THE FLUTE 133号 Special Contents-1

フルート力を上げよう Part.2

今回の特集で登場してくれたプレイヤーさんの、プライベートに迫った質問をフルートオンラインで公開! 本誌と一緒にご覧ください!

コンサート前に必ずすること、または絶対にしないことは? フルート以外にやってみたい楽器は? 今まで訪れた土地で思い出深いのはどこ? 趣味や休日にすることは? 好きな作家や本のタイトルは? 最近気になっていることや気になっているスポットは? 座右の銘、または好きな言葉は?

コンサート前に必ずすること、または絶対にしないことは?
神田勇哉
神田勇哉 (奏者が教えるテクニック別アドバイス 呼吸編執筆)
大学の頃は本番直前に必ずクリームパンを食べていました。演奏中口の中がカラッカラになってしまう予防です。かなり改善されます。最近は特にありませんが、必ず30分前ちょうどに衣装に着替え始める、です。あまり直前だとYシャツとか無かったらやばいので。
西村いづみ
西村いづみ (奏者が教えるテクニック別アドバイス 呼吸編執筆)
バタ足腹筋。重要なコンサートや、緊張が予想される日、前夜に「バタ足腹筋」をします。
ここ一番に強くなるにはこれがてきめんです。
谷風佳孝
谷風佳孝 (奏者が教えるテクニック別アドバイス アンブシュア編執筆)
本番の日は、必ず赤い下着をはきます。これは京都芸大の大嶋先生からの影響で、暖色系の下着の方が、暖かい音がでるらしいです(笑)
小山真之輔
小山真之輔 (奏者が教えるテクニック別アドバイス アンブシュア編執筆)
必ずすること:昼寝
絶対にしないこと:辛いものや塩が大量にかかったポテトを食べない
理由:昼寝はリハーサルで興奮した体を一度リセットする為です。辛いものや塩がかかったポテトを食べないのは、唇が腫れると嫌だからです。納豆巻きが好きなので必ず食べるという訳ではないのですが、納豆巻きを本番前によく食べます。
清水信貴
清水信貴 (奏者が教えるテクニック別アドバイス タンギング編執筆)
どちらもありません。何かに囚われて気になって出来ないという事自体が嫌です。
ですから、流行のストーンパワーのブレスレットや西洋の人がやるトイトイトイと言って壁をノックしたりすることもありません。ただひとつステージに出る前はあまりしゃべったり大声で笑ったりしません。フルートを吹くための筋肉とは違う動きをするためですが、最近はそれもあまり気にしないようにしています。
梶原一紘
梶原一紘 (奏者が教えるテクニック別アドバイス タンギング編執筆)
必ずトイレに行きます。
清木ナツキ
清木ナツキ(プロのウォーミングアップ執筆)
必ずすることは特にありません。絶対にしないことは、特別な事をしない、必ずすることを作らないことです(笑)
白戸美帆
白戸美帆(プロのウォーミングアップ執筆)
コンサート前日はよく寝て、本番直前は深呼吸します。絶対にしないことは、直前に慌てない、走らない……
榊原敬幸
榊原敬幸(プロのウォーミングアップ執筆)
朝、T字剃刀で髭を剃ります。普段は電気シェーバーなのですが、なんとなくそうすると上手く行くような気がするので…。これといった明確な理由は無いので、おまじないに近いものです。
阿部博光
阿部博光(プロのウォーミングアップ執筆)
満腹になるような食事はとらないこと。とるにしても、フルーツ程度。コーヒーも避けています。演奏中の集中力を高めるためです。

 

