フルート記事 フルートリサイタルシリーズ 「Flute Lab 2026 ザ・フレンチ」始動
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THE FLUTE vol.213 Close Up│清水 伶

フルートリサイタルシリーズ 「Flute Lab 2026 ザ・フレンチ」始動

ARTIST

新日本フィルハーモニー交響楽団(以下 新日本フィル)首席フルート奏者、清水 伶氏。オーケストラ、室内楽、ソロという三つの軸を掲げ、今年から自主企画のリサイタルシリーズ「Flute Lab 2026 ザ・フレンチ」をスタートさせた。4月のVol.1を終え、9月のVol.2、12月のFinalへと続くこのシリーズに込めた思いから、フルートとの出会い、ジュネーブ留学時代、そして独自の練習哲学まで、その音楽観に迫った。
扉写真:©︎FUKAYA/auraY2/文:本田裕一郎

「点」を「線」につなげたい──リサイタルシリーズを始めた理由

リサイタルシリーズを開催しようと思ったきっかけを教えてください。
清水
もともとずっと「オケマンになりたい」という想いでやってきて、新日本フィルに入ってその夢はある程度叶ったんです。でも、オケマンとしてもっと上に行くには、オケの世界だけにいてはダメだなと思って。オーケストラの曲を書く作曲家も、ソロの曲を書く作曲家も、根底は同じですから。今は「オーケストラ」「室内楽(クインテット樹)」「ソロ」の三つを軸にしたくて、ソロの軸としてこのシリーズを企画しました。単発のリサイタルを一回一回やるんじゃなくて、点と点がつながって線になるようにしたかったんです。最初に12月のHakuju Hall公演を決めて、そこに向けて4月と9月にサロンでのリサイタルを置いて、一年の流れを作りました。
最終的には、曲目も出演者もいっさい告知しないコンサートまでやりたいと思っているんです。「シェフの気まぐれ」じゃないですけど、「清水くんの演奏会に行けば、絶対おもしろいものが聴ける」と思ってもらえるようになりたくて。そこに
向けて、少しずつつなげているところですね。
シリーズ全体を通して伝えたいテーマは?
清水
今回は「フレンチ」で統一感を出しましたけど、あまり現代に寄りすぎないものを中心に選んでいます。「フレンチ=エスプリ」みたいに一言でまとめられがちですけど、実はドビュッシーとラヴェルなんて全然違う作曲家ですし、フランス音楽はドイツ音楽よりずっと系統が細分化されている。作曲家ごとの処方の違いにフィーチャーしたいというのが軸になっています。だから12月のHakuju Hallはきちんとしたリサイタルにしますが、4月・9月のサロン公演はかなりMCを入れています。演奏前に曲の一部を取り出してみせてから吹いたりして、プログラムノートだけではなく、口頭での情報量を増やしているんです。プログラムも最近は自分で作っていて。
ご自身でプログラムを作られるんですね。
清水
そうなんです。もともと自主企画には抵抗がないんです。高校生の頃に指揮者の友人と2人でオーケストラを運営していたことがあって。そこで、コンサートを一から「作る」ことは、そんなに大変なことじゃないと知ったので。
9月のプログラムはどんな考えで組みましたか。
清水
フレンチをやるなら、ルイ・モイーズがまとめた曲集「フランスの作曲家によるフルート音楽(フレンチコンポーザーズ)」は避けては通れないな、と。それなら全曲やるほうが面白いだろうと、これを軸にしました。あと毎回、日本人作曲家の作品も入れています。初回は別宮貞雄さん、9月は矢代秋雄さんのソナタと、フランスに留学したわけではないけれど、フランス音楽の影響を受けた武満徹さんの作品を、ゲストの八木瑛子さんと演奏します。自分も楽しみたいので、一緒にやって楽しい人をどんどんゲストに呼んでいくつもりです。

 

 
 

インタビューは続きます!
・フルートとの出会い、そしてジュネーブへ
・「練習しなくていい」──独自の脱力メソッド
・これから、そして聴きに来てくれる方へ

 
 
 
 INFORMATION

清水伶 フルートリサイタルシリーズ Flute Lab 2026《ザ・フレンチ》

〈Vol.2〉French Tradition & Lineage
[日時]9/21(月・祝)15:00開演
[会場]アーティストサロン"Dolce”東京(東京:新宿駅徒歩5分)
[共演]岡本知也(Pf)、八木瑛子※(Fl)
[曲目]武満徹:マスク※、矢代秋雄: 2本のフルートとピアノのためのソナタ※、<Flute Music by French Composers>掲載全作品 シャミナード/フォーレ/ゴーベール/タファネル 他
[料金]一般¥3,000 学生¥2,000
[問合せ]info.ryoshimizu@gmail.com

〈Final〉French Legacy & Expansion
[日時]12/11(金)19:00開演
[会場]Hakuju Hall(東京・代々木公園駅徒歩5分、代々木八幡駅徒歩5分)
[出演]小井土文哉(Pf)
[曲目]デュティユー:ソナチネ、ヴィドール:組曲 作品34、フランク:ソナタ イ長調 FWV 8 他
[料金]一般¥4,500 学生¥3,000
[問合せ]info.ryoshimizu@gmail.com

 
 
登場するアーティスト

清水伶
Ryo Shimizu

2024年新日本フィルハーモニー交響楽団の首席フルート奏者に就任。
第91回日本音楽コンクールなどで優勝。クインテット樹(いつき)のメンバーとして、第73回ARDミュンヘン国際コンクール木管五重奏部門で特別賞を受賞するなど室内楽奏者としても活動。2022年よりサイトウ・キネン・オーケストラに参加。1998年東京生まれ。20歳で渡欧し、ジュネーヴ高等音楽院を卒業。堀井恵、神田寛明、工藤重典、ジャック・ズーンの各氏に師事。

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