サックス記事

実力が発揮できる技アリなお手入れ

THE SAX 73号 特集2

楽器の練習が終わったあとに行なう日頃のお手入れでは、管体にスワブを通し、楽器表面をクロスで拭き取り、クリーニングペーパーでタンポについた水分を取り除くなどのケアが思いつく。これらのお手入れは、楽器に残った 水分を取り除き、表面に付いた手の汚れ(油分)を除去するために行なう。また、次回に楽器を使うための事前準備という意味合いもある。日頃からしっかりとお手入れやメンテナンスを行なっていれば、楽器の細部まで目が届き、変化にも気付きやすい。急なトラブルも回避できるようになるし、楽器のコンディションを長く保つことができるのだ。 そこで今回は、お手入れの基本中の基本から、ワンランク上のお手入れ法、さらに困ったときの応急処置法を紹介。伝授してくれたのは、アルソオンライン主催の大人気企画「サックスメンテナンスセミナー」の講師としてもおなじみの金澤恭悦氏だ。THE SAX73号では長年メーカーで楽器修理に携わり、現在楽器修理の専門学校で教鞭を取るほか、自身の工房も営むサックスメンテナンスのマイスターである同氏が、そのすべてを教えてくれた。

金澤恭悦
今回の講師は……金澤恭悦
Profile 1969年日本管楽器株式会社入社。日本楽器製造株式会社(現・ヤマハ株式会社)と合併後、浜松本社にて管楽器設計課 試作室勤務となり、クラリネットの開発に携わる。1977年より東京・銀座に開設された「ヤマハアトリエ東京」の初代スタッフとして木管楽器の専門家対応を22年間担当。日本はもとより、来日する世界中のプロのクラリネット奏者・サキソフォン奏者との対話の中で、高い技術と信頼を築いた。また、全国特約店技術者の研修指導や、ヤマハ管楽器テクニカルアカデミーでの指導などを通して後進の指導・育成にも関わる。海外においては全米の技術者大会の参加に合わせて、北米地区の修理技術の視察を実施。韓国、香港、台湾においても技術指導を積極的に行なってきた。2003年ヤマハ株式会社を退職後は、専門学校の専任講師として後進の育成にあたる他、外務省のODA音楽文化関連の調査員を5年間努め度々渡欧、またヤマハ銀座店管楽器売場のテクニカルスタッフとしてクラリネット・サキソフォンの調整にあたった。 現在、代官山音楽院 管楽器リペア科主任講師、個人工房「Atelier Kanazawa」主宰。膨大な量の管楽器調整をこなす多忙な日々を送っている。

Atelier Kanazawa アトリエ金澤
〒171-0033
東京都豊島区高田3-40-12 佐藤ビルB1
TEL 090-7014-2370 
E-mail:atelier_kanazawa@biscuit.ocn.ne.jp


基本中の基本のお手入れ

01 : お手入れをする目的
タンポの変化防止と、錆の防止です。そのためにも楽器に付いた水分、それから手の汗を必ず除去します。汗は酸性ですから、お手入れをしなければ楽器が錆びてしまいます。特に芯金や針バネの素材はステンレス系なので鉄より錆に強いのですが、純度100%ではないので何もしなかったら必ず錆びます。

タンポ

02 : 常に確認しておきたい部分
練習後のお手入れは、次に楽器を使用するための準備という意味合いもあります。水分、油分をチェックするのはもちろんですが、クロスを針バネに引っかけて外してしまうことがあるので、針バネがしっかりと止まっているのかを確認してください。また、知らない間にコルクやフェルトが欠落していないかも確認します。

クローズド・キィ

03 : 練習後のお手入れの手順
練習が終わったら、まずスワブを管体内部に通して水分を拭き取ります。そして、楽器表面には汚れや汗などが付着しているのでクロスを使って乾拭きします。また、タンポにも水分が付着していますから、クリーニングペーパーを使って除去します。クリーニングペーパーがない場合、あぶらとり紙など水分と油分を取ってくれるものならなんでもいいので、タンポに残った水分はこまめに拭き取ってください。日頃から行なうお手入れとしては基本的にこれだけですね。

