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THE FLUTE 131号 特集

永遠の巨匠 ジャン=ピエール・ランパル



ジャン=ピエール・ランパル──その名はあまりにも偉大。
1922年に生を受け、2000年5月に亡くなるまで、音楽を心から愛し、そのすばらしさを世界中の人々に伝え感動を与えてきました。
ランパルが亡くなってすでに13年、その偉大な業績を語り継ぐために、この特集ではランパルの偉大さや魅力などを改めて探ります。

 

工藤重典氏は、パリ音楽院時代のランパルの愛弟子であると同時に、演奏家として活動を始めてからは共演することも多い、いわば音楽仲間である。日本人の中で誰よりも多くランパルと過ごした時間から得たことを、工藤氏の愛弟子である岩佐和弘氏と共に振り返ってもらいます。ランパルの教えを受け継いでいる二人が語るランパルの魅力とは?
▼動画で取材の様子とお二方の演奏が見られます。

工藤重典│パリ音楽院でジャン=ピエール・ランパルに師事、1979年1等賞を得て卒業。78年第2回パリ国際フルートコンクールで優勝。80年第1回ランパル国際フルートコンクールでも優勝。ランパルとパリのシャンゼリゼ劇場で共演し、本格デビュー。世界の著名オーケストラの舞台に独奏者として登場するほか、各地でリサイタルを開催。パリのエコール・ノルマルをはじめ、北米・南米、欧州、アジア、アフリカの主要な音楽教育機関で後進の指導にあたり、日本では東京音楽大学教授・同大学院客員教授、上野学園大学客員教授。83年からランパル、神戸、カール・ニールセンなどの国際コンクールや、日本音楽コンクールの審査員を務める。

岩佐和弘│東京音楽大学で植村泰一氏に師事、卒業後渡仏し、パリベルリオーズ音楽院、エコールノルマル音楽院を首席で卒業。1991年以来サイトウキネンオーケストラのツアー、松本でのフェスティバルに参加。東京文化会館、横浜美術館などでリサイタル開催。水戸室内管弦楽団のヨーロッパ公演では武満徹の「マスク」を工藤重典氏と演奏し好評を得た。木管五重奏団「トウキョウウインズ」でCD「ノヴェレッテ」をリリース「クドウシゲノリフルートアンサンブル」の2枚のCDにも参加。現在はカスタムウインズ木管五重奏団、トウキョウモーツァルトプレイヤーズのメンバー。テオバルトフルート教室、マエストローラ音楽院各講師。

 

ジャン=ピエール・ランパルはフランス・マルセイユ生まれ。厳密に言えばランパルはマルセイユスクールと言えるかもしれません。しかしその土壌はフレンチスクールにあります。パリ音楽院を卒業し、パリ・オペラ座のフルーティストを経験しました。そこでここではフレンチスクールについて詳しい藤田真頼氏にフレンチスクールの歴史とランパルとの関わりを執筆してもらいました。

藤田真頼│東京音楽大学在学中に民音室内楽コンクール入賞。フランス国立リュエイル・マルメゾン音楽院のフルート、室内楽科を1等賞で卒業。在パリ日本大使館文化部にて室内楽コンサート。帰国後はソロ、室内楽、オーケストラ、ミュージカル、録音等多方面で活躍。フランスと日本の音楽交流を活発に行なう。第14回日本フルートコンヴェンションにてレクチャー『ゴーベールの作品のフルートとピアノの関係』を行なう。ライブCD『タファネルとゴーベールの遺産』はレコード芸術誌にて準推薦盤として紹介される。CDクドウ・シゲノリ・フルート・アンサンブル『笛吹きのヴァカンス』も絶賛発売中。パールフルート教室講師。アトリエ・ソノーロ主宰。日本フルート協会常任理事。

 

131号カバーストーリーのクラウディ・アリマニー氏は、ランパルの高弟として各地で演奏活動を共に行ない、ランパルの活動、生活のすべてをつぶさに見つめてきました。
ここでは、アリマニー氏にランパルの功績について語ってもらいました。

 

 

2000年5月20日に78年の生涯を閉じたジャン=ピエール・ランパル。
最後に日本でコンサートを行なったのが1999年なので、おそらく20代以下ではランパルの生の音を聴いたことのない方がほとんどでしょう。ですから最初にランパルの実際の音や演奏について、さまざまな角度やいろいろな証言から、その本質を探っていきたいと思います。

秋山君彦│東京音楽大学卒業、ピッコロ歴35年、ピッコロをこよなく愛する。折に触れ、時任和夫氏に師事。マイスターミュージック「笛吹きのヴァカンス」では クドウ・シゲノリ・フルートアンサンブルのメンバーとしてピッコロを担当する。








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