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山元康生の吹奏楽トレーニング!│第4回

新型コロナの影響で延期になった2020年の吹奏楽コンクール。課題曲はそのままスライドして、今年2021年に開催される予定です。
今からフルート演奏の基礎を見直して、「良い音」「正しい音程」「音量のコントロール」「正確で俊敏な指使い」を手に入れられるトレーニングをしてみませんか?

♪♪♪

今回はハーモニクス奏法によるトレーニングです。
その主な目的は、唇を使わずに息の圧力を上げることの修得です。それは前回「音作り」の時に説明した通り、構えの圧力とお腹の圧力、それに唇を緩めることですが、ハーモニクスを練習することによって、それらが本当に大切だと実感されると思います。

ハーモニクス奏法の練習

ハーモニクス奏法とは、低い音の指のまま息の圧力を強めて倍音を出すことです。
どんな楽器でも、長さが固定された一本の弦あるいは管が出せる最も低い音を「基音」と呼びます。


A=440とか442という言葉を聞いたことがあると思います。それはA1の音が鳴っている時に1秒間に振動する数で、「周波数」と呼ばれます。
1オクターブ上の音は2倍の周波数になりますので、A2は880または884ということになります。基音に対して2倍周波数になった1オクターブ上の音を第1倍音、3倍になった音を第2倍音と呼びます。



C1を基音とした倍音を示しておきます。

では、ハーモニクス奏法の練習を始めましょう。
音量はpmpが吹きやすいと思います。

C1の指で吹いて鳴るC1の音が基音です。そのまま息の圧力を少し上げると、1オクターブ上のC2の音が鳴ります。これが第1倍音です。

さらに息の圧力を上げると第2倍音、G2の音が鳴ります。

同様に息の圧力を上げていくとC3、E3と高い音を出すことができます。



では、それらの倍音を個別に出してみましょう。

普通の指のC2を吹いて、そのままC1の指に替えてください。指を替えやすいように、最初から右手小指で足部管のCローラーを押さえたままにしておいて構いません。

これがハーモニクスの第1倍音C2です。


同様に、第2倍音G2、第3倍音C3と吹いてみましょう。

第4倍音E3は正しい指で吹き始めてから、C1の指に替えてください。正規の指のE3よりハーモニクスのE3のほうが、だいぶ低い音程になりますが、今は気にしないでください。

今回は第4倍音まで練習します。

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山元康生

山元康生│Yasuo Yamamoto
1980 年、東京藝術大学音楽学部器楽科卒業。同年6月渡米し、ニューヨークでのジュリアス・ベーカー氏のマスタークラスに参加し、ヘインズ賞を受賞。その後2ヵ月間にわたってベーカー氏に師事。1982年、宮城フィルハーモニー管弦楽団(現・仙台フィル)に入団。1991年より、パリ・エコールノルマル音楽院に1年間学ぶ。1997年から度々韓国に招かれマスタークラスやコンサートを行なう。また、2006年にはギリシャとブルガリアにてマスタークラスとコンサートを行なう。2002年、Shabt Inspiration国際コンクール(カザフスタン)、2004年、Yejin音楽コンクール(韓国)、仙台フルートコンクールに審査員として招待される。

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