続きは本誌で掲載中!
04 : 楽器表面、管体内部、タンポ それぞれに水分が残っていたらどうなる?
05 : スワブは上から通すか、下から通すか?
06 : 管体表面を拭くときの注意点は?表面仕上げによって拭き方は変わる?
07 : クリーニングペーパーの正しい使い方
08 : オイルとグリスの使い分け
09 : 練習後のマウスピースはどうする?
10 : 練習後のリードはどうする?
11 : お手入れの常識・非常識

 

ワンランク上のお手入れ

01 : タンポのベタつきを抑える方法
特にベタつくのが、バネによって常に押さえられているクローズドキィです。なぜかというと、革のタンポは油分が含まれているので、ベタつきやすいのです。一番効果的なのがパウダーペーパー。最近のものはあまり粉が出なくなっています。サキソフォンに関してはタンポに直接粉を付けたほうが効果的ですが、真っ白になってしまいます。トーンホール上面に粉が付いていれば十分に効果はあるので、パウダーペーパーの文字が書いてある部分をトーンホール側にしてください。

02 : タンポの水分を必ず取り除いたほうがいい箇所
もちろんすべてのタンポの水分を取り除いたほうがいいのですが、特にクローズドキィですね。G#、Bb、Low C#キィはバネが弱く、トーンホールに張り付き始めるとキィが上がらなくなります。この3つのキィだけは練習後必ず水分を取り除いてください。ほかのクローズドキィは、張り付いても手の力で開けることができます。

基本中の基本のお手入れ

03: クリーニングペーパーが入りにくい場所はどうする?
サキソフォンはキィの数が多く、レイアウトが複雑になっています。そのため、クリーニングペーパーが入らないところもあります。狭いところなどはクリーニングペーパーを小さくカットして使ってください。また、クリーニングペーパーは厚みがないので奥に入れるのが難しい場合もあります。そのような入りにくい場所では、少し厚みのある型紙などを台紙にして、その上にクリーニングペーパーを乗せて入れていきます。

続きは本誌で掲載中!
04 : キィオイルを注すスパン
05 : グリスを塗る場所
06 : トーンホールは掃除できる?
07 : オクターブキィのトーンホール内のお手入れ方法
08 : 左手のフェルト部分のお手入れ方法
09 : 練習後のさらに細かいお手入れ
10 : 市販品でサビを落とすアイテム
11 : 自分で分解してもいい部分、絶対に分解してはいけない部分

 

基本中の基本のお手入れ

01: 現行モデルとヴィンテージ楽器の違い
お手入れの仕方は現行モデルと変わりないです。ヴィンテージの楽器ですと、特に錆に注意。銅が酸化することで生成する錆、いわゆる緑青(ろくしょう)が発生している楽器もあります。楽器をいじりたくないという方もいますが、これは錆なので取り除きましょう。シンバルクリーナーを使って磨くとキレイになります。

続きは本誌で掲載中!
02 : ヴィンテージ楽器のお手入れの注意点
03 : ケースのカビ臭さを取り除くためには

 

基本中の基本のお手入れ

01: キィや、テーブルキィなどの黒いローラーからガチャガチャ音がする。
雑音の原因はオイル切れか、コルクやフェルトの欠落のどちらかです。オイル切れの場合はキィオイルを注すしかないですね。また、コルクやフェルトは自分で付けると、タンポの開きが変わったり、連絡バランスが崩れたりするので注意が必要です。その場合セロハンテープなどを使って固定します。また、ローラーの雑音は、表面にオイルを注し、ローラーをくるくる回してオイルを馴染ませてから、拭き取れば雑音は消えます。

基本中の基本のお手入れ

 

続きは本誌で掲載中!
02: ネック部のコルクが減ってしまって、接合部がゆるい!
03: フェルトが落ちた。どこから落ちたのかわからない。
04 : パッドがベタベタしている。 クリーニングペーパーを忘れた!
05 : 針バネが折れた!
06 : タンポが破れた!

 

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