THE SAX vol.111│Disc Review【CLASSIC】

「ア・コルド」クワチュール・べー

「ア・コルド」クワチュール・べー

【NAT22191】¥2,970 12月20日発売
APOLLO SOUNDS
[演奏]國末貞仁(S.Sax)、山浦雅也(A.Sax)、有村純親(T.Sax)、小山弦太郎(B.Sax)
[収録曲]W.A.モーツァルト:ディヴェルティメント ヘ長調 KV.138、C.ドビュッシー:弦楽四重奏曲 ト短調 作品10、A.ドヴォルザーク:弦楽四重奏第12番 ヘ長調 作品96,B.179『アメリカ』

 

2007年に結成し、全員の血液型がB型であることから命名された“クワチュール・ベー”。今年結成15周年を迎え、4作目となるアルバムがリリースされる。今作は“管で弦を楽しむ『管・弦・楽』”をテーマに、弦楽四重奏曲の名作を収録。すべてオリジナルの原調のままサクソフォン四重奏版に編曲されている。
サクソフォン四重奏は、弦楽アンサンブルのような響きが魅力なのだが、弦楽作品を演奏すると管楽器ならではの技術的問題から、ときに物足りなさを感じることもある。しかし本作はそれを超越し、見事なまでに楽曲の魅力を引き出しているのだ。それは4人の高い技術はもちろんのこと、4人が同じ方向を向いているからこそできる一体感があるからであろう。楽器を超えた音楽をじっくりと楽しみたいアルバムである。

 

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