Makoto ni mail de Q!-THE SAX vol.1掲載-

Makoto ni mail de Q! 第1回

Mail de Q!  第3便
キンチョー! しちゃうんです
私はサックスを始めてからまだ1年半で、毎日毎日練習の日々なのですが、実は明日、発表会があります。子どものころエレクトーンを習っていたのですが、発表会はそれ以来で結構緊張しております。別に緊張するほど上手ではないのだからリラックスして楽しめたら、と思っているのですが……。どうか私にパワーを送ってください。それを信じて、明日はがんばります。

Makoto
がんばらないで!?
このメールが間に合うことを祈っています! 最初はみんな素人なんだから! 心穏やかに「今の自分を聞いてもらう」ということを心がけてること! うまく吹こうなんて考えないことだよ! うまく吹こうと考えるとあがります。周りは気にせず音楽のことだけ考えてくださいね!
邪念が入るといつもの成果が出ませんよ! 「がんばらない」で集中してくださいね!

Mail de Q! 第4便
歯を矯正します。サックス吹けなくなる?
今回私、矯正治療をすることになり、その結果サックスを今まで通り続けられるかどうかが、
目下一番の心配事となっております。今大学2年ですが、中学から楽器を続けて、現在一般バンドに在籍しており、おそらくこの先一生続けていくであろうものなので、今ブランクが空くとなると、やはりかなりつらいと思いました。全く見ず知らずの者からの突然のメールに驚かれてしまったと思います。早速ですが、私が現時点で何が一番心配か? ということについて、少し具体的に書きたいと思います。それは、一言で言ってしまえば「サックスを吹けるか?」という一点に集約されてしまいます。もう少し具体的にしますと、”痛くて吹けない、とか“装置が邪魔でアンブシュアが大きく変わる、といったことです。

Makoto
吹けます!
結論から言うと「吹けます!」。実際に私には二人の娘がいます。音楽高校でサックスを習っている次女とそこを卒業して留学しようとしている長女ですが、二人とも歯の矯正をしました。次女はいまだに矯正器具を取り付けて演奏しております。実際にあなたにとってどのような矯正が必要なのかわかりませんが、マウスピースがうまくくわえられない、奥に歯が変に出っ張っているためにマウスピースに当たって音が出しづらいなど色々あると思います。矯正器具には、歯の状態によって歯の前面に取り付けるものと、歯の裏側から押し出すものとありますが、前者は歯~器具〜唇~リードという感じで、器具が緊張した唇に長く触れていると痛くなることがありますし、一種の口内炎のようなただれ方をすることもあります。しかし私の娘などはがんばってやっております。アンブシュアなどは歯の橋正が終わればもっと良くなる? はずです……。特に息の流れがスムースになるはずですから音も変わるはずです。
歯の上に紙のクッションでも置いて半年くらい我慢してみてください。ファイト!!

Mail d Q!  第5便
高い音が鳴らない!
松江市立女子高校の吹奏楽部でバリトンサックスをやっているA.K.です。11、12日は、大変お世話になりました。さっそくですが質問があります。今アンサンブルの大会に向けて練習中で、
私はソプラノをやっているのですが、サイドのキィを使って出すファの音がなかなか当たらないのですが、どうしたらよいのでしょうか? 教えてください。CD買いました。すごくよかったです。またメールしてもいいですか?

Makoto
ポイントは三つ
大変良い質問だな。これは誰もが最初ぶつかる難問題の一つだよ。これを解決する方法として三つのポイントがあるんだ。まず、
その1  リードの硬さ
薄いリードだと中音から低音にかけては楽に鳴って響きも良いんだ。逆に硬いリードは中音から高音にかけてしっかり響いてくれるんだ。
その2  お腹の支え
イメージとしてはおへそとそこから下のあたり、下腹部に緊張を持ってマウスピースに息を入れてごらん!
その3  息の方向
これはあまり知られていないことだが、僕の長年の経験と研究から出た結果だ。大まかに分けると低音、中音、高音に行くにつれて微妙に息の方向を下から上へと移動するやり方だ。正確に言うにはもっと長く書かないといけないけれど、簡単に言うとすごく高いファやファのシャープを吹くには息の方向を30度から45度くらい上向きに吹き上げると楽に鳴ってくれるはずだよ。私はちなみに高いレのオクターブまでは楽々吹けるようになったよ。

*これはTHE SAX vol.1を再構成したものです。

平原まこと
Makoto Hirahara

日本を代表するサックス奏者。8種類以上の楽器を吹きこなし、クラシックからジャズ、ロックまでジャンルを問わず演奏できる名プレイヤーとして、またコンサートのソリストとして、多方面で目覚しい活躍を続けている。フランク・シナトラ、ナタリー・コールなど、海外アーティストのコンサートにも参加。服部克久率いる東京ポップスオーケストラでカーネギーホールへの出演、宮川泰と名匠「宮川組」でシカゴ公演など数多くのコンサートで成功を収めている。スタジオミュージシャンとしては、ニューヨークや香港レーベルの依頼により単身海外に出向いてレコーディングするなど、多い時には年間1000曲を超えるレコーディングに参加。また、さだまさしや玉置浩二、谷村新司などのコンサートにサポートメンバーとして参加、蜷川幸夫演出の「三文オペラ」や三谷幸喜の「オケピ」等にもミュージシャンとして参加している。またNHK連続ドラマ「ちゅらさん」のクラリネット、サックス、フルートの演奏を担当、「さくら」、「まんてん」でも演奏。人々の心の奥底にある優しさに訴えかける演奏をすることを最も大切にしている平原まことのそのあたたかな美しい音色は、音楽の力の限りない可能性を予感させる。これまでにCD「月の癒しVol.1」「月の癒しVol.2」「アコースティック ヤマト」をリリース。2007年には、「宮川彬良&平原まことの音物語」でツアーを展開している宮川氏とのコンビネーションによる「アキラさんとまこと君 ふたりのオーケストラ」【COCQ-84377】をリリース、2009年には「ヴォーカリーズ」【COCB-53800】を発売。

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