フルート以外にやってみたい楽器は?
神田勇哉
神田勇哉
エレキギターです。というかやってます。いくつかマグナムトリオの音源用に録音しました。スーパー素人ですが。
西村いづみ
西村いづみ
ドラムス。ドラマー&歌手だった、カレン・カーペンターが憧れです。
谷風佳孝
谷風佳孝
やりたいと思った楽器はとりあえず手を出すのですが、ノコギリだけはなかなかモノにならなかったので、いつか本気で練習をしたいです。
小山真之輔
小山真之輔
チェロ
理由:チェロを演奏している姿にあこがれています。また街中でチェロケースを持っている人をみると「私は音楽家です」と語っているようで格好いいなと思います。チェロの友人には「お前の楽器は持ち運びが便利でいいなぁ」と言われますが……
清水信貴
清水信貴
今までいろいろな楽器をやってきました。ピアノ、ヴァイオリン、リコーダー、オカリナ、ギター、エレキベース、ドラム、サックス、オーボエ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ティンホイッスルなどです。練習が必要なものはもうフルート以外やりたくないのですが、カントリーミュージックも好きなのでバンジョーとフラットマンドリンをやってみたいです。
梶原一紘
梶原一紘
トランペット。
中学の吹奏楽部に入部したとき、本当はフルートじゃなくトランペットが吹きたかった。
清木ナツキ
清木ナツキ
ヴァイオリン。
小学校の頃からずっとやりたかった楽器です。息の制約が無く、音程も自由に変えられ、音楽の表現の幅が広い気がします。今は主人が弾いていますが、そのうち教えてもらいたいです。
白戸美帆
白戸美帆
チェロです。大学時代に副科で少し習いました。あの低音が魅力的です。
またいつか挑戦したいなと思います。
榊原敬幸
榊原敬幸
チェロです。力強い低音への憧れかもしれません。低音域なのにソロ楽器としても名作が多く、コンチェルトも多数有るのはとても魅力的です。
阿部博光
阿部博光
ピアノ。生まれ変わったらピアニストになりたいですね。弾けたら本当に幸せだと思うし、いろいろな楽器とアンサンブル出来るので、やはり楽器の王様ですね。

 

今まで訪れた土地で思い出深いのはどこ?
神田勇哉
神田勇哉
いろいろありますが、やはり都会よりも自然が一番。スペインのタラゴナ、灼熱の太陽の下とビーチ。最高だった。モロッコからいったサハラ砂漠、360度砂の中で一晩過ごしました。ルクセンブルグにて豪雪に埋もれる極寒の中、オーデイションを受けました。
どれも思い出深いです。
西村いづみ
西村いづみ
米インディアナ州。大学時代、一か月間の夏季留学をしました。
この時の経験や出会いが人生の宝になっています。
谷風佳孝
谷風佳孝
奈良の生駒山上にある大阪の夜景がとてもキレイに見られる展望デッキ。
この場所で妻にプロポーズしました。
小山真之輔
小山真之輔
山口県の秋吉台。これといった理由はありません。秋吉台に行ってぼけーっと風景を眺めていたら急に胸がキュンとなりました。不思議です。
清水信貴
清水信貴
ブラジルのリオ・デ・ジャネイロはコパカヴァーナ海岸とイパネマ海岸に独特の形の山々、山の上のキリスト像、ボサノヴァとハーモニー豊かなブラジル音楽、大地のすごいエネルギーとそれを十分に取り込んだおいしい食物と人なつっこい人々が印象的です。ブラジルには3回行きました。もうひとつはフランスのプロヴァンス地方です。中学生の頃上映された「フレンズ」という映画はエルトン・ジョンが音楽を担当していましたが、舞台ははアルル、カマルグといったプロヴァンス地方です。アヴィニオンも幻想的な町です。マルセイユに行くとランパルそっくりな人もいました。
梶原一紘
梶原一紘
ランス、藤田嗣治の礼拝堂。
清木ナツキ
清木ナツキ
イタリアのシエナ。土地や自然、文化、人間、言葉、生活スタイルなど、すべてがとても魅力的でまた訪れたいです。
白戸美帆
白戸美帆
秋田県です。コンクールがきっかけで、秋田県大仙市大曲に二回ほど行ったことがあるんですが、とにかく人柄が温かく、優しくもてなして下さいました。私自身、東北出身ということもあり、東北弁の独特ななまりに心が温かくなったのを覚えています。ご馳走になったきりたんぽ鍋、コンクールの参加賞でいただいたあきたこまち……美味しかったです。
榊原敬幸
榊原敬幸
イタリアのヴェローナ。初めて訪れた時に町の美しさに惹かれ、その後は円形劇場で観る野外オペラの虜になりました。
阿部博光
阿部博光
日本フィル時代に演奏旅行で訪れた、エジプトのカイロです。ピラミッドやスフィンクスを実際に触って肌で感じ、そのスケールの大きさには度肝を抜かれました。アラブの文化に始めて接し、驚きの連続でした。

 

