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みんなのキニナルを解決!? プロに聞く!Q&A

特集シリーズ \ 第3弾 /

今号は大好評特集シリーズ第3弾をお届け! 今回はユーフォニアム&チューバのお悩みを解決します。
「裏打ちをすると必ず遅れます……」「音を長く伸ばすには?」といった誰もが知りたい内容から「速いタンギングができない」「アンブシュアが安定しない!」「綺麗なの音を出すには?」などなど、中上級者向けのアドバイスも紹介しています。吹奏楽コンクールが近くなってきたこの時期に、個人でパートで全体で試してみてくださいね♪
また、どんな経緯でユーフォニアム・チューバを演奏するようになったのか、プロ奏者に始めたキッカケを教えてもらいました。プロの皆さんは、楽器とどんなふうに出会ったのでしょうか?

Contents

ユーフォニアム
チューバ
楽器との出会い・ユーフォニアム
楽器との出会い・チューバ

◆ユーフォニアム:庄司恵子 Keiko Shoji

庄司恵子さん

千葉県出身。東京音楽大学卒業。同大学研究科修了。研究科在学中、インディアナ大学に短期留学。第9回日本管打楽器コンクール第5位。現在、シエナ・ウインド・オーケストラ団員。東邦音楽大学講師、神奈川県立弥栄高等学校芸術科講師。

Q.正しいアンブシュア、姿勢は?

アンブシュア、姿勢など基本的なことを教えてください。

A.まずは楽器の構え方から……

ユーフォニアムは左右対称ではない大きな楽器です。顔をまっすぐ前に向け、マウスピースが唇に当たるように楽器を構えます。良い音が出しやすいように構えるよう心がけ、良い姿勢を身につけましょう。
アンブシュアは、誤解を恐れずに言えば、どんな時もイメージを持ち、それに合った息づかいを心がけていて、思い通りの音・音楽が奏でられれば、どんなアンブシュアでも良いと思っています。とはいえ、少しアンブシュアの話を(笑)。

アンブシュア
●マウスピースのリムの内側に唇の赤い部分が入るように、下唇がリムに沿うように当てます
●歯は噛まずに少し隙間を開けます
△初心者の場合は、これ以上あまり細かいことを気にしないで「ブーブー」とバズィングしてみましょう

慣れてくると徐々に色々な高さの音が出せるようになってきます

楽器に慣れて「音色を良くしたい」と思ったら……
●温かい息を出すようにして口の中に空洞を作るようにしてみましょう
(あくびをする時のように口を大きく開けると喉に力が入ってしまうのでここまではやらず、あくまでも喉や口の中がリラックスしている状態で)
●バズィングする時に唇の両端が歯や歯茎から離れないように(間に空気が入らないように)しましょう

様々な練習を積み重ねて、自分のアンブシュアを育てていきましょう


Q.速いパッセージが難しい

ピストンが上手く押せないために速いパッセージが難しいです。どんな練習をすればよいでしょうか。

A.とにかくゆっくりから練習

ゆっくりできないものは、速くは動きませんから、指の動きはとにかくゆっくりから練習するのが良いと思います。
とにかく自分ができるテンポで練習をし、少しずつ速くしていきます。ぎりぎりできないテンポまで練習を進めます。翌日もまたその翌日もまた……、とその繰り返しをしていくうちに、時間はかかりますが、だんだんと速くできるようになってくるでしょう。練習を重ねるしかありません。その練習の中で、
・リズムを変えて練習する
・鏡を譜面台の上に置いて、自分の指の動きを見ながら練習する
などもお勧めします。


Q.タンギングの練習法を教えて!

タンギングに自信がありません。特に低音で速いタンギングをしていると力が入り、余計に遅くなり悪循環のような気がします。練習法を教えてください。

A.力を抜いて、軽やかな動きを心がける

息(=空気)はとても軽いので、タンギングをするのに(舌を動かすのに)力はいらず、スムーズに動かす必要があります。速いタンギングをする時は音域にかかわらず舌に力が入りやすいですが、なるべく吐く息の流れを意識しながら舌の動きをするようにすると、余計な力が抜けやすくなるでしょう。


Q.ハーモニー、ユニゾンで気をつけること

ハーモニー、ユニゾンそれぞれでユーフォが気をつけることを教えてください!

A.音程やバランスを大切に

ハーモニー
ユーフォニアムに限らず、音程とバランスが大切です。
どんな響きがするハーモニーなのか意識した上で、自分の役割を知り、美しく聞こえる音量のバランスを心がけましょう。自身の音程の癖を知っていたり、同じ音を出しているパートの音を聴きながら演奏できると、音程が合わせやすくなります。
ユニゾン
どの楽器とユニゾンなのかを知り、どんなバランスが良いかいろいろ試してみましょう。他の楽器に耳を傾けながら演奏すると、ブレンドしやすくなると思います。音程、アーティキュレーション、発音のニュアンス、テンポ感、フレーズ感等も丁寧に合わせられると良いですね。

Q.これだけはやっておきたい!

ユーフォニアムでこれだけは気をつけてほしい、この練習はしてほしいものは?

A.イメージを持って

いつもイメージを持って演奏してほしいです。
日頃の練習は、自分が出せる低い音から高い音までを使って、ロングトーン、インターバル、リップスラー、音階等なるべくいろいろな練習をしてください。次ページに譜例を少し載せますので、参考にしてみてください。
最後に……
生で演奏を聴く機会があれば是非聴いて、音楽や音を肌で感じてください。「好きこそものの上手なれ」──音楽やユーフォニアムを好きになったら、おのずと研究心が生まれ、単調な練習にも意欲を持ってあきらめずに取り組んでいけるのではないかと思います。

譜例1譜例1
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