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チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス:マスターテイクス

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ジャズの歴史の中でチャーリー・パーカーの果たした役割はたいへん大きく、トランペットのディジー・ガレスピーらと共にそれまでのコードの流れをさらに細分化し、コードトーン中心の即興演奏に、オルタードテンション、アプローチノートなどを加え、なおかつテンポアップしてスリリングな「ビ・バップ」として構築しました。この人を外してはジャズのサックス、いや、ジャズを語ることはできません。パーカーの名盤としては「ナウズ・ザ・タイム」などを挙げる方が多いのですが、私はこの「ウィズ・ストリングス」をおすすめしたいと思います。メロディのはっきりとしたわかりやすいスタンダードナンバーが選曲され、きちんと編曲され枠組みを作られたバックにのって自由に、歌うように吹くパーカーがそこにいるのです。アルバムが発売された当時は、大衆に受けようとしたコマーシャリズムな音楽だという意見もあり賛否両論だったようですが、しかしここで聴けるのはマルチ録音などない時代(1940年代後半~50年代の前半)に、おそらく数本のマイクだけによって同時録音された素晴らしい音楽です。これ以降、ジャズミュージシャンにとって「ウィズ・ストリングス」を録音するということが、憧れのステイタスになっていきます。パーカーを題材にしたクリント・イーストウッド監督作品「バード」という映画も名作です。興味の湧いた方はぜひご覧ください。(内桶好之)


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