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みんなのキニナルを解決!? プロに聞く!Q&A

特集シリーズ \ 第5弾 /

大好評につき特集シリーズ第5弾をお送りします! 今回はティンパニとパーカッションです。
「ロールの基礎練習を教えて」「管楽器とタイミングが合わない」「スネアのリズム感」といった、誰もが知りたい情報が盛りだくさん。
また、パーカッションのことならおまかせ!というショップも紹介しています。

Contents

ティンパニ
パーカッション
パーカッションのことならおまかせ! コマキ楽器 ジャパンパーカッションセンター
パーカッションのことならおまかせ! プロフェッショナル・パーカッション

◆ティンパニ:荻原松美 Matsumi Ogihara

荻原松美さん

国立音楽大学卒業。在学中にオーディションに合格し、「シエナ・ウインド・オーケストラ」のティンパニ・打楽器奏者となり、現在に至る。他に、オーケストラのエキストラプレーヤーとして、また、「上野信一&パーカッショングループ“PHONIX”」「パーカッショントリオ“ブルートーン”」のメンバーとしても活動。「エバンス」「イノベイティブ・パーカッション」のエンドーサーを務める。尚美ミュージックカレッジ専門学校非常勤講師。長野県小諸高等学校非常勤講師。

Q.ロールの基礎練習を教えて

ロールが下手です。今はティンパニを担当していますが、「もっと細かくロールを!」と言われました。ロールの基礎練習を教えてください。

A.ストロークの速さだけでロールをしない

まず知ってほしいのは、ストロークの速さだけでロールをしようとしないこと。一つひとつの音が繋がるように動くことが重要で、究極を言えば、ゆっくりなストロークでも充分にロールになるのです。それを踏まえた上で、速さや強さを調節できるようにしたい。
そのためには親指と人差し指の横腹2点で支え、人差し指あるいは中指でコントロールし、マレットがうまく跳ねるようにします。
フレンチ・グリップの場合は中指や薬指を使います。
決して打ち込まず、一度跳ねたら同じように連続して跳ねさせられるようにします。「ダンダンダンダン」ではなく、「ラーラーラーラー」というイメージだと良いですね。そのイメージのままに、以下のような練習をすると良いでしょう(譜例1、2)。
あるいは、連打を程よいテンポからだんだん速くしていき、上手くいかなくなったら止まらずにだんだんゆっくりにし、安定したらまた速いテンポにチャレンジ。これを繰り返すのも良いでしょう(様々な音量で)。


ジャーマン指 フレンチ指

ジャーマン指(左)/フレンチ指(右)



【譜例1】

【譜例1】 【譜例2】

【譜例2】



Q.大きくて良い音はどう出す?

大きい音を出そうとすると(ff)、割れたような汚い音しか出せません。
プロのオーケストラのティンパニを聞くと、大きくてもかっこいい音が出せています。叩き方が悪いのでしょうか。

A.手首を柔らかく、下半身の安定もカギ

一般的には、音色へのイメージを持つことがとても大事です。一流オーケストラのティンパニの音色を聴く機会をたくさん持つことで、自ら「こういう音を出したい」と思うことができます。こうして 良い音を知ること、自ら欲することが必要です。
さて、質問者はすでにイメージをお持ちのようですから、弾き方を工夫する必要があるのでしょうね。 力を必要以上に入れていると音が割れやすいですし、手首を使わずに指で握る力だけを使っても同様です。手首を柔らかく使うことと脱力は必須でしょう。
そして、フルストロークの場合は一度打ち込んで跳ねる瞬間に引き上げる。ダウンストロークで打ち込むなら、マレットヘッドの重みを利用するイメージだと良いかと思います。手首だけでなく肘も柔らかく使い、腕の筋肉、場合によっては背筋の力を利用すると良いでしょう。
ただし、それもこれも下半身の安定あってのこと。立ち方、あるいは座り方がしっかりしていて、弾く楽器に体が向いていることが重要。フレーズによってその楽器に正体できなくとも、上半身がそちらに向かえるよう下半身が持って行ってあげることが大事だと思います。




Q.これだけはやっておきたい!

ティンパニでこれだけは気をつけてほしい、この練習はしてほしいものは?

A.マレットの当て方を練習しよう

マレットをヘッドにどのように当てるのかが肝心。常に90°上から弾くことを心がけること。斜めに入ると薄い音になってしまいます。
移動の問題もかなり大きい。例えば29インチと26インチを使用して以下のような音符を弾く場合(譜例3)。

【譜例3】

譜例3

忙しいのでつい、26インチは斜めに入りがちです。その一発を思うような音で鳴らすために準備すると良いポイントがあるはずです、打点から90°上に。移動する手はもう片方の手が最後の16分音符を弾く頃には即座にそのポイントに移動していて、余裕を持って真上から振り下ろす。これを理想として練習すると良いでしょう。これには以下のような練習が有効です(譜例4、5)。

【譜例4】

譜例4

【譜例5】

譜例5

※楽器の並べ方がジャーマン式の場合は、逆の手順になります。



また、打面にフェルトのどの辺を当てるのかということも重要。皮とマレットのシャフトが平行に近く、フェルトの横面で当てるようにすると深い音になりやすく、シャフトを立てることで薄い音になりがちですが、小さい音でハッキリしたリズムを刻むのにあえてシャフトを立てることもあります。
練習では、まずは横面で当てて深い音を出すことを心がけるようにしましょう。


平行 シャフトを立てる

平行(左)/シャフトを立てる(右)

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