画像

相澤政宏の基礎練習のススメ

やっておきたい“魔法”の基礎練習

相澤政宏の基礎練習のススメ

相澤政宏(東京交響楽団首席フルート奏者)

基礎練習のテーマを自分自身で明確に

サッカー選手や野球選手など、あらゆるスポーツ選手も、いきなり試合をする訳ではなく、やはりだいぶ前に競技場に入り、スムーズに競技が出来る体を作りますね。フルートの基礎練習もある意味それに似ていると思います。
でも、それでは不充分です。基礎練習そのものを毎日のルーティーンのようにやることは、もちろんそれはそれで楽器を吹くための体や唇を作る準備運動のような要素もありますが、それだけでは基礎練習をする意味の半分しか成し遂げられていないと思います。
大切なのは、ソロの本番や合奏の現場をイメージして、今やっている基礎練習のテーマを自分自身で明確にすることだと思います。
例えば「ソノリテについて」を吹いている時に、上から下まで統一された良い響きを求めるのは当然のことですが、私は「今日は音の中心を求めよう」とか「今日は『はげ山の一夜』の最後のソロのような音色をイメージしてやろう」「今日はブラ1の4楽章のソロの音をイメージしてやってみよう」とか「今日はドルチェで」「今日はエスプレッシーボで」「今日はオルガンの響きで」などいろいろテーマを持ってやります。
実際、ソノリテはうまく吹いても、曲を聴いた時に「えっ? ソノリテの響きはどこに行ったの?」という演奏を聴くことが多いように思います。せっかくソノリテでいい音を出しているのにそれでは残念ですね。

タファネル=ゴーベールなどのエクササイズは確かに指の練習ですが、いくら指が正確に回っていても、息がしっかり流れて音がちゃんとしていないと、音が伴奏に埋もれたり、指がもつれているように聴こえてしまうことが多々あります。エクササイズは音の練習、息の流れの練習だと思ってください。ソノリテで吹いた自分のベストの音でエクササイズができているか、常に意識することが大切です。
どの基礎練習の選択がベストなのかは、実際その人の演奏を聞いてみないと分かりませんが、良くない基礎練習はありません。自分の音をよく聴き、息の流れをしっかり感じ、テーマを持って、自分がステージで演奏をしていることを想像してやれれば、どんな基礎練習も素晴らしいものになります。

次のページに続く
 
[CLUB MEMBER ACCESS]

この記事の続きはCLUB会員限定です。
メンバーの方はログインしてください。
有料会員になるとすべてお読みいただけます。

1   |   2   |   3      次へ>      

フルート奏者カバーストーリー
フルートコンサートガイド

画像
画像