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みんなのキニナルを解決!? プロに聞く!Q&A

特集シリーズ \ 第1弾 /

Contents

ホルン
トランペット
テナートロンボーン
バストロンボーン

◆トランペット:久良木 文 Aya Kyuragi

久良木 文さん

福岡県精華女子高等吹奏楽部出身。2000年尚美学園音楽芸術表現コース、2002年尚美学園ディプロマコース卒業。1998年第43回西日本出身新人紹介演奏会、2000年第16回ヤマハ金管楽器新人演奏会、2001年尚美ディプロマコース主催フレッシュコンサート、2002年東京文化会館新進音楽家オーディション金管部門合格、同デビューコンサート出演(大ホール)。2006年第75回日本音楽コンクール入選。これまでに、本村孝二、佛坂咲千生の両氏に師事。現在、ズーラシアンブラスメンバー。ミュージックスクール「ダ・カーポ」講師。洗足学園音楽大学非常勤講師。

Q.ハイトーンが多くて困る!

今年から1st パートを担当することになったのですが、ハイトーンがたくさん出てきて困っています。ハイトーンのための練習を教えてください。

A.無理のない範囲の高い音から練習

私が練習してきて良いなと思った練習方法をご紹介します。まずは、自分がいま出せる範囲での高い音を大きく出すことから始めてみましょう。このとき気を付けたいのが、もう命からがらなんとか出せる高音ではなくて、無理のない範囲の高い音からやっていくということです。そしてありがちなのが、高い音は出ていても、痛い、キタナイ、うるさすぎる音になってしまうこと。それでは意味がないので、無理のない範囲の高い音が大きく出せるようになったら、その音を良い音にして、音の質を上げていく。そうしていくうちに、自然と高い音が出るようになっていくはずです。

Q.クールダウンって必要?

ウォームアップはしていたのですが、クールダウンをしないといけないと聞きました。しなかった場合、どんな影響がありますか? また、ウォームアップとクールダウンのやり方も教えてください。


A.無理やり吹いた日はやっておこう

イラスト中村あつこ

イラスト 中村あつこ

まずはクールダウンをしない場合の影響ですが、その日、無理矢理に吹いてもう音がコレっぽっちも出ない……、唇が反応しない……といった日でない限り、特にする必要はないと思います。仮にそうなって、クールダウンをしないで終わってしまった場合、次の日に影響してくるでしょう。唇が腫れてしまったり、身体に力が入ったままになってしまっていたりします。そして、そんな状態でまた何日も吹き続けると、調子がなかなか戻らない、といったことにもなります。
クールダウンのやり方としては、無理矢理に吹いてしまった日は、アパチュア(唇中央の空気が通る箇所)が太くなりすぎてしまっている場合が多いので、アパチュアを元に戻すように、息を細く出すようにしていきましょう。きっと身体にも力が入ってしまっているので、お家に帰ってからストレッチやヨガなどをして、身体もほぐしましょう。

Q.リップスラーができない

リップスラーが上手くできません。舌が邪魔しているような感じです。リップスラーのときの唇、舌の位置、息の出し方など教えてください。

A.口笛がヒント

まず唇ですが、唇を「締めよう、緩めよう」などと考えるよりも、息の流れのほうに意識を向けましょう。高い音を出す時と同様、リップスラーで上の音に上がる時は息が入りずらいかと思います。ですから上の音にアクセントをつける感じで息をしっかり入れるようにします。そして息を出す角度を、上の音にいくに従って下へ、下の音にいくに従って上へ、上下逆に意識してみてください。舌の位置は、一度口笛を吹いてみてください


口笛がヒント

口笛が吹けないとしても、真似だけでも良いです。音程をいろいろ変えてみると、舌が動いているのが分かりますよね。その舌の使い方でリップスラーをしてみましょう

すべての金管楽器にとって「音を上昇させること」は非常に難しく、唇の力で上がろうとすると音色が崩れてしまうので、下降系でまずは息の流れを確認してから、上唇の周りの筋肉を意識して「無理のない音域」から上昇させてみましょう。私の個人的な意見ですが、ホルンにとって16分音符のような細かいリズムでのリップスラーはあまり意味がないと思います。2分音符や4分音符でフレーズを意識して、音の移り変わりの瞬間をできるだけ素早く切り替えるように心がけましょう。逆に切り替えをできるだけゆっくり行なうとグリッサンドの良い練習になりますよ!

Q.速いタンギングができるようになるには?

タンギングが歯切れよくできません。速いタンギングも苦手です。タンギングの練習方法を教えてください。

A.息をしっかり出し続ける

タンギングはよく「舌を突く」と思われがちですが、「舌を離す」と考えたほうが上手くいきます。流れている息を舌でせき止めて→舌を離す。ですからタンギングをする時は、息は基本的には出しっぱなしです。一つひとつ止めてはいけません。そして、歯切れを良くするのは言葉を喋る発音と同じことなので、やはりしっかりと息が出ているか確認しましょう。舌もしっかりと前に出せば、タンギングは強くなります。
トランペットなどの金管はダブルタンギング、トリプルタンギングなどを使えば、容易に速いタンギングができるので、コツコツと練習してみましょう。

Q.これだけはやっておきたい!

トランペットでこれだけは気をつけてほしい、この練習はしてほしいものは?

A.目標を持ってできることを少しずつ広げていく

これはトランペットに限らず言えることかもしれませんが、やはり目標を持つということが上達するコツでもあると思います。少々基礎ができていなくても、すごく吹いてみたい曲があるとします。そうしたらまずその曲を練習してみる。でも、できない箇所がたくさんあると思います。そこを一箇所一箇所練習して曲を作り上げてみる。その曲の音域がココからココまでと分かれば、その音が出るように少しずつ音域を広げていく。リップスラーの箇所が出てきたら、そのリップスラーができるように、似たようなリップスラーの練習をする。タンギングもしかりです。まずは簡単な曲からでも良いので、好きな曲からはじめてみてはいかがでしょうか。一曲達成すれば、次は、次は……となること間違いなしですよ。

記事はWind-i 4号からの抜粋です。

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