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みんなのキニナルを解決!? プロに聞く!Q&A

特集シリーズ \ 第4弾 /

Contents

E♭クラリネット
B♭クラリネット
アルトクラリネット
バスクラリネット

◆B♭クラリネット:大浦綾子 Ayako Oura

大浦綾子さん

武蔵野音楽大学卒業、東京芸術大学大学院修了。パリ12区コンセルヴァトワールを満場一致の一等賞を得て卒業。2001年東京佼成ウインドオーケストラに入団。これまで、第55回・第63回日本音楽コンクール入選、第6回日本管打楽器コンクール第2位入賞、第9回日本管打楽器コンクール第3位入賞。現在、東京佼成ウインドオーケストラクラリネット奏者、洗足学園音楽大学非常勤講師、木管五重奏団「アミューズ・クインテット」メンバー。

Q.水滴、どうすればいい?

練習を始めると、15分も経たないうちにトーンホールから水滴(つば)か出てきます。対処法を教えてください。

A.スワブを素早く通す“技” を習得しよう

5~10分おきぐらいの短いスパンでスワブを通します。管の内側を水滴が流れてしまうとそれで水の通り道ができてしまい、同じ箇所からいつも水が出るようになってしまうので、中を覗いてみて管の内側が曇っていたらすぐにスワブを通すようにしましょう。たまに学校のクラブ活動などで、“合奏中にスワブを通すのは禁止!”というとんでもない決まりがある学校があります!
これは生徒の動作が遅くて練習が中断してしまうのでという理由があってのことかと思いますが、実際にスワブを通すのにかかる時間は10秒ほどで、何小節かの休みがあれば、そこでできてしまいます。楽器を大切にするためにも、スワブを素早く通す技を習得するのも大切ですね。
それから、トーンホールに埃がたまっていると、埃が水を吸ってそこから水が出やすいので、トーンホールは1年に1回ぐらいのペースで掃除してもらいましょう。



Q.リードを長持ちさせるコツって?

リードを長く使うことができません。以前は3 1/2を使っていましたが、2週間もすると2 1/2のように柔らかくなります。リードを長持ちさせるためのコツを教えて ください!

A.良いものを何枚か持って、ローテーションを

もしかして、同じリードを2週間使い続けているのでは? それではすぐダメになってしまいます。リードは常に良いものを何枚か持ってローテーションして使いましょう。
特に新しいリードは水を吸ってすぐ先が透けてくるので、そうなったら休ませて乾かすようにしてください。その間他のリードを使い、それが透けてくるとまた別のリード……というふうに、吹きやすいものを何枚も持っておくことが必要です。
繰り返していくうちに先が透けなくなってくれば長時間吹いてもかまいません。こうなるまでには5日~1週間ほどかかると思います。実はこの時がリードの全盛期です。その後毎日使っていると垢が付いて黒くなったり音が細くなったり、雑音が したりするようになります。そうなればそのリードは寿命ですので潔く捨てましょう。
こう考えると一枚のリードを使い続けて2週間でダメになるというのは自然な流れなのです。良いリードたちがダメになったときすぐ次のリードたちが控えているように、定期的に新しい箱を開けることをお勧めします。



Q.リードミスしない方法を教えて!

リードミスを連発してしまいます。リードミスしない方法を教えてください。

A.“リードミス” は息の当て方のミス

リードミスの大きな原因には2種類あり、どちらも息の使い方の問題です。クラリネットも金管楽器のように、同じ指で息の当て方を変えると違う 倍音が出ます。
ちゃんと下の音が鳴る息の方向で吹き込めば音はひっくり返りません。もう一つの原因は、管の長さによる息の入れ方のミスです。チューニングのA やB♭あたりは塞がっている管が長く、鳴らすのに抵抗感があるのに対して、解放のソ近辺(スロート)は抵抗が少なく鳴りやすい音です。抵抗がある音は息のスピードが必要ですが、抵抗の少ないスロートではスピードの速い息を入れてしまうとオーバーブローのようになり、音がひっくり返って高い倍音が鳴ってしまいます。



Q.雑音の少ない音を出したい

雑音の少ない音を出すための練習法を教えてください。

A.良い音の条件とは……

解放のソの音が良い音がしていることが大切です。リードの反応が悪くても雑音がします。反応が良く自分に合った抵抗感のものをよく選んでく ださい。何より大切なのは、良い音のイメージを持つこと。それは漠然と「こんな感じの音」というのでなく、実際に聴いたことのある音で、自分の理想の音を常に頭に鳴らしながら練習するのです。そうすると人間とは不思議なもので、だんだんその音に近づいていくものです。そのためにも良い音をたくさん聴いてください。



Q.これだけはやっておきたい!

B♭クラリネットでこれだけは気をつけてほしい、この練習はしてほしいものは?

A.お腹の支えと息の入れ方を意識して

毎日の基礎練習は長い時間やる必要はありません。そのかわり、何に気をつけてやるかが大切です。たとえばロングトーン。音をまっすぐ伸ばすため にはどうしなければいけないかを考えてみましょう。お腹とアンブシュアの支えが大切ですね。音を伸ばしながらお腹の支えを意識できているかどうかが、上手くなるかどうかの分かれ目です。
ロングトーンをしながらお腹を意識することでお腹の支えが鍛えられ、一定量の息がコントロールできるようになり、その結果まっすぐ音が伸ばせるようになるのです。音をまっすぐ伸ばせるというのは、楽器を吹くときに一番大切なことかもしれません。

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