画像

Event Report 2019年7月6日(土)

佐藤一美の楽しいOcarinaワークショップを開催しました!

講師:佐藤一美  Pf伴奏:大隅桂子  Perc(カホン):小針秀利

佐藤一美,ワークショップ
メロディが印象的な『Purple Passion』を講師演奏で披露。テンポの速いフレーズをトリプル管による重音のダブルタンギング演奏は圧巻であった

 

後進の指導にも情熱を注いでいる佐藤一美さんの楽しいOcarinaワークショップが7月6日、東京・目白のa-note+Music Schoolで開催された。今回のワークショップの課題はOcarinaの構造に沿った楽器の構え。また音楽表現を高める演奏という内容でレクチャーが行なわれた。そんな当日の様子を搔い摘みお届けしよう。

楽器の構造に沿った構えと吹き方

まずは、受講生一人ひとりのOcarinaメーカーとモデルをチェックして楽器診断を行なった後、体、指の関節をほぐすストレッチと、腰の幅くらいに足を広げ、姿勢を整えてから、効率的に音にするための腹式呼吸の練習が行なわれた。
一連の準備運動、腹式呼吸を体験した後、いよいよ本格的なクリニックがスタート。クリニック前半は、音楽表現のために重要なテクニックとして、タンギングについての説明と実践が進められた。「トォー」というタンギングのシラブル(発音)を行なう際、舌の位置をどこにするか、正確には、発音の際、「どの位置から後方に舌を引くのか」についての説明として、例えば柔らかなタンギングを行なう際には上の歯と歯茎の境目より少し上から舌を引くといった説明に続き、いよいよ受講生全員で“ソ”の音で実践。このとき腹式呼吸をしっかり意識して、正確な音程を感じながら出す音は、遠鳴りのする音色と柔らかな発音を受講生も実感しているようだった。
その他、ハ長調の音階とフレーズを使って高音域、低音域を美しくしっかり出すための要領や、普段行なうと効果のある基礎練習法についての説明が行なわれた。高音を吹くときについては、先ほどの楽器診断での各楽器の特性も踏まえ、角度、息圧などを個別に指導。全員でフレーズを吹く際、楽器によって吹き込む角度に少しずつ違いがある光景が印象的だったが、明らかに高音域低音域での音程が安定して、音の張りもビフォーアフターで、見違えるほどの変化がみられた。

 

佐藤一美,ワークショップ
音の強弱やテヌートなどを意識し、表現力を高めて『野ばら』を合奏

 

音楽表現を高める演奏

お昼休憩を挟み後半がスタート。後半はいよいよ課題曲『野ばら』を使って、音楽表現を高めるためのより実践的な内容へと進む。一つのフレーズがどこへ向かっているのかを確認し、そのターゲットとする到達音にいたるまでの、どの部分からクレッシェンド、またディミヌエンドをはじめるかについての説明を踏まえ全員が合奏。フレーズが表情豊かに、より音楽的になっていく過程に参加者のみならず佐藤一美さんも手応えを感じている様子であった。
その他、テヌートを使う音とフレーズについてや、テンポに絶妙な緩急を付けるアゴーギグについてなど、実に内容の濃いレクチャーに4時間半もの長丁場もあっという間に時間は経過。
ワークショップの終盤は、佐藤一美さんと、この日、すべての曲でピアノの伴奏を行なってくれた大隅桂子さん、合奏の際はカホンでリズムを刻み、また受講者の質問にも応えてくれた小針秀利による講師陣で『Purple Passion』が演奏された。演奏後に設けられた質疑応答の時間では、普段の演奏での疑問や悩みについての質問が受講生から多く寄せられたが、それに対し、丁寧に具体的にまた情熱を持って回答する佐藤一美さんの姿に、質問者ならずとも受講生みんなが聞き入っていた。
レクチャー内容がそのまま自分の音楽の意識や知識として吸収される、そんな実りある時間を受講者全員で体験できた充実のワークショップであった。

 

佐藤一美,ワークショップ
ダイナミクスの付け方で、音楽表現を豊かにするレクチャーと実践の様子

 





佐藤一美



画像
画像


投稿・応募ENTRY



読者プレゼント応募・投稿には
メンバーログインしてください

画像