フルート記事 プロ奏者によるTG活用術【中上級者編】
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タファネル=ゴーベールでワンランクアップを目指せ!

プロ奏者によるTG活用術【中上級者編】

LESSON

ここでは中上級者向けにプロ奏者の活用術を教えてもらいましょう。ちょっとの工夫が大きなレベルアップに繋がります。

岡村考二 Koji Okamura

国立音楽大学器楽学科フルート専攻卒業。1975年9月NHK・FM放送「夕べのリサイタル」出演。以後、NHK・FM放送「夕べのリサイタル」「午後のリサイタル」「フレッシュコンサート」等に数多く出演、放送される。1976年ロサンゼルス日系交響楽団国際音楽コンクール入選。東京バロックアンサンブル代表を務め、2003年より大阪国際音楽コンクールの審査委員を務める。2005年第6回大阪国際音楽コンクールにおいて「最優秀指導者賞」を受賞。プロ、アマチュアを問わず多数の生徒を育て、数多くのコンクール入賞者も輩出している。フルートレッスン小曲集等、多数の出版物がある。公益財団法人 三井住友海上文化財団理事。

 

TGを練習するときに心がけたいこと

タファネル=ゴーベールを初めて目にした時に思うこと。
「なんと難しそうなエチュードだろう!」
確かに、演奏上必要なテクニックがたくさん盛り込まれています。一瞬尻込みをしてしまいますが、一度に多くのものを得ようとするのではなく、毎日少しずつ丁寧に積み重ねていくことが一番の近道だと思います。
練習をするにあたり、「速く演奏しなければいけない」という概念を捨ててください。「きれいな音」、「きれいな指使い」、「きれいな音の繋がり」が相まって、はじめてタファネル=ゴーベールの真価が発揮されます。この三点がそろっていない状態でテンポを上げて練習するのは、マイナスの効果しかありません。
初心忘るべからず。演奏レベルがステップアップしたときこそ、より基本を忘れずに取り組んでください。

指を自在に動かせるようにするための練習法は?

E. J. 11

まずは、指のロスを少なくするため、カップから指を高く上げないこと、右手小指の動きを滑らかにすることです。
11番では、多くの難解な指使いがたくさん出てきます。苦手な個所を取り出して、丁寧にゆっくりと練習してください[譜例①]。

譜例①

指を高く上げない

 

いきなり、右手小指の移動が難しい運指が出てきます。右手小指の、CキィからEsキィにスムーズな移動が必要ですが、小指の平面を多く使用しているとEsキィに引っ掛かり、スムーズな移動が困難になります。小指の先で移動するようなイメージで動かすと、スムーズな移動ができます。譜例②のように、まず、ゆっくり練習してみてください。譜例③のように、音符を逆から練習するのも効果的です。

譜例②

ゆっくり練習する

 
譜例③

譜例②を後ろから演奏する

C、Cis、Es(右図の四角で囲んだ部分)は小指平面の先を利用して、円を描くようなイメージで、譜例④のように右回り(C〜Cis〜Es〜C)、左回り(C〜Es〜Cis〜C)を練習してみてください。

 
譜例④

小指の練習

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