サックス記事 YAS-82Z&YTS-82Z 仕上げ違い吹き比べ
庵原良司×鈴木 圭

YAS-82Z&YTS-82Z 仕上げ違い吹き比べ

ジャズ・プレイヤーからの絶大な支持に加え、幅広い音楽ジャンルの要求に応える楽器として多くのサックス奏者に愛用されるヤマハ82Z。その82Zのラインナップに、ヴィンテージテイストのフィニッシュとなる「アンバーラッカー」が新たに加わった。その発売を記念し、スタジオシーンからビッグバンドと幅広く活躍する庵原良司と鈴木圭の両氏に、従来からラインナップされている仕上げモデルとの吹き比べを依頼した。今回の試奏ではアルトを庵原氏が、テナーを鈴木氏が担当。仕事の現場でも一緒になることが普段から多いという二人ならではの軽妙な掛け合いから、新たなフィニッシュの特長が浮かび上がってきた。
文:渡部祐也/写真:井村重人(アーニーズ・スタジオ)/協力:ヤマハ株式会社、株式会社ヤマハミュージックジャパン

 

【本日の試奏楽器】
[Alto]ゴールドラッカー、アンバーラッカー、ブラックラッカー、銀メッキ、金メッキ、アンラッカー
[Tenor]ゴールドラッカー、アンバーラッカー、ブラックラッカー、銀メッキ、アンラッカー

ヤマハYAS-82Z
[調子]E♭[仕上げ]ゴールドラッカー
[付属キイ]High F♯、フロントF [ベル]1枚取り
[付属品]ネック:AV1、マウスピース:AS-4CM
[希望小売価格]¥517,000(税込)
ヤマハYAS-82ZA(アンバーラッカー仕上げモデル)¥572,000(税込)
ヤマハYAS-82ZS(銀メッキ仕上げモデル)¥572,000(税込)
ヤマハYAS-82ZUL(アンラッカー仕上げモデル)¥572,000(税込)
ヤマハYAS-82ZB(ブラックラッカー仕上げモデル)¥572,000(税込)
ヤマハYAS-82ZG(金メッキ仕上げモデル)¥1,287,000(税込)

ヤマハYTS-82Z
[調子]B♭[仕上げ]ゴールドラッカー
[付属キイ]High F♯、フロントF [ベル]1枚取り
[付属品]ネック:TV1、マウスピース:TS-4CM
[希望小売価格]¥594,000(税込)
ヤマハYTS-82ZA(アンバーラッカー仕上げモデル)¥671,000(税込)
ヤマハYTS-82ZS(銀メッキ仕上げモデル)¥671,000(税込)
ヤマハYTS-82ZUL(アンラッカー仕上げモデル)¥671,000(税込)
ヤマハYTS-82ZB(ブラックラッカー仕上げモデル)¥671,000(税込)
ヤマハYTS-82ZG(金メッキ仕上げモデル)¥1,584,000(税込)

 
 

庵原良司
1979年9月3日福岡県生まれ、大阪府茨木市に3歳ごろから移り住み、ピアノを始める。中学より神奈川県川崎市に移り吹奏楽部でクラリネットを担当。早稲田大学入学を機にアルトサックスを吹くようになり、大学三年の時からテナーサックスも吹き始める。早稲田大学High Society Orchestraでヤマノ ビッグバンド ジャズ コンテストに出場し最優秀ソリスト賞を受賞。卒業を機にプロとして活動を始める。主な活動歴として、マンハッタン・トランスファー、SMAP、KinKi Kids、aiko、ナオトインティライミ、CHARA、ゴスペラーズ、EXILE、天童よしみ、渡辺美里、鈴木聖美、布袋寅泰などのツアーに参加。自身のバンド、オレバンドで5枚のオリジナルアルバムを発売。そのほか様々なビッグバンドにも参加。

[使用楽器](アルト)
サックス本体:YAS-875EX 改(ピンクゴールドメッキ仕上げ)
マウスピース:レトロリバイバル 5
リガチャー:セルマー
リード:バンドーレン Java 3 1/2

 

鈴木 圭
1978年、静岡県掛川市出身。3際よりピアノ、中学入学後にクラシックサックスを学びながら、フュージョン、ポップスのバンドなどで活動。東京農工大学入学後、国際基督教大学Modern Music Society、早稲田大学High Society Orchestraに在籍。在学中よりプロとして音楽活動を始め、2002年、宮間利之とNew Herdへの在籍を皮切りに、現在も、Blue Note Tokyo All-Star Jazz Orchestra、Tokyo Big Band、挾間美帆m_big bandなど、数多くのビッグバンドに参加。木管楽器をはじめ各種楽器を演奏するセッションプレイヤーとして、Friendly Fires、Mr.Children、綾戸智恵、香取慎吾、桑田佳祐、星野源、福山雅治、松下奈緒、松田聖子、レキシなどのコンサート、録音に参加。

[使用楽器](テナー)
サックス本体:YTS-82ZS (第二世代・E1ネック)
マウスピース:竹野昌邦オリジナル 7☆
リガチャー:ボストンサックスショップ 銀メッキ
リード:ダダリオ ラ・ボーズ MH

 
 

それぞれの仕上げに持っているイメージとは!?

試奏に入る前に、まずはお二人のご関係を教えていただけますか。
庵原良司
(以下庵原)
圭さんは早稲田大学のビッグバンドHigh Society Orchestraの一つ先輩です。
鈴木 圭
(以下鈴木)
私が引退した時に庵原くんが他のサークルから勧誘されたんですよ。
庵原
あ、そうだったんですか。私は誘われただけなので知りませんでした。
鈴木
入れ違いだったので、その当時は一緒に演奏はしていません。
庵原
そうですね。今のほうが仕事でよく会います。
鈴木
エリック・ミヤシロさんが率いるBlue Note Tokyo All-Star Jazz Orchestraや、ここ数年レコード大賞の演奏もこの組み合わせでやっています。
庵原
今日は私がアルトですが、仕事によっては圭さんがアルトで私がテナーということもある。
鈴木
得意ジャンルが微妙に違ったりするからね。
お二人は本日試奏する仕上げに関して、それぞれどのようなイメージをお持ちですか。
庵原
ゴールドラッカーが一番オーソドックスですよね。
鈴木
そうですね、ナチュラルというか。同じラッカーでもブラックラッカーは少し響きが締まってマットになる印象があります。
庵原
メッキは銀も金もより押しが強くなる印象です。金はより真ん中に寄っている強さなのに対して、銀は倍音成分がよりハイに寄っている感覚。
鈴木
そうだね、私は最初の楽器から銀だったのでその感覚がベースになっているところがあるけれど、確かに銀はチリチリした成分が強いのでマイクに乗せると存在感がより強くなりますね。
庵原
逆に生音だと金メッキのほうが強い印象があります。アンラッカーは、楽器によっては横では聞こえても前では聞こえないことがあったりしますね。
鈴木
銀メッキでは強く出るハイの倍音成分がアンラッカーは逆に出づらい印象があります。アンバーラッカーはヴィンテージ風の見た目でかっこよく仕上がっていますが、実際にどんな音が出るのか楽しみです。
では早速、試奏をお願いいたします。
 

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