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インタビュー|フィリップ・スパーク

Wind-i vol.5 − Close Up −

幾人の人たちがマエストロの作品を吹き、聴くことで、笑顔になったり癒されたりしたのだろうか。今、日本国内の吹奏楽団でプロ・アマ問わず、おそらく最も演奏回数の多い作曲家の一人であろうマエストロ フィリップ・スパーク。その人気の秘密は、吹奏楽、ブラスバンドの特徴を最大限に引き出すサウンド、情景がつぶさに伝わってくる音楽にあるのではないだろうか。大きな魅力を持つ作品たちは、どのように生まれてくるのであろうか、マエストロに訊いた。
(この記事は2015年4月25日に発売したWind-i vol.5 に掲載のインタビュー記事です。)

インタビュア・翻訳:榊原敬幸
取材協力:シエナ・ウインド・オーケストラ 黒沢ひろみ(ユーフォニアム奏者)

Philip Sparke
フィリップ・スパーク

Profile

フィリップ・スパークは、1951年イギリスのロンドンに生まれた。王立音楽大学(RCM)でピアノ、トランペット、作曲を学び、学生によるウィンドオーケストラへの参加やブラスバンド活動を通じて、在学中より、吹奏楽およびブラスバンド作品を書き始めた。この頃に出版された最初の作品が、ブラスバンドでは『コンサート・プレリュード』、吹奏楽では『ガウディウム』である。その後、ニュージーランドで開催されたセンテニアル・ブラスバンド選手権の委嘱によって作曲した『長く白い雲のたなびく国』で、一躍世界へ知られるようになる。
BBC 放送の委嘱により作曲した『スカイライダー(1985)』『オリエント急行(1986)』『スリップストリーム(1987)』の3作品で<ヨーロッパ放送ユニオン(EBU) 新作バンド曲コンペティション>3年連続1位に輝いて以来、英国のみならずニュージーランド、スイス、オランダ、オーストラリア等で開催されるブラスバンド選手権決勝のための作品を発表し続け、ブラスバンドの大会が開催されるところでその名を見ないことはない。
吹奏楽作品では、東京佼成ウインドオーケストラに委嘱された『セレブレーション』のレコーディングによって世界へ知られるようになり、アメリカ空軍ワシントンD.C. バンドの委嘱による『ダンス・ムーブメント』では1997年、名誉ある<サドラー国際作曲賞>を受賞した。2005年には、大阪市音楽団第90回定期演奏会のために作られた『宇宙の音楽/吹奏楽版』により<NBA レヴェリ賞>を受賞。さらに2011年、それまでの偉大な業績が讃えられ、オランダの作曲者権利保護団体『BUMA』よりインターナショナル・ブラス・アワードと、また本国イギリスで最も権威あるブラスバンド・メディア『4barsrest.com』より特別賞を贈られている。
2000年からは自身の出版社『アングロ・ミュージック(Anglo Music Press)』を立ち上げ、作曲活動に専念。現在、ウィンド・ミュージック界の第一人者として世界的な活躍を続けている。
© 黒沢ひろみ 2015

※ 編集部注:このコーナーでは「ブラスバンド」とは「金管バンド」のことを指します。


新作を望んでくれる吹奏楽とブラスバンドのために
――
スパークさんが音楽と関わったきっかけを教えてください。
スパーク(以下S)
実は私の家族には、音楽を演奏する人がまったくいません。私が生まれた時にはもう亡くなっていた祖母が昔、無声映画のBGMとして映画館でピアノを弾いていたという話は聞いたことがありますが……。それ以外では音楽家は私だけでしょう。
子どもの頃にヴァイオリンを習い始めたのが音楽のスタートですが、正直に言うと自分にとってあまり楽しいものではありませんでした。その後ヴァイオリンをやめてトランペットを吹くようになり、アマチュアオーケストラで演奏するようになったことで音楽が本当に好きになりましたが、実は吹奏楽のことは、大学に入るまでほとんど何も知らなかったのです。
ロンドンの王立音楽院(RCM)の作曲科に入学したのが19歳の時です。そこで師事した先生が学生のウィンドバンドの指揮もしていて、そのバンドのために初めて吹奏楽曲を作曲しました。その後ブラスバンド作品も書くようになりましたが、20歳過ぎのことですので、子どもの頃からブラスバンドに慣れ親しんでいたような作曲家たちと比べれば、かなり遅いスタートだったと思います。
――
その後、特に吹奏楽とブラスバンドの作曲に力を注いだのはなぜでしょう?
S 
この2つの演奏形態では常に新しい作品を欲しているから、というのが大きな理由です。オーケストラやクラシカルな編成には、この250年の間にすでにたくさんの名曲が書かれていますから、そういった分野では聴衆も含めて新作を待ち望む声が少ないという実情があります。吹奏楽やブラスバンドでは、常に新作が望まれ、人々が真剣に取り組んでくれます。それが作曲家として、とても大きな魅力なのです。
――
作曲する時のインスピレーションはどうやって得ますか?

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