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【特集】見直そう、基礎のキソ! 金管編〈その1〉

Wind-i mini 13号 特集

1.トランペット
2.ホルン
4.バストロンボーン


◆テナートロンボーン:伊藤敬二 Keiji Ito

伊藤敬二さん

 

2003年東京音楽大学卒業、在学中、特待生として選ばれる。トロンボーンを近藤孝司、故・白石直之、伊藤清の各氏に師事。また、マスタークラスにてオラフ・オット、ハンス・ストレッカー、イアン・バースフィールド、山本浩一郎の各氏にレッスンを受ける。2004年第2回東京音楽コンクール金管部門第3位、2008年第6回東京音楽コンクール金管部門第3位、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉、群馬交響楽団等に客演。現在フリーのトロンボーン奏者として活躍中。TAD ウインドシンフォニーメンバー。

 

■ 初めて楽器に触れる人に覚えてほしいこと

❶ 絶対に楽器をぶつけたり、落としたりしないこと! 見た目上は直すことができますが、吹き心地などは元には戻らないので、大事に扱いましょう。
❷ 掃除やお手入れをきちんとやりましょう! トロンボーンで一番大事なスライドは毎日お手入れしましょう。それからマウスピースをつける付近の管の中は特に汚れが溜まりやすいので、クリーニングロッドなどを使って定期的に掃除をしましょう。

■ 音を出してみよう!

まずはマウスピースで音を出してみましょう。良いアンブシュアを作るためには、口の周りにある筋肉の使い方のバランス、タンギングをするための舌の使い方、音を出すための息、この3つがうまく合わさることが必要です。まずマウスピースに息を入れてみましょう。そして、その出している息を舌でしっかり止めます。このとき息は出しているつもりのままです。舌で息を止めているとき、少し口がすぼまった感じになったと思います。これでアンブシュアの完成です。あとはそのまま、舌を素早く離していけば音が出るはずです。
それでは楽器で音を出していきましょう。いい音を出すために必要なこと、まずは姿勢です。楽器を持つときに小指の側から持つようにすると必要以上に力が入らず、しっかり持てるようになるので試してみてください。ここでひとつ注意することは、顔を楽器に寄せないことです。ここまでできたら、あとはマウスピースで音を出したときと同じ要領です。トロンボーンはスライドを動かして、音を変えます。自分の出している音を耳でしっかり聴いて、常に音程とポジションが合っているか確認しましょう。

■ 先輩と一緒にできる! 初心者にもやってほしい基礎練習

トロンボーンが上手になるための基礎練習で、必要な要素は大きく分けてこの4つ。ロングトーン、タンギング、リップスラー、そして音階練習です。 今回は、時間のない人にもバッチリな楽譜を用意しました。それでは譜例①を見てみましょう。楽譜を見てわかるように、これにはロングトーン、タンギング、リップスラーの3つの要素が入っています。練習の注意点としては、息の圧力が落ちないように常にキープすること、最初のスラーが付いているところは滑らかに、反対に後半のスラーがないところは音と音の間に隙間ができるぐらい、しっかり音を切るタンギングをしましょう。タンギングで舌をつけているときも息を吐いている感じを維持してください。(譜例①)

譜例1

(譜例①)

譜例②は譜例①の応用です。動きが細かくなりますが、スラーとタンギングの区別をしっかりつけて練習しましょう。これができるようになってきたら、この譜例以外にももっと音域を広げたり、いろんなパターンで練習してみてくださいね。(譜例②)

譜例2

(譜例②)

初心者の皆さんは、最初のうちに良い状態を身につけられるように、また経験者の皆さんは、忘れてしまっていたり、できているつもりになっていたりすることもたくさんあると思いますので、これを機会に見直してみてください。基礎練習は日々の積み重ねがとても大事ですので、頑張って練習していきましょう!

記事はWind-i 5号からの抜粋です。

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