サックス記事 今話題の消音・防音グッズの実力はいかに!?
【徹底検証シリーズ】消音・防音グッズ編 THE SAX編集部員が実際に試してみた

今話題の消音・防音グッズの実力はいかに!?

サックス本体を覆う、カバードタイプのグッズ2選

 No. 1  ベストブラス e-sax タイプII

5786-1386

寸法:304 x 714 (mm)
重量:2,310 (g)
希望小売価格:¥50,000(税別)

消音機で有名な国産メーカー

ベストブラスから発売されているロングセラー商品「e-sax」
簡易防音ながら、約 -25dBを実現可能にした驚愕の商品で、サックスの消音機といえばまずこちらを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか?

 

編集部が感じたポイント

その1 ケースの留め具がしっかりしているため、がっちりロックがかかる。
4つの留め具がついており、かなりしっかりロックされます!
防音効果を高めるのはもちろんですが、誤開閉防止にもなり大変安心です。

その2 楽器の形に合うように内部のパーツが調整できる。
内部は楽器の形をしているだけではなく、U字菅とネックジョイントの下部に安定して装着できるように調整パーツが入っています。
自分のサックスのサイズに合わせて使えるのがいいですね!

その3 LINE IN とOUTが内蔵モジュールでできる。
e-saxにはマイク内蔵のモジュールがあり、イヤホン端子を通して自分の音をモニターできるのはもちろんですが、LINE INやOUTとスマホとプレーヤーなどの外部機器を繋ぐとこによって、カラオケ音源を流しながら吹けたり、マイクで拾った音をレコーダーなどで録音することもできてしまう。
これはコロナ禍で録音の遊び方が増えた今の時代で再評価されるべき機能。世界一小さな宅録スペースになるんです!

実際に吹いてみました↓

 
◎よかった点

・圧倒的消音力!
これには正直驚きました。体感上でも明らかに音が小さくなります。メーカーの水準通り、たしかに-25dBしたのです! 今回試した中では圧倒的と言っていい結果に。
自宅や吹く環境で変わるけど、これなら昼夜問わず、思うがままにサックスを吹けるのでは?!

・イヤホンで音確認できるところ
やはり場所によってはフルパワーで吹けないよ。なんて方は小さい音で練習されると思いますが、そんな時にもしっかり出音をモニタリングできるのはいいことですね!
かのジョン・コルトレーンは、壁に向かって吹き、自分の出音を確認した。なんて話が有名ですが、この機能があればバッチリです!

・思ったより取り付けが楽
簡易防音具として圧倒的な消音性があるので、なんとなく取り付けは大変なんじゃないかという印象があったけれど、まったくそんなことはなかったです。
内部パーツを自分の楽器に合わせてセットし、蓋を閉めて留めるだけ。固定する材質も柔らかいので簡単で安全という印象。大切な楽器を扱う上ではすごくメリットだと思った!

◎気になった点

・低音が出づらい
これは個人ユーザーのサイト・検証動画にもありましたが、私が吹いた時も感じました。
最低音付近が少々ウルフ(管体の抵抗感に負けてしまい音がダブること)になる印象。
これはサックスの構造上仕方ないことだと思いますが、ベルの先に何かあると当然音は出しづらいし、ピッチは変わります。

・操作性に制約がある
両手を通す穴は柔らかい収縮性のある素材ですが、やはりいつものポジショニングで吹こうとすると干渉されるイメージ。サックスを覆うタイプなので、これはやむを得ませんね。

・やっぱり重い
特に小柄な女性にとっては“重たい”と感じると思います。長時間の練習となるとよりつらいかも。

◎e-sax(★総合評価4.5点)

消音・防音効果
         5
 
使いやすさ
         4
 
ユニークさ
         5
 
用途の広さ
         5
 
コストパフォーマンス
         3.5
 
〜編集部員のコメント〜
上記でもお話ししましたが、圧倒的な消音力でした! これは何ものにも変えがたい。
ベランダでの検証でも55dBを下回った数値が出ました!

