模範演奏プレイヤー 寺地美穂インタビュー&演奏アドバイス

歌詞の内容や歌い方のニュアンスを掴めば、歌うように演奏できる!

今回もダウンロード形式による誌面連動の付録ダウンロード音源を用意している。今回のテーマは「往年のアメリカン・ポップス名曲」だ。どれも素晴らしいメロディで、発表から40年以上経った曲が多いなかで、どの曲も現在でも聴かれ愛されているエヴァーグリーンな輝きを放つナンバーばかり。本誌掲載の楽譜と演奏アドバイス、そしてダウンロード音源の模範演奏を参考にカラオケ音源を使ってアメリカン・ポップス黄金期の名曲にチャレンジしてほしい。演奏をお願いしたのは、本誌でもお馴染み、才色兼備でソロ活動ともに様々なバンドへの参加やアーティストのサポートで引っ張りだこの寺地美穂さん。ここではレコーディングを終えてのインタビューの模様をお届けしよう。

 

PROFILE
寺地美穂(てらち みほ)

北海道札幌市出身。6歳からピアノを始め、高校の吹奏楽部でアルトサックスを手にする。ニューヨーク州立大学在学時にライブシーンに感化され、サックス奏者としての活動を始める。帰国後、小池修氏、土岐英史氏に師事。
2016年米米クラブのフラッシュ金子をプロデューサーに迎え、ビクター・エンタテインメントよりメジャーデビュー・アルバム「Beautiful Magic」をリリース。2018年よりエリック・ミヤシロ氏率いるブルーノート東京オールスタージャズオーケストラに参加し、数々の来日アーティストとの共演を果たす。2022年は桑田佳祐、クリス・ハートなどのツアーメンバーを務め、様々なアーティストのライブやレコーディング、テレビ収録などに参加。2023年日本の女性トップミュージシャンを召集したバンド“THE JAZZ AVENGERS”に参加し、アルバム発売&全国ツアーがスタートしている。
SPARKLING SAX ACADEMY
https://saxschool.hp.peraichi.com
MIHO TERACHI OFFICIAL FANCLUB
https://lounge.dmm.com/detail/3754/
サックス吹きのためのピラティス
https://www.miho-t.com/pilates


 
今回は70年代前後のアメリカン・ポップスをテーマに選曲しましたが、リアルタイムで聴いた世代ではない寺地さんにとって今回のラインナップで耳馴染みのある曲はありましたか?
寺地美穂
聴いたことがあった曲もありましたが、私が生まれる前の曲なので大人になってから仕事のために勉強した曲が多かったですね。オリビア・ニュートン・ジョンとかは、お母さんが好きでよく聴いていたなあと思い出したりして。どの曲も改めて聴くと良い曲ばかりですよね。模範演奏のため研究してみると「こんないい曲だったんだ」と感激したり。
こういう原曲が歌もののナンバーを演奏する際に心がけていることは何かありますか?
寺地
まず、原曲をひと通り何度も聴きました。歌詞に注目すると、譜面には書ききれないような英語のニュアンスがありますよね。日本語の場合は1音に「あ」とか「い」とか1語ずつですが、英語だとほぼ1音に1ワードが入っていますよね。だから同じ音が並んでいても表現がそれぞれ違って聴こえるんです。つまり英語のほうが歌詞の意味する情報量が多いので、歌い手の感情や伝えたいことをサックスでどのように表現できるのかを考えます。その過程が私にとって歌モノを演奏するときに最も大切にしていることです。歌の1コーラスめは歌い手の表現に忠実に、そして2コーラスめ以降はサックスらしさも入れたり、フェイクを入れるということを意識しました。歌い手になったつもりで、感情や伝えたいことを意識しました。
ということは、同じ歌ものでも日本語詞と英語詞で違いがあるということですね。
寺地
1音に含まれる情報量と表現力という意味で、日本語よりも難しいのです。私も自分の練習としてやっているのですが、アメリカやイギリスのシンガーの歌をコピーしてみるとサックスの表現力が今まで以上に向上すると思いますよ。
例えば誰の歌をコピーしたのでしょう?
寺地
私が好きでコピーしていたのは、アニタ・ベイカーとか。カーク・ウェイラムなども彼女の曲をカバーしていますよね。

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【収録楽曲】
[E♭譜]『そよ風の誘惑』(オリビア・ニュートン・ジョン)[1975]
[E♭譜]『デイドリーム・ビリーバー』(モンキーズ)[1967]
[E♭譜]『ア・ソング・フォー・ユー』(レオン・ラッセル)[1970]
[B♭譜]『トップ・オブ・ザ・ワールド』(カーペンターズ)[1972]
[E♭譜]『愛はかげろうのように』(シャーリーン)[1977]※定期購読者特典ボーナストラック


 

THE SAX vol.113 連動音源ダウンロード

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寺地美穂さんが演奏する『そよ風の誘惑』『デイドリーム・ビリーバー』『ア・ソング・フォー・ユー』『トップ・オブ・ザ・ワールド』演奏とカラオケ音源がダウンロードできる
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登場するアーティスト
画像

寺地美穂
Miho Terachi

高校の吹奏楽部でアルト・サックスを始め、ニューヨーク留学中に演奏活動を始める。2016年 ビクター・エンタテインメントよりメジャーデビュー・アルバム「Beautiful Magic」をリリース。米米CLUBのフラッシュ金子がプロデュースを担当し、世界的に活躍するドラマー、屋敷豪太ら豪華ミュージシャンが参加するスムース・ジャズ・アルバムとして話題になる。2018年 ギタリスト皆川太一とのユニットで「URBAN GROOVE SESSION」をクラフトマンレコーズよりリリース。Amazon売り上げランキング(ジャズフュージョン部門)1位、ディスクユニオン月間売り上げランキング1位を獲得。2019年 サックス界の巨匠・小池修氏をプロデュースに迎えた堀江有希子(as)、河村緑(ts)とのサックス三管ユニット『sax triplets(サックス・トリプレッツ)』の初のオリジナル・フルアルバムをリリース。キャンディー・ダルファー、デイヴィット・サンボーン、メイシオ・パーカーなど数々の来日アーティストの取材・翻訳も務める。また、テレビドラマの劇伴やアニメソングのレコーディング、NHKうたコン出演、北川悠仁(ゆず)のバースデーライブ出演(2018年&2019年)、エリック・ミヤシロ率いるBlue Note Tokyo All Star Jazz Orchestraや平昌五輪の音楽監督、梁邦彦のバンドメンバーとして国内外で活動。

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