ランパルが遺した録音
イントロダクション
ジャン=ピエール・ランパルにとって“録音”という営みは、そのキャリアの始まりから終わりまで決定的な役割を果たした。世界各地での成功を支えただけでなく、フルートのレパートリー研究を飛躍的に前進させた点でも、録音は極めて重要であった。数多くの再発見がまず録音によって紹介され、続いて演奏会で広まり、そして両者が互いに影響し合いながら発展していく──この循環こそがランパルの活動の大きな特徴だった。
350を超えるオリジナル録音と多彩な共演者との膨大なコラボレーションを反映するそのディスコグラフィーは、質・量ともに圧倒的であり、今なお一般聴衆、フルーティスト、音楽家の間で強い輝きを放ち続けている。
録音企画の構想とプランニングにおいて、ランパルはつねに卓越した総合力と長期的視点を示した。それはフルート作品の開拓だけでなく、その普及のあり方においても、可能な限り建設的な“カタログ”として発展させることにつながった。
1950年代にはレーベルごとにレパートリーを明確に分け、1960年代以降はフィリップス、エラート、CBS/ソニーといった独占契約を結ぶことで、録音は圧倒的な影響力を持つようになる。
またランパルは、録音の芸術的完成度が自らだけに依らないこともよく理解していた。録音技術にはとりわけ厳しく、信頼と友情に基づく“協働”を大切にした。彼の録音がこれほど高品質で多岐にわたるのは、主要なレコード会社との強固な関係性があったからにほかならない。
ランパルのディスコグラフィーについて、もう少し詳しく知りたい読者は、ムラマツフルートの以下ページを参照されたい。

https://www.muramatsuflute.com/rampal/rampal_005/
また、年代別に整理された写真付き完全版ディスコグラフィーは、現在以下のサイトで制作中である。

ジャン=ピエール・ランパル協会▶www.jprampal.com
ダウンロード音源にランパルの演奏を特別収録!
今回「Premiers Horizons」がランパルの演奏音源を特別提供してくれた。
国内では村松楽器販売サイトから購入も可能。ぜひその魅力の音色に触れて欲しい。
F.クーラウ
《G.オンスローの歌劇「行商人」の主題による序奏とロンドOp.98A》
Introduction(Maestoso)、Rondo(Allegro vivace)
演奏:ジャン=ピエール・ランパル(Fl)/ジョン・スティール・リッター(Pf)
ライブ録音:1981年1月18日

【収録アルバムはこちら】
「Jean-Pierre Rampal & Robert Hériché」
(AJPR / Premiers Horizons 2012年)













