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みんなのキニナルを解決!? プロに聞く!Q&A

特集シリーズ \ 第4弾 /

大好評特集シリーズ第4弾! 今回はクラリネットを大特集します。
「E♭クラの音程が合わせられない」「リードミスしない方法は?」「バスクラの低音を響かせる方法が知りたい」といった、誰もが知りたい情報を紹介します。
また、クラリネットアンサンブルの基礎もお送りします。

Contents

E♭クラリネット
B♭クラリネット
アルトクラリネット
バスクラリネット

◆E♭クラリネット:木内倫子 Michiko Kiuchi

木内倫子さん

東京芸術大学卒業。桐朋オーケストラアカデミー研修課程修了。第二回ヤングクラリネッティストコンクール第二位。オーディションを経て、2004年、2005年PMF にオーケストラアカデミー生として参加。シエナ・ウインド・オーケストラ エスクラリネット、クラリネット奏者。

Q.音色が「キンキンしている!」と言われます。

E♭クラで柔らかい音色を出すためのコツを教えてください。

A.仕掛けをチェックしてみよう

自分の息の量やスピードに、仕掛け(マウスピースとリード)が合っていないのではないかと思います。キンキンしてしまうということは、マウスピースの抵抗がなさすぎたり、リードが薄すぎるなどが考えられます。
人それぞれ合う仕掛けは違いますので、色々な組み合わせを試してみてください。気に入るものが見つかるといいですね。



Q.目立ちすぎるのが悩み

ppで吹いても、音色のせいか、一人だけ目立ってしまいます。小さい音で吹くコツ、 練習法を教えてください。

A.ロングトーンにダイナミクスを付けて練習

ppでの演奏方法は、B♭クラリネットと何も変わりません。ロングトーンをするときに、聞こえないくらいのppからクレシェンド→できるだけff→ディミヌエンドをしてまた聞こえないくらいのppで消えていくという練習をしてみてください。聞こえないくらいのppは、リードの振動を捕まえるような感覚がわかるとやりやすくなると思います。



Q.E♭クラが難しいのはどんなところ?

E♭クラだからこそ難しい!というところを教えてください。

A.ずばり、音程の不安定さ

特に高音域は普通に吹くととても高くなってしまうので柔軟に対応するために自分の音程の癖をよく理解しておく必要があります。その上で、自分に合った替え指を考えます。
特に吹奏楽ではソロよりも、B♭クラの高音域の補助的な役割になったり、フルートやピッコロの中に溶け込まなければならない場面が多く出てきますので、よく耳を使って、相手に寄り添うように音程を合わせることが大切です。音色を保ちながらも音程をコントロールするという点が、一番難しいと思います。



Q.持ち替えは難しい……

E♭クラとB♭クラを持ち替えで吹いています。B♭クラからE♭クラに持ち替えが上手くいかず、E♭クラは最初から良い音が出ません。持ち替えやアンブシュアのコツを教えてください。

A.B♭クラと同じぐらいE♭クラにも慣れよう

まず、E♭クラだけで吹いたときと、B♭クラから持ち替えたときに何が違うのかを自分で見つけることが大事だと思います。
強めに嚙むという意識はあまり持たなくていいと思います。少ししっかりくわえるくらいで大丈夫なので、間違ってもリードとマウスピースの間のすき間を潰してしまうようなアンブシュアにはしないでください。アンブシュアも大切ですが、息のスピードや圧力に気をつけます。B♭管の時よりも速い、ピーンと張ったような息をイメージしてください。
E♭クラでのロングトーンやスケールを日課にして、B♭管と同じくらい慣れるのも大事です。自分なりのコツを見つけられれば、持ち替えだからといって構えずにできると思います。



Q.低音の雑音が気になる……

高音と低音とで、音色の差が気になります。低音のほうが雑音が多いのですが、低音の雑音を減らすための練習を教えてください。

A.まずは仕掛けをチェックしてみよう

低音の雑音をなくすための特別な練習というものはありません。どのような雑音かによりますが、リードの先端が薄すぎたりすると低音域がミーンという雑音混じりの音の場合はリードの選び方で改善できます。あとは、マウスピースが劣化していたりしませんか? マウスピースの平らな面に汚れが付いていたり、傷が付いていると雑音の原因になります。まずはそのあたりを確かめてみてください!



Q.ピッコロとユニゾンが合いません

E♭クラを吹いていると音程のことばかり注意されます。特にピッコロとのユニゾンが合いません。どんなことに注意すればいいでしょうか?

A.音色を溶けこませることがコツ

ピッコロにかかわらず、どの楽器と音程を合わせるときも同じですが、私は相手の音の中に自分の音色を溶け込ませるように意識しています。そうすると自然と音程も寄っていきます。でも、それは自分だけではなく相手にも同じ意識を持ってもらうことが大切です。合奏のなかでEクラとピッ コロだけがぴったり合っていても、周りから浮いてしまっては意味がありませんので、常に周りに意識を向けながら!です。



Q.これだけはやっておきたい!

普段指導に行かれている中で、E♭クラでこれだけは気をつけてほしい、 この練習はしてほしいものは?

A.学校の備品、要チェックです!

学校に指導に行くと、何年前のマウスピースですか!? というようなアンティークな仕掛けで吹いている人が多いです。何代も前の先輩から代々使ってきた、傷だらけのマウスピースに歪んだリガチャーでは上手になるものもなりません!
B♭クラと同じで、やはりマウスピースとリガチャーは自分に合った、自分のものを持っているのが理想です。なかなか難しい場合もあると思いますが、最低でも、マウスピースは傷ついたり、先端が欠けたりしていないか、リガチャーは歪んでいないかだけは気を付けていてほしいと思います。
あとはなるべく定期的に楽器の調整をして、健康な状態にしておくことも大切! 楽器の調子が悪いのに自分のせいだと思いこんで、さらに調子が悪くなってしまうということがよくあります。

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