFILE
T-SQUARE

学生時代の音楽仲間だった安藤正容(Guitar)や伊東たけし(Sax,EWI)などが中心になって結成され、1978年9月に「LUCKEY SUMMER LADY」でデビュー。その後メンバー・チェンジを繰り返しながらも精力的に活動し、1987年に「TRUTH」がF-1のテレビ中継のテーマ曲となって大ヒットし、日本を代表するフュージョン・グループへと成長していった。1991年に伊東たけしがソロ活動のために脱退して、本田雅人(Sax,EWI)が加入、1998年まで在籍する。2000年に伊東たけしが復帰して、安藤正容との2人のユニットとして活動していたが、2003年に河野啓三(Key)と坂東慧(Ds)を新たに加えた4人組に、サポート・ベーシストを迎えるという形になる。その後2020年に河野啓三、2021年に安藤正容が退団し、2022年より伊東たけしと坂東慧の2人による新体制になり再スタートした。

 

PROFILE
本田雅人

1962年11月13日高知県中村市生まれ。小学校の時にサックスを始め、国立音楽大学に入学。在学中からプロとして活動を始め、原信夫とシャープス&フラッツに加入。また渡辺美里、谷村有美、角松敏生などのレコーディングやツアーに参加し、1991年にT-SQUAREに加入。1998年に同グループ脱退後はソロ・アーティストとして活躍し、また作編曲家、サウンド・クリエイター、プロデューサーなどとしても活動している。

 
 
登場するアーティスト
画像

伊東たけし
Takeshi Itoh

1954年3月15日生まれ。福岡県出身。大学在学中よりソロ・サックス・プレイヤーとして活動する傍ら、学生ビッグバンドに加入し、コンサート・マスターを務める。数々のコンテストに参加し、多くの賞を獲得。77年にザ・スクェア(現T-SQUARE)に加入し、78年にプロ・デビュー。以来、バンドのフロント・マンとして活躍し、多くのアルバムをリリース。同時にソロ・プレイヤーとしても数々の作品を発表してきた。91年にバンドを退団してソロ活動を開始するが、2000年にT-SQUAREに復帰し、以降も精力的に活動中。2007年に発表したソロ名義のアルバム『Mellow Madness』も好評を得ている。

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