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山元康生の吹奏楽トレーニング!│第8回

【譜例2】
 
 
 
 

まず、長い音階を分割して難しい部分を見つけます。
それぞれの繰り返し記号の中を4回以上吹いてみてください。
たぶん誰もが13が難しいと思うでしょう。
4は……実は、ここも正確に吹けない人が結構多いのです。

では1から順番に練習していきましょう。
1は上行の音階ですが、一方通行を1aのように最も高いE3から折り返して、さらに繰り返すと、一方通行の時と逆の指の動きも練習することによって効率が上がります。
これに1b1eのようにリズム変奏をプラスすると、さらに効率が上がります。
ここでは『6つの音のためのリズム変奏』①②④⑤を応用したエクササイズになっています。これらを丁寧に練習した後に1に戻って吹いてみると、驚くほど簡単に感じるはずです。

これだけでも十分かもしれませんが、1gから、さらに有効な練習方法を示しておきます。
1aを2個目のG2から吹くと1gになります。吹いてみると別のエクササイズを吹いているように感じませんか?
これにリズム変奏をプラスすると1h1jになります。
『6つの音のためのリズム変奏』にある他のリズムパターンでも練習してみてください。
1k1qも同様に練習すると、元の形1は簡単に吹けてしまいます。

どうでしょうか? この練習を始めた時よりも、はるかに自信を持って吹けるようになっているのではないでしょうか?
「何だか面倒くさい練習だな」と思う人もいるかもしれませんが、実は大した時間はかかりません。
吹奏楽のレパートリーやコンクールの課題曲の難しい部分も、そのままの形で100回吹いても、なかなか上手く吹けません。この方法、あるいは次に示す方法を応用することによって、驚くほど早く完成することができます。

折り返し循環練習

最も難しいのが2です。
まず2a2bのように、ゆっくりとしたテンポで分割練習します。それぞれの繰り返し記号は4回以上吹いてください。
最も高い音のB♮3は右手小指を離すのが正しい運指で、その方が音質、音程も良いのですが、このように速く吹かなければならない時は押さえたままで構いません。

次の目標は2cの折り返し循環練習です。
すぐには不可能ですので2dのように分割練習します。これも、それぞれ4回以上吹いてください。慣れてきたら2e2fのようにリズム変奏を加えます。
次に1つ目と2つ目、3つ目と4つ目を結合して練習します。
さらに、それぞれを結合すると2hが吹けるようになります。これを循環させるには2jのように2つ目と3つ目、4つ目と1つ目の結合練習を行ないます。
もちろん2m2pのようなリズム変奏も行なってください。
これで2cが吹けるようになりました。

次に3の練習に取りかかります。
ここも3aのように一方通行だけでなく折り返しで練習します。
これまでに練習した分割練習+リズム変奏で吹けるようになります。

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