パリを拠点に活躍する鈴木氏がアルバムをリリース!
長年にわたりパリを拠点に演奏活動を行なっている鈴木康子さん。今年3月に三作目としてアルバムをリリースした。そのテーマはフランスの女性作曲家。ジャケットには着物を来た女性のイラストがジャケットになっているのが印象的だ。6月の帰国時に久しぶりにインタビューが実現した。
愛と情熱を感じる作曲家たち
それがアイデアになって、過去150年ぐらいに活躍したフランスの女流作曲家を調べてみることになりました。ちょうどフランス国営放送でも特集するぐらいフランスの女流作曲家が流行ってました
なぜ150年かというと、歴史は繰り返す、とよく言われますが、私は戦争を経験していないし、経済的にも豊かになったときに子ども時代を過ごしてきました。ところが今は戦争を体験している子どもたちがたくさんいます。その原点が150年だと思ったのです。
150年前といえば音楽界ではショパンが活躍していた時代です。今回取り上げたカナルもその時代に活躍していました。でもカナルはフルートの作品はなく、ほとんどがヴァイオリンとピアノの作品です。クロード・アリューは若きジャン=ピエール・ランパルに作品を捧げたりしています。この時代は女流作曲家がたくさんいたのです。
この時代は音楽家はドビュッシーと交流があったり、リスト、サン=サーンス、ブラームスを知っていたり、文豪や絵画などにも素晴らしい芸術家たちがパリにいました。とにかく芸術全般が華やかな時代でした。
私の1枚目のアルバムは、プーランクなどの6人組が活躍した時代の作品を集め、2枚目のテーマは「愛と情熱の世界」にしましたが、それらのテーマがぴったりな感じでした。2作目はピアソラとブラジル音楽ですが(笑)。そこで3作目は女流作曲家に焦点を当てるのもいいかなと思ったわけです。
でも彼女たちが活躍した時代は、第一次世界大戦やユダヤ人迫害があって、芸術家たちはアメリカに流れました。マルセル・モイーズもそうですよね。そういう時代背景だったというのが理由の一つでしょうが、その時代の女流作曲家たちの作品を聴くと、愛と情熱をひしひしと感じるのです。
インタビューは続きます!
・短歌と共通性を感じるフランス音楽
・フルートの黄金時代
・エネルギーや言葉は音楽に影響する


◆3rd アルバム「響き合う魂〜~フランス女性作曲家達へのオマージュ」
【IC069】Indesens Calliope
[演奏]鈴木康子(Fl)、オノレ ・べジャン(Pf)
[収録曲]マルグリット・カナル(1890-1978):ヴァイオリンとピアノの為のソナタ、ポリーヌ・ヴィアルド(1821-1910):ヴァイオリンとピアノの為のソナチネ、クロード・アリュー(1903-1990):フルートとピアノの為のソナチネ、クレマンス・ド・グランヴァル(1828-1907):フルートとハープの為のメランコリック・ワルツ、ルイーズ・ファランク(1804-1875):スイス民謡による協奏変奏曲 作品20、ジョゼフィーヌ・ブーレイ(1869-1925):言葉なきロマンス、セシル・シャミナード(1857-1944):ヴァイオリンとピアノの為の森の精たち 作品60a
◆こちらも好評発売中

「LA MUSIQUE FRANCAISE フランス音楽曲集~フランスの光と風と色~」
【R9860338】
[演奏]鈴木康子(Fl)、Jean-Yves Aizic(Pf)
[収録曲]フォーレ:ソナタ イ長調 Op.13(ヴァイオリン・ソナタによる)、ゴーベール:フルート・ソナタ、タイユフェール:フルート・ソナタ第2番、デュレ:ソナチネ、プーランク:愛の小径

「アメジスト〜ラテン音楽への憧憬〜愛と情熱」
【KRS-040712L】
[演奏]鈴木康子(Fl)、豊島裕子(Pf)、渡邊 匠(Bass)、水口昌昭(Guit)、ヤヒロ トモヒロ(Perc)
[収録曲]M.MIZUGUCHI&H.TOYOSHIMA:アメジスト 〜鈴木康子に捧げる〜、Azevedo:Brasileirinho、Pixinguinha & Benedicto Lacerda:ナケリ テンポ(あの頃)、Altamiro Carrilho:Aeroporto do Galeao、H.Pascoal:ショリーニョ パラ エリ(彼に捧げるショーロ)、Pixinguinha & Joao de Barro:カリニョーゾ(愛しい)、Antonio Carlos JOBIM:ア フェリシィダージ(幸せ)、Luiz Bonfa:マニャン ヂ カルナバウ(カーニバルの朝 黒いオルフェのテーマ)、H.Villa-Lobos:リア - ブラジル風バッハ第5番より、ピアソラ:リベルタンゴ/ミケランジェロ/レビラード/天使のミロンガ/フガータ/可憐なセンチメンタル










