サックス記事

サクソフォンのキィメカニズムを探る!

THE SAX 72号 特集2

サクソフォンは、ネック、2番管、U字管(1番管)、ベルの4つのパーツに分かれているが、それぞれにキィが付いている。そのキィのメカニズムは各メーカー独自のものや、サクソフォンに共通したものなどがある。それらは操作性や機能性の向上を図るために進化し続けてきた。そこで、THE SAX72号では現在までのサクソフォンに装備されていたキィメカニズムをピックアップして、その仕組みや構造の進化について紹介。ナビゲーターを務めてくれたのは、池部楽器店ウインドブロスの渥美順平さんだ。ここではその一部を紹介しよう。


1930〜50年代、サクソフォンのキィ配置が大きく進化している。レイアウトはインラインからオフセットに変わり、操作性を向上させた。また、Lowキィの配置も統一化されるなど、現代のサクソフォンの原型が誕生したといえる。

Q1:1940年代以前の楽器はベルに向かって右側にLowキィが付いていました。また、左右にキィが付いたバタフライキィと呼ばれるものもありましたが、現代の左側に統一された経緯は?

selmersax

渥美: 一番の転機としてはセルマーが1935年に特許を取得したバランスド・アクションのメカニズムによってLowキィが左側に配置されたことです。現在の楽器はこのバランスド・アクションのレイアウトがベースになっています。
実はバランスド・アクション以前の1930年代にすでに左側に配置されているものもあるんです。1930年代前半にはキングが他社に先駆けて左側に移設しています。他にもキングと似たシステムを少し後に採用したのがSMLやビュッフェ・クランポンです。また、バランスド・アクションと同じ時期にキングも左側に移設しています。
左側にしたのはおそらく、座奏では楽器を太もものあたりに楽器を固定して吹くことがありますが、太ももに当たる部分にキィのメカニズムがあると不安定になるのではないでしょうか。
また推測ですが、設計などによって音孔がかなり近づいていました。その間隔がとても狭かったので、トーンホールを引き上げるにしても、ロウ付けをするにしても造りにくかったんだと思います。さらに強度的なことも含めてキィを左右に配置したバタフライキィが誕生したと思われます。
 

1936年に製造を開始したセルマーのバランスド・アクションからLowB、B♭キィはともに左側に配置されるようになった。写真は後継モデルのスーパーバランスドアクション。

 

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