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THE TRUMPET vol.19│ARTURO SANDOVA アルトゥーロ・サンドヴァル
ハイノート・ヒッターの象徴でありラテン・ジャズ界を代表するスーパー・トランペッター
ハイノート・ヒッターといえば必ずその名が挙がり、ラテン・ジャズのシンボルとして自然と顔が浮かぶスーパー・トランペッター、アルトゥーロ・サンドヴァル。このキューバが生んだスター奏者が、今年5月に8年ぶりとなる待望の来日公演をブルーノート東京で開催した。このタイミングで本誌初インタビューが実現! (インタビュー・文:櫻井隆章/取材協力:ブルーノート東京)
ステージでも使い分けた新しい2つのトランペット
来日時で75歳というトランペッター、キューバ出身のアルトゥーロ・サンドヴァル。彼への取材ができたのは、8年ぶりの登場となったブルーノート東京での初日を終えた翌日のライブ前、楽屋でのことだった。前日のライブを観ていた僕は、彼が二つのトランペットを使い分けていることが気になった。彼の手元にある黒いトランペットと、もう一つは金色に輝くトランペットである。まずはそこから訊いた。
―
昨日は二つのトランペットをお使いになっていましたね。あれは、どうしてですか?
アルトゥーロ・サンドヴァル(以下AS)
あれは、曲によって使い分けているだけさ。僕の今のメインは、この黒いヤツだね。
愛用の最新トランペット
―
これについて教えてください。どこのメーカーのものなのでしょう?
AS
メーカーとしてはまだ無名なんだけど、テキサス州にいる職人さんが作っているものなんだ。ほぼ独りですべてを丁寧に作っているんだよ。
―
それは、あなた用のカスタム・モデルなんですか?
AS
そうだ。僕の好みを言って、それに合わせて作ってくれたものだ。
―
もう一つの金色のものと、どう使い分けているのでしょう?
AS
曲によって、欲しい音色が変わるだろ?それに合わせて使い分ける訳だ。この(黒いほうの)楽器は、まずディープな音が出る(と、実際に吹いてみせる)。だけど、もっとパワフルな音が欲しい時には、ラウドで大きな、力強い音も出せる。もう一つのほう(金色の楽器)は、その中間といったところかな。
―
こちらの楽器は、もうどれくらい使っているんですか?
AS
まだ2週間かな(笑)。でも、すっかり僕としては馴染んでいるよ。
―
では、もう一つのほう(金色のトランペット)は、どこのメーカーの楽器なのでしょう?
AS
あぁ、あれはね、実は色々なメーカーの楽器を組み合わせたものなんだ。例えばベルはどこどこのもの、シリンダーはどこどこのメーカー製、といった具合でね。だから僕は、あの楽器を「フランケンシュタイン」と呼んでいるんだよ(笑)。
―
なるほど。では、今回の来日での演奏曲目は、どのように決めているのでしょう? 結構、実際のライブで曲を変えたりしているように拝見しました。
AS
うん、みんなとは結構長くプレイしているからね。メンバーの誰もが、僕の意図を理解してくれているし、誰もが十分な実力者だから、ちゃんと対応してくれているんだよ。
―
それにしても、素晴らしいメンバーたちでした。あんな人たちを、どうやって見つけて来てバンドのメンバーに引き入れるのですか?
AS
う~ん……。あのねぇ、僕たちの世界は、広いようで狭いんだよ。例えば、メンバーの一人が何らかの理由で辞めることになったとするだろ? そうしたら、他のメンバーが、「僕の知り合いに、上手い奴がいるよ」と、教えてくれるものなんだ。で、ソイツを呼んでみて実際にプレイして、僕が気に入ったら採用する。そんな感じでメンバーって決まっていくものなんだ。
―
なるほど、ねぇ。昨日のライブでの、お客さんの反応は如何でしたか? 初日のファーストから、ソールド・アウトになっていましたよね。
AS
あぁ、確かに8年振りのブルーノート東京だったけど、相変わらず素晴らしいお客さんだったな。思うに、世界のどこよりも素晴らしいお客さんが集まっているのがブルーノート東京だと思うよ。昨日も、ファースト・セットが終った後に、バンドのメンバーたちに言ったんだ。「最初から全力でプレイしろ。そうすればお客さんたちは的確に反応してくれるから」ってね。とはいえ、メンバーの中には日本が初めてという人もいたんだけど、彼もとても喜んでいたな。「こんなにも素晴らしいお客さんが東京にいるんだ!」と驚いていたからね。誰もがお客さんたちの良い反応に、気分を良くしていたよ。
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・ニューアルバムのタイトル「SANGÚ」の意味するところは!?
・Live Report│アルトゥーロ・サンドヴァル
ARTURO SANDOVAL
(アルトゥーロ・サンドヴァル)
1949年11月6日にキューバのラ・アバナ州アルテミサに生まれる。1965年からプロとしての活動を開始。チューチョ・ヴァルデス(Pf)やパキート・デリヴェラ(Cl,Sax)と共にキューバのスーパー・グループ“イラケレ”の創設メンバーとして活躍するが、1990年にアメリカ合衆国に亡命し、1999年にアメリカ国籍を取得。その後も長年ラテン・ジャズの最前線に立ち、その芸術性は唯一無二の音色に導かれ、アフロ・キューバの伝統、ジャズの即興、クラシックの洗練をシームレスに行き来する。数々のグラミー賞に輝き、2013年には文化的貢献が認められ大統領自由勲章を授与され、2024年には芸術的功績を称えるケネディ・センター栄誉賞を受賞。最新アルバムは今年5月にリリースされた「SANGÚ」。
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