THE FLUTE ONLINE連載

山元康生の吹奏楽トレーニング!│第8回

2021年の吹奏楽コンクールに向けてスタートしたこの連載ですが、技術向上に役立つ練習法や考え方を発信するうち、コンクール対策のみならず日々のトレーニングに役立てていただきたい内容になりました。 この機会にフルート演奏の基礎を見直して、「良い音」「正しい音程」「音量のコントロール」「正確で俊敏な指使い」を手に入れられるトレーニングをしてみませんか?

今回を含めてあと2回、引き続きお付き合いください。

♪♪♪

今回は指のトレーニングです。
どの調、どの音域でも速く正確に指を動かすことができるようになりましょう。

難しい部分だけを取り出してみる

【譜例1】
 

【譜例1】が今回の目標です。
まず、最初のC MajorのAを♩.=80ぐらいで通して吹いてみてください。……難しくて吹けませんね?
「速すぎる!」「難し過ぎる!」「中学生にはムリ!」「アマチュアには必要ない!」と思う人もいると思います。
実は私も中学生の頃、このテンポで吹く能力がありませんでした。
しかし、吹奏楽のレパートリーやコンクールの課題曲に、この程度の難しいパッセージが出てくることは事実です。しかも、それらは譜例1にある5つの調の音階の部分であることが、かなり多いのです。
つまり、譜例1の音階を速いテンポで暗譜で吹けるようになっておくとレパートリー、課題曲が、すぐに吹けるようになります。
最初から上手く吹ける人などいません。できないから練習するのです。
これから効率の良い練習の手順を紹介していきます。「面倒くさい」と思ってはいけません。まず、練習してみてください。
効率の良い練習を利用すると驚くほどの短時間で、できるようになります。

ここではC Majorを例にとって練習の手順を説明していきます。楽器を片手に読み進めてください。

 

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山元康生

山元康生│Yasuo Yamamoto
1980 年、東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。同年6月渡米し、ニューヨークでのジュリアス・ベーカー氏のマスタークラスに参加し、ヘインズ賞を受賞。その後2ヵ月間にわたってベーカー氏に師事。1982年、宮城フィルハーモニー管弦楽団(現・仙台フィル)に入団。1991年より、パリ・エコールノルマル音楽院に1年間学ぶ。1997年から度々韓国に招かれマスタークラスやコンサートを行なう。また、2006年にはギリシャとブルガリアにてマスタークラスとコンサートを行なう。2002年、Shabt Inspiration国際コンクール(カザフスタン)、2004年、Yejin音楽コンクール(韓国)、仙台フルートコンクールに審査員として招待される。

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