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ランクアップ講座 -クラリネット-

Navigator:渡邊 一毅 / 古賀 喜比古 / 新井 清史 / 有馬 理絵

バスクラリネット

Navigator:有馬 理絵 R i e A r i m a

有馬理絵

京都市立芸術大学を首席で卒業後、東京芸術大学大学院を修了。読売新聞社新人演奏会、YAMAHA管楽器新人演奏会に出演。第68回日本音楽コンクール入選。第18回日本管打楽器コンクール入賞。クラリネット、バスクラリネット奏者として内外の音楽祭、NHK-FM「午後のリサイタル」等に出演。現在、東京佼成ウインドオーケストラ団員。洗足学園音楽大学非常勤講師。ジャパンライム社よりDVD『見るだけ楽器マスター☆クラリネット編』発売中。http://www.japanlaim.co.jp/fs/jplm/gd7309

初めて楽器に触れる人に覚えてほしいこと3つ

①楽器の組み立て方
大きくて構造が複雑なバスクラリネット。組み立てる時の小さなアクシデントが楽器の故障、調整の狂いにつながります。正しい組み立て方を覚えて習慣にしましょう。いちばん気を付けたいのが上管と下管の接続です。左手で上管、右手で下管の写真の位置を持ちましょう。上管のジョイント部分のキィが上がってるのを必ず確認してから接続しましょう。コルクグリスはコルクが乾燥しないよう少量を小まめに塗りましょう。

【写真①】

②マウスピース、リガチャー
学校の部活動の場合、1つのマウスピース、リガチャーを長年使い続けることも多いと思いますが、マウスピース、リガチャーは共に個体差があり消耗もしますので、それぞれ個人に合った物を選定して購入するのが望ましいです。 特にマウスピースは初心者の人が選定するのは難しいと思いますが、選定品を取り扱う楽器店も増えていますので、是非相談してみてください。自分に合わないマウスピースでいくら練習しても上達は望めません。とても重要なポイントです。

③リード
リードの取り扱い方にも注意が必要です。一番大切なポイントは“新しいリードを長時間吹き続けないこと!”。新しいリードは水分を吸収しやすく、繊維が柔らかいので吹きすぎると湿りすぎてしまい、まったく響かないリードになってしまいます。
できれば2、3箱(10~15枚)のリードを少しずつ吹きまわしながら慣らしていきましょう。2〜3週間経つとリードの状態も落ち着いてきて、ある程度の時間吹き続けることができるようになります。リードはゆっくり時間をかけて慣らすほど、安定感が増します。

 

音を出してみよう!

最初にマスターしたいのは“正しいアンブシュア”です。アンブシュアは後々の上達を大きく左右しますので最初が肝心です。部活動では楽器の本数も限られているので、入部したらすぐに『バスクラリネット担当』と決められてしまう人もたくさんいると思います。諸事情は解るのですが……、まずはクラリネットでしっかりと基礎を固めることをお勧めします。

基本のアンブシュアはクラリネットとまったく同じです(写真②参照)。下顎をしっかりと伸ばし、口角横を上げましょう。日常生活ではあまり使わない筋肉を使うので最初は痛みもあると思います。無理をせずに徐々に慣れていきましょう。

【写真②】左:B♭クラリネット、右:バスクラリネット

リードは少し軽めの3番くらいで練習を始めると負担も少ないです。クラリネットでアンブシュアが安定してきたらバスクラリネットを吹いてみましょう。マウスピースを噛む、上の歯の位置が深くなりすぎないよう注意しましょう。アンブシュアと共に楽器を構える角度にも注意を。顔が上がってしまい、楽器にぶら下がるような角度になってしまわないように。

最初は各音、丁寧にロングトーンを行ない奏法を安定させましょう。下から上の音域まで幅広く行なってください。

各音が自然に出せるようになったら、音程もチェックしましょう。バスクラリネットは音程がとても不安定な楽器なので、音によって微調整が必要です。音程が高い音はアンブシュアを少し緩めて下げ、低い音は少しきつくして上げます。これは少し高度な技術ですが、最初から癖付けをすることで正しい音程感覚も身に付き、他の人、楽器とのアンサンブルの際にとても役立ちます。

 

 

※こちらの記事は、Wind-i vol.5を一部抜粋し掲載しています。

 CONTENTS

◆1ページ:E♭クラリネット 渡邊 一毅
◆2ページ:B♭クラリネット 古賀 喜比古
◆3ページ:アルトクラリネット 新井 清史
◆4ページ:バスクラリネット 有馬 理絵

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