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ランクアップ講座 -フルート&ピッコロ-

Navigator:横川由布子 / 万谷正伸

横山 由布子  Y u k o Y o k o y a m a

横山 由布子
高松第一高等学校音楽科、東京芸術大学卒業。現在はオーケストラ、吹奏楽、室内楽、ソロなどで演奏活動を行なうほか、フルート教室「Fairy Field」を主宰し後進の指導にもあたっている。また作詞作曲も行なう。コンサートでは司会進行やナレーターとしても活動。フルートアンサンブル「ザ・ステップ」、TADウインドオーケストラのメンバー。 フルートを野口博司、細川順三、故・小泉剛、砂山佳美、藤村恵子、原田利佳の各氏に師事。

初めて楽器に触れる人に覚えてほしいこと3つ

①初めて楽器を持った人は、音が出ないのは自分の技術のせいだと思ってしまいますよね。きちんとメンテナンスされているかどうか、先輩やフルートの先生に楽器をみてもらいましょう。ちなみに古い楽器だからといって、悪いわけではありませんよ。木製の古い楽器はまろやかで優しい音が魅力的です。

②頭部管との接続部分はコルクが貼ってありますよね。グリスを塗ると、接続がスムーズになりますが、塗りすぎは埃が付着してしまうなどのトラブルの原因になってしまうんです。コルクに湿り気がなくスムーズに入らないときのみ、グリスを使用してくださいね。

③ピッコロはとても小さな楽器なので、吹いていると管の中にすぐ水滴が溜まってしまいます。こうなると水滴がキィをふさいでしまい、正しい音が出なくなってしまいます。しかし本当に恐ろしいのは、水滴が楽器にとって命取りになってしまうこと! 水滴をそのまま放置しておくと、木製の楽器は割れる恐れがあるのです! ピッコロを吹く際は、必ず掃除棒を近くに常備し、暇さえあれば水滴を取りましょう。ちなみにプロの奏者は本番中でも、しょっちゅう掃除棒を楽器に通して水滴を取っています。私が愛用しているのは、組み立て式の長い掃除棒で、ピッコロを分解せずにお掃除することができます。

音を出してみよう!

……という前に。

実は、何年かフルートを経験したのちにピッコロを練習し始めた人が陥る悩みがあるのです。それは、「ピッコロを練習し始めたら、フルートの音が出なくなった」ということ。ピッコロはフルートと比べて歌口が小さいため、アンブシュアを締めることになります。そして、そのままの口で再びフルートを吹いてみると「私、フルートが吹けなくなっちゃった(涙)」という状況に陥るのです。

①ですからピッコロを吹く前に、まずはフルートをしまいましょう!今日のフルートの練習はおしまい。そして、フルートのことは忘れてピッコロを練習し始めましょう。

②次の日もまずはフルートの練習。そして一日の最後にピッコロの練習。しばらくはこのペースで練習を続けてください。

③そして、ピッコロを吹くとき、口を締めすぎるといい音は出ません。最初は無理をせず、楽に出せる低音域から徐々に上向し、唇が締まりすぎていないか気をつけてくださいね。高音は裏声を出すような気持ちで吹きましょう。目をつぶったり眉間にシワを寄せたりせず、眉毛を持ち上げるくらいの気持ちで高い音を狙ってください。



※こちらの記事は、Wind-i vol.5を一部抜粋し掲載しています。

 CONTENTS

◆1ページ:ピッコロ  横山 由布子
◆2ページ: フルート 万谷 正伸

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