いま求められる楽器&周辺パーツのお手入れ。あなたのそのケア大丈夫?

新型コロナウイルス渦 緊急レポート

未だ終息の兆しがみえない新型コロナウイルス渦の現在、サックスをはじめすべての管楽器奏者の活動に大きな影響を与えている。
そんな状況で気になるのは、楽器の練習や本番、バンドのリハーサルやアンサンブルの合わせを行なったあとの楽器や周辺パーツのケア。特に一つの空間で何人かが集まり演奏を行なったあとは、「楽器やマウスピースなどを消毒したい」そんなふうに考える方も多いことだろう。
ただし、そのケア方法を間違うと、大切な楽器やパーツにダメージを与え大変なことになってしまう。そこで今回、ヤナギサワサクソフォーンをはじめ様々な楽器の発売元であるプリマ楽器のプレス担当の山瀬剛志さん(写真左)、柳澤管楽器の開発 兼 製造組立を担当する佐藤幸宏さん(写真右)に楽器&周辺パーツの間違ったケアと正しいケアについて訊いてみた。

消毒液を使った楽器の消毒は要注意!

Q実際にユーザーの方から、間違ったお手入れでサックス(楽器)や周辺パーツにダメージを与えてしまったというお問い合わせがあったと訊きます。それはどんな内容だったのですか?

 
山瀬
新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言発令のあと、購入して間もないサックスのラッカーが剥がれた、変色したなど、ユーザーの方からのお問い合わせが楽器店経由で弊社プリマ楽器に寄せられました。
そういった事案について、この時期に考えられることとしては、楽器を吹き終わったあと直接消毒液で楽器を拭くこともそうですが、手に着いた消毒液や保湿剤が、乾いてない状態で演奏することも影響しているのではないかと考えられます。
消毒薬の影響については、メーカーであるヤナギサワが昨年10月~11月にかけて「消毒液ラッカー耐久テスト」を実施してくださっています(http://www.prima-gakki.co.jp/column/002.html)。
佐藤
このテストは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くのユーザーの方が消毒液を使うようになり、それによって、「楽器はダメージを受けないのだろうか?」という懸念が湧いたところからスタートし、消毒液に含まれる成分によってラッカーが剥がれたり、楽器本体にも何らかの影響があるのではないかと考えて、本格的に実験、検証することになりました。
方法としては、各種消毒液(写真1)を入れた瓶に新品状態のラッカー仕上げのサックスのパーツ、サムレスト(拇指台)やサムフック(指掛け)など、指で直接触れる金属部分を液体に漬け込んでみたらどうなるかというものです。
写真1:検証を行なった各種消毒液や除菌グッズの一部
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