サックス記事 Wood Stone Soprano Saxophone Super Custom X Debut
  サックス記事 Wood Stone Soprano Saxophone Super Custom X Debut
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Wood Stone Soprano Saxophone Super Custom X Debut

GEAR

2021年12月に発表されたWood Stone Soprano Saxophone(WSS)から、4年の歳月を経て新たなモデルWood Stone Soprano Saxophone-Super Custom X(WSS-SCX)が誕生した。そこで、ソロプロジェクトをはじめ各種ユニットでソプラノサックスを主軸に活動する中園亜美さんに試奏を依頼。
Wood Stone Soprano Saxophoneのユーザーでもある中園亜美さんにSuper Custom Xとの比較を交えながら、新機種の魅力について語ってもらった。

(取材・文 :nejisuke/取材協力:石森管楽器)

中園亜美:試奏インプレッション

早速新しいWood Stone ソプラノサックス スーパーカスタムX(以降WSS-SCXと表記)を試奏していただいて、第一印象はどうでしょう?
中園亜美
今使っているWood Stone ソプラノサックス(以降WSSと表記)とは、音色のタイプが違う印象ですね。 MidからLowの響きが結構多めで、温かみと深みのある太い音色だと感じました。
ほどよい抵抗感があるので、吹きすぎてしまう心配がなく、「バッ」と力を加えられる感覚もあります。音程、アーティキュレーションに関しても、WSSと同じように性能の高さを感じますし、吹き比べてもほとんど違和感はありません。どちらも素晴らしい楽器だと思います。
2024年発表の3rdアルバム「On and On」収録の際に、それまでお使いのセルマーソプラノシリーズ IIIと現在お使いのWSSの両方をレコーディングに使われたということですが、そもそも、なぜレコーディングでWSSを使われたのでしょう?WSSとの出会いとは?
中園亜美
当時、生徒を連れて石森管楽器さんを訪問した際、社長さんから「新しくできたソプラノを吹いてみて」と声をかけていただきました。楽器もマウスピースも持って行っていたので、本当に軽いノリで試し吹きをしたんですが、その瞬間に「すごい楽器に出会ってしまった」と感じたんです。そこからかなりの本数を吹かせてもらい、最後は3本ほどに絞って、さらにマウスピースとリガチャー、それぞれのマッチングも検討しました。その中で、最終的に一番いいものを選ばせてもらったんです。本当に理想のソプラノに出会えた感覚でした。使い始めてすぐにレコーディングが控えていたのですが、普通なら楽器を吹き込んで慣れる期間が必要なところ、最初から音程もバッチリで、「これはもうこのままレコーディングに使おう」ということになりました。最初に使っていたセルマーのソプラノ シリーズ IIIも、中学校の吹奏楽部の頃に先生が選定してくれた良い楽器だったんですが、それしか知らずに20年吹き続けていました。今回、自分で選ぶことで、もっと理想に近い楽器に出会えるんだと実感しましたね。
普段お使いのWSSと、今回試奏いただいたWSS-SCXでは、音色のキャラクターや吹奏感などに違いがありますか?
中園亜美
THE JAZZ AVENGERSでの活動をはじめ、ここ数年はバリッと吹かなければいけないシチュエーションが多かったので、WSSは何本も吹き比べた中から、あえて渋めな音色のものは選ばず、きらびやかな音色キャラクターのものを選びました。
それに対してWSS-SCXは、WSSよりもリッチで、しっとりとした深みのある音色だと感じます。私自身、もともとしっとり甘い音色が好きなので、ジャズのアコースティック編成やバラードなどで使いたいですね。アコースティックなカルテットやトリオ、モダンジャズをアンプラグドで演奏する場面など、生音の良さをしっかり発揮してくれそうな印象です。
吹奏感については、WSS-SCXのほうがやや強めの抵抗を感じますが、嫌な抵抗感ではなく、心地よい吹き心地が加わっている感覚です。音程感や精密さはWSSを引き継いでいて、どちらも非常に優れています。抵抗感が欲しい人、あまり抵抗のない吹奏感が好みの人、それぞれの好みによって選べるのではないでしょうか。ソプラノを始めるなら、絶対ウッドストーンがいいよ、と勧めまくっています。宣伝カーで「Wood Stoneのソプラノは素晴らしい」と言って走り回りたいくらいですね(笑)。
そうすると、中園さんもいろんなシチュエーションの演奏に備えて、新しくWSS-SCXが必要ですね(笑)。
中園亜美
そうですね。発売になったら、また何本も試奏して選ばなくてはいけないかもしれません。
WSS-SCXには、以前使っていたセルマーのソプラノ シリーズIIIの音色に少し近いものを感じます。ただ、ピッチの取りやすさやアーティキュレーションの反応の良さ、音がカンと出てくれる感じなどに差があって、もし音色という点でシチュエーションごとに使い分けるなら、WSSとWSS-SCXの2本を使いたいと思いました。
WSSとセルマーシリーズIIIだと、並行して使うのは少し難しいですね。セルマーシリーズIIIの場合は、吹き方で微調整をかけながらピッチを合わせて吹いていましたが、最初にWSSを吹いたときは、ピッチの良さに「何て高性能なんだろう」という驚きがありました。
先ほどWSS-SCX本体にストレートネックタイプの組み合わせで試奏いただきましたが、続いてカーブドネックで試奏をお願いします。ちなみにこのカーブドネックは、ゴールドプレート仕上げだそうです。
中園亜美
WSSにしてからはストレートネックに変えたので、カーブドネックは懐かしいですね。
ストレートネックに比べて抵抗感が増して、アルトにも負けない太さの音だと感じます。アルトとの持ち替えも違和感なくできそうですね。音色が強くて太く、音圧もかなりあります。
それでいて吹くのが苦しいわけではなく、吹き心地がとても良くて、永遠に吹き続けられそうな感覚です。吹いていて本当に楽しいですね。
特に中・低音域がとても綺麗な音ですね。
中園亜美
そうですよね。いい意味でソプラノっぽくない音だと思います。人によっては低音域を太い音で鳴らすのが難しく、どうしても細くなってしまうという話を聞きますが、WSS-SCXは誰が吹いても太い音を再現できそうですね。ジャズだけでなく、クラシックにも使えると思いました。クラシックの曲を吹きたくなるような、音色のリッチさがあります。
WSSと同じように大きなホールでもしっかり響く力強さがありつつ、アンサンブルなど静けさが求められるシーンでも、周りの音にスッと溶け込むようなサウンドだと感じました。
最後に最近の中園さんの活動と今後の活動のご予定、リリースなどについてお知らせください。
中園亜美
2024年4月に3rdアルバム「On and On」をリリースし、全国10ヶ所を周るツアーを行ないました。昨年(2025年5月)には、竹田麻里絵(Key)さんとのDuoユニット「LE GRAND RETOUR」で、1stアルバム「OVER」をリリースしています。現在は、J-POPをジャズアレンジで演奏する森田真奈美(Pf)さんとのプロジェクト「The Jazzles」や、平戸祐介(Pf)さんによるプロジェクト「NEW GENESIS」のメンバーとしても活動中です。今後のライブ予定としては、3月16日に東京・丸の内のコットンクラブで、ソロプロジェクト「AMI NAKAZONO BAND」での出演が決まっています。
また、今年はいろいろなアーティストさんとコラボレーションし、シングルのデジタル配信も予定しており、現在その準備を進めているところです。
ありがとうございました。
 

