フルート記事
マグナムトリオ│THE FLUTE vol.199 Cover Story

唯一無二のアイデアを音楽に。進化し続けるマグナムトリオに迫る!

結成当初から「次世代型フルートアンサンブル」と呼ばれ、現在も幅広い層から絶大な人気を集めるマグナムトリオ。各人の高い技術と音楽性を生かした、様々なフルート属の楽器と現代奏法が織りなすエンターテインメント性の高い公演は、国内外で好評を博している。前回のインタビューは結成後まもない2006年。約18年を経て、今回質問に答えてもらう中で、真摯に音楽で表現することを追究する姿勢と、今なおお互いをリスペクトし続ける姿が印象的だった。
さらに、やむを得ず誌面に載せきれなかった3人のトークを、THE FLUTE OLINE限定でお届け!
(2024.04.18公開)
写真:アーニーズスタジオ 井村重人

マグナムトリオ結成とこれまでの活動

神田
結成秘話については、連載のほうをご覧いただければ……(笑)。
マグナムトリオの連載はこちらから!
マグナムトリオが伝授 全然特別じゃない!特殊管&特殊奏法
【最終回】マグナムの歴史を振り返る
多久
かくかくしかじかでその公演を経て、一番気の合う後輩2人に声をかけました。特殊奏法も全般できて、この3人ならいける! と思って組んだのがきっかけですね。
マグナムトリオが今のエンターテインメント性の高い方向に進んだことには、どんなきっかけがありましたか?
多久
最初からエンタメ方向だったんです。もともと僕のフィールドは現代音楽で、そこでは特殊奏法を使いますよね。現代音楽って、怖いみたいなそういうイメージがあるじゃないですか。それを逆に魅せて世に出すのが一番いいなっていうふうに考えたので、最初から面白いとか笑えるとか、その部分を狙いにいっていました。「全部逆をいこう」というのがコンセプトなので、「フルートらしからぬ響きを」とか「クラシックだったらこういうのは普通やらないよね」とか、そういう部分を全面に出していますね。現代音楽と正反対の位置にあったのがお笑いやエンタメでした。
神田
当時、いきなり2時間のコンサートでオリジナル作品をやるには曲数が足りなかったので、最初のうちはクラシックのレパートリーもちょこちょこやっていたんです。それから少しずつクラシックが減っていって、100%自分たちで編曲したアレンジ作品だけになる、というふうに変化していきました。2006~2007年ぐらいはそういうのをやっていて、2009年ぐらいから私たちの作品だけで行なっています。
梶原
編曲も最初は3人で分業していたんですけれど、だんだん多久さんの作品や編曲が多くなってきて……。
多久
なんでだろう? 僕がやる!って言っているわけじゃないんだけれどね(笑)。
梶原
自然と多久さんに頼っちゃっているのかもしれません(笑)。

次ページにインタビュー続く
・各地では珍味に挑戦する、安定志向の3人
・東京藝術大学を目指したきっかけ \ONLINE限定!/
・それぞれの過ごし方 \ONLINE限定!/
・公演の裏側 \ONLINE限定!/
・特殊管の魅力
・マグナムトリオのこれから

 
 Information

マグナムトリオ公演情報
富士ミューズフルートアンサンブル 創立40周年記念演奏会
[日時]9/29(日)13:30開演
[会場]富士市文化会館(ロゼシアター)大ホール
[出演]茅原初子/渡辺幸成(Cond)ゲスト:マグナムトリオ 他
[料金]一般¥2,000/高校生以下¥1,000
[問合せ]かやはら音楽教室 0545-51-3780

マグナムトリオ 名古屋公演
[日時]11/9(土)15:00開演
[会場]愛知県名古屋市 Halle Runde(ハレ・ルンデ)
[問合せ]一般財団法人 ルンデ
https://dbf.jp/runde/

 
Profile
マグナムトリオ
マグナムトリオ
2006年、東京藝術大学在学中に結成。多久潤一朗、神田勇哉、梶原一紘による次世代型フルートアンサンブル。特殊奏法や超絶的技巧を自在に操り、様々な特殊管、改造頭部管などを駆使する。その得意なパフォーマンスは日本はもとより、海外からも注目を集めイギリス、カナダ、ロシア、韓国など様々な国からオファーを受け、公演を行なった。また2015年には新国立美術館『オルセー美術館展』公式タイアップアーティストとして多数のライブを行ない、CM曲を提供している。

●メンバー
多久潤一朗(写真中央) 無数の特殊奏法、民族楽器の奏法を駆使自作自演を中心に活動中。TV、CM、映画音楽などのレコーディングは年間100本を超え、アニメ「鬼滅の刃」や米津玄師「パプリカ」、Nintendo Switch「スーパーマリオ」「ゼルダの伝説」などのフルート及び和笛、民族笛などを担当している。緊急事態宣言による自粛要請中にはSNSで発信した「ちくわ笛」で有名になり最近もテレビ朝日「題名のない音楽会」などで度々無理難題を課されている。

神田勇哉(写真左) 東京フィルハーモニー交響楽団首席フルート奏者。東京藝術大学を首席で卒業後、文化庁海外派遣研修生として渡仏。パリ地方音楽院、エコール・ノルマルにて研鑽を積む。これまでにアンサンブルofトウキョウ、藝大フィルハーモニア管弦楽団、カメラータ・ザルツブルグ、チェコ・フィルハーモニー弦楽三重奏団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団と共演。日本、フランスのコンクールにて、優勝および入賞多数。東京音楽大学非常勤講師。

梶原一紘(写真右) 東京藝術大学附属高校、東京藝術大学を卒業後渡仏。フランス・クレテイユ地方音楽院を満場一致最優秀の成績にて修了後、パリ・エコールノルマル音楽院にて研鑽を積む。マグナムトリオ、spac-e、future nohメンバー、ドルチェ東京ミュージックアカデミー講師、todays concert創設者。
 
[CLUB MEMBER ACCESS]

この記事の続きはCLUB会員限定です。
メンバーの方はログインしてください。
有料会員になるとすべてお読みいただけます。

1   |   2   |   3      次へ>      

フルート奏者カバーストーリー