気になった点で挙げた「低音が出づらい」と「操作性の制約」ですが、個人的には“慣れ”で対応できるのではないかという感じもありました。普段から楽器を吹いている人にとっては、低音を出すコツやフォームなどはきちんと理解すれば、無理をして変な癖がつくことはないと思います。
「今e-saxを使っているからここが出ない」、「逆にe-saxのヒットポイントはここ」など使い分けはできるのではないでしょうか。
そういった意味では、まったくの初心者にとっては注意すべき点があるので、ある程度サックス歴のある方にオススメ。
e-saxの特性を理解した上で練習ができればきっと強い味方になってくれると思います!

e-sax タイプIIを実際に吹いてみた動画は最後のページにあります!

 

 No. 2  UNISON アルトサックス用ミュート

UNISON アルトサックス用ミュート

重量:約0.5kg
希望小売価格:オープン価格(実勢価格¥12,800)

楽器メーカーUNISONより発売。

e-saxと同じカバータイプの消音グッズで、低価格ながら消音効果が得られるという商品。果たしてその実力はいかに!?

 

編集部が感じたポイント

その1 安い
大事な要素のひとつに、やはり値段がありますよね。
楽器やマウスピースは“長く使うもの”とお金に糸目をつけない人は多いと思いますが、抑えられるところは抑えたいところ。あまりお金はかけられないけど、ちょっとした消音を試したい方にはピッタリ。

その2 ケースに入れるだけで消音効果が得られる手軽さ
こちらは余計なものが一切ないシンプル設計。
マジックテープとファスナーで楽器を包むだけなので、説明書いらずの簡単装着!

その3 とにかく軽い!
ケース外側はビニール質、内側は柔らかい素材でできているので軽い。とにかく軽い。
e-sax使用した後だと余計に軽く感じます。
また、落としてもケースが壊れる心配はないのもポイントです!(楽器ケースとしての性能はありません)

実際に吹いてみました↓

 
◎よかった点

・取り付けが簡単
数ある消音グッズの中でも取り付けが簡単な部類に入ると思います。楽器をケースに入れて、閉めるだけ。注意点なども特にないので、気兼ねなく使えますね!

・軽い
同じカバータイプのe-saxとの比較対象になりますが、それを踏まえるとカバータイプでは圧倒的な軽さです。つけている重さはほとんど感じません!

・安い
e-saxほどではないですが、体感としても音は小さくなりました。
音をバリバリ出すことはできないので、音は抑えて吹く活用法になるけど、消音グッズとして価格は安い。防音室や4、5万する消音グッズは買えない……なんて方に最適です。とりあえず買ってみるのはあり!

◎気になった点

・低音が出しづらい
これはe-saxと同じ症状で、最低音付近が出しづらい印象でした。これはカバータイプの永遠の課題かもしれませんね。ここは仕方ないと割り切るしかないか…!

・左手の操作性が悪い
カバータイプなので、e-sax同様手を入れる穴があります。
e-saxは穴部に柔らかい収縮性のある素材を使用していましたが、こちらのサックスミュートはただ開くようになっているだけなので、扱いに少々苦戦します。
特に左手のパームキィ操作の際、内部と操作性の悪さが相まって手がケースに干渉を受ける印象でした。ここは改善されればいいかも?

・消音効果はそれなり
これは仕方ないかな……という印象です。
ソフトケースで簡易防音している形状なので、もともと大きな効果は期待していませんでした。あくまで消音性能にこだわる方にはe-saxの方が向いています。
とはいえ、装着時に-10〜15dB程度の消音性能があり、ベランダの測定では60〜70dB前後という数値になったので、想定していた以上の結果でした!

◎ユニゾン サックスミュート(★総合評価3.8点)

消音・防音効果
         3.5
 
使いやすさ
         4
 
ユニークさ
         4
 
用途の広さ
         3
 
コストパフォーマンス
         4.5
 
〜編集部員のコメント〜>
e-saxで課題だった「重さ」を感じないのが一番大きなポイントですね。
そういった使いやすさ、また金額面を考慮した消音効果を考えると、かなりコスパのいいグッズなのではないでしょうか?
目標値には達しなかったものの、デシベルが軽減される消音結果はちゃんと出ているので、自分側でできる工夫を併用して使う形になると思います。
コスパを考慮した割り切りは必要ですが、5つの項目を考慮した消音グッズとして、及第点をつけれると思います。

UNISON アルトサックス用ミュートを実際に吹いてみた動画は最後のページにあります!

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