\中園亜美さんが試奏!/

 

ソプラノサックスのセッティング
ソプラノサックス:Wood Stone Soprano Saxophone WSS-HGL
マウスピース:Selmer SUPER SESSION-F
リガチャー: Wood Stone Classic SP
リード: Wood Stone 3番

Profile
鹿児島市出身。福岡第一高等学校音楽科を経て、洗足学園音楽大学ジャズ科からバークリー音楽大学へ編入。在学中はWalter Beasleyらに師事し、2009年に同大学を卒業。以降はニューヨークを拠点に、アメリカやヨーロッパ各地で演奏活動を展開。2014年に帰国し、東京を拠点にソロアーティストとしてのキャリアを本格的にスタートさせる。2015年、サウンドプロデューサーに安部潤を迎え、VEGAミュージックエンターテイメントより1stアルバム『Make It Happen!』をリリース。タイのHitman Jazzからも同時リリースされ、同年バンコクやチェンマイのジャズフェスティバルにも出演。2016年には世界配信シングル「She’s Home」「World Connection」をリリースし、2017年には米・ワシントンD.C.の老舗ジャズクラブ〈Blues Alley〉にて単独公演を成功させた。2018年には、スペースシャワーミュージックより2ndアルバム『The Real』をリリース。2019年、倉木麻衣20周年記念ホールツアーに参加。2024年にはエレックレコードより3rdアルバム『On and On』を発表し、全国10都市を巡るツアーを成功に収め、ファイナルは東京・コットンクラブで開催された。竹田麻里絵(Key)とのDuoユニット〈LE GRAND RETOUR〉では、2020年にシングル「GENE」をデジタルリリース。同年には初の配信ライブを開催し、2022年に丸の内コットンクラブでの単独公演を実施。2025年5月にはディスクユニオン傘下のカンナビレコードより1stアルバム『OVER』をリリース。また、2025年5月より活動休止中の〈THE JAZZ AVENGERS〉ではソプラノサックスを担当。ほかにも、森田真奈美(Pf)とのJ-popジャズアレンジプロジェクト〈The Jazzles〉や、平戸祐介(Pf)によるプロジェクト〈NEW GENESIS〉のメンバーとしても活動し、アルバムリリースやライブを行なっている。2025年5月には、中園亜美WoodSs)、寺地美穂WoodAs)、Juna SeritaWoodBass,Vo)、竹田麻理絵(Key)のメンバーでユニット「Cityy(シティ)」を結成。今後の活動に大きな注目が集まっている。クラシックのバックグラウンドと、ニューヨークで磨いたジャズの感性を融合させた、ソプラノサックスを主軸とする次世代サックスプレイヤーとして、国内外を舞台にジャンルを超えた活動を続けている

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