趣味や休日にすることは?
神田勇哉
神田勇哉
スーパーで買物です。豚の特大肉やげん骨を買って家二郎づくり。
ニンニクマシニクダブルヤサイマシアブラカラメ
西村いづみ
西村いづみ
趣味は息子と一緒に習っている空手です。休日は子供たちと海や公園に行きます。
谷風佳孝
谷風佳孝
休みの日は、妻子を伴ってお出かけしています。趣味は録音機材のレビューをネットであさり、あれこれと想像する事です。
小山真之輔
小山真之輔
フルートの練習。やってみたい曲など、今のところ本番でやる予定のない曲を譜読みしたりスコアを読んだりしています。あとは録画したドラマを見ています。NHKの朝ドラは欠かさず観ています。
清水信貴
清水信貴
オーケストラのほかにソロや室内楽、学校も5校教えているので殆ど休日はありません。趣味もバイクやワインなどたくさんありますが、どれもやる時間がありません。通勤のときに好きな車に乗って好きな音楽を聴いたり、電車の中で本を読んだりするくらいでしょうか。
梶原一紘
梶原一紘
地図(もちろんスマートフォンも)を持たずに散歩。
清木ナツキ
清木ナツキ
溜まった家事をする。子育て。趣味は温泉めぐりかな?
白戸美帆
白戸美帆
散歩が好きです。猫カフェに癒されに行ったりします。
榊原敬幸
榊原敬幸
真冬はスキー、それ以外は自転車です。
阿部博光
阿部博光
趣味は、スポーツ観戦(もっぱらテレビですが)。プロ野球(日ハムファン!)、サッカーはもちろんですが、ラグビーが大好きで特に大学ラグビーファンです。休日には、ケーブルテレビで1日中クラシック番組が流れている「クラシカ・ジャパン」を見ることが多いです。世界中のオーケストラや指揮者を見られますし、20世紀の演奏家の貴重な映像が見られてたまりません。

 

好きな作家や本のタイトルは?
神田勇哉
神田勇哉
エヴァの初期のTVシリーズが好きなんですが……これだとミーハーと思われて嫌なので、他のを。「ガンバスター」と「アクエリオン無印」が好きです。つまり庵野秀明と河森正治です。河森さんは僕と誕生日も同じだし、音楽に菅野よう子さんを起用する所が素晴らしい。菅野さんといえば私の青春「カウボーイ・ビバップ」も大好きです。あぁこちらは渡辺信一郎ですね。
西村いづみ
西村いづみ
自己啓発が大好きで、本田健さん、心屋仁之助さんにハマってます。
谷風佳孝
谷風佳孝
本といって良いのか分かりませんが、「ウォーリーをさがせ!」が大好きです。
ウォーリーへの親近感が、とにかく半端ないです。
小山真之輔
小山真之輔
吉村昭さんの戦争に関して書かれた本をよく読みました。沖縄で高校時代までを沖縄で過ごしたので、戦争ってなんだろう? という疑問があります。思想信条に関係なく色んな角度や歴史から戦争を知りたいという想いです。
清水信貴
清水信貴
音楽関係の本、歴史、古代史ミステリー、宗教関係の本、外国の知られない内情を書いた本などです。
私の師ジュリアス・ベーカーがユダヤ人なので彼の独特のサウンドはそこに関係があると思い、解明しようとそこから入っていった本が多いですね。最近買った本は「フリーメースンシンボル辞典」、この本の作者ロバート・ロマスはベストセラー「ダビンチコード」の主役のモデルとなった人です。今度買おうと思っているのはスティーヴン・キングの「アンダー・ザ・ドーム」、テレビドラマ化されています。
梶原一紘
梶原一紘
江國香織
清木ナツキ
清木ナツキ
夏目漱石のこころ
白戸美帆
白戸美帆
あまり本は読みませんが、留学時代に日本語が恋しくなり、ミステリー小説にはまりました。
江戸川乱歩は特に好きでした。
榊原敬幸
榊原敬幸
夏目漱石、内田百閒。特に猫好きとしては、漱石の「我輩は猫である」に弟子である内田百閒が続編として書いた「贋作吾輩は猫である」や、「ノラや」がお勧めです。
阿部博光
阿部博光
毎回想像もしない結末と人間愛で感動させてくれる、東野圭吾さんの本が好きです。特に印象的だったのは「麒麟の翼」「容疑者Xの献身」「秘密」かな?

 

最近気になっていることや気になっているスポットは?
神田勇哉
神田勇哉
外国料理のレストランに行き、食べたものを記憶し、後日自宅で再現すること。最近はトルコ料理の再現に挑戦してます。
西村いづみ
西村いづみ
武道を始めてから「丹田」「気」「波動」のキーワードで、情報が押し寄せてきています。
アヤシイ……。
谷風佳孝
谷風佳孝
東京ディズニーシー。興味がありながらも、未だに行く機会に恵まれていません。
そろそろデビューしたいです。
小山真之輔
小山真之輔
どうやったらフルートが上手くなるかということ。最近、フルートがどうやったら上手くなるかということがとても気になっています。常に気になります。上手くなりたい。天寿を全うするその日まで、昨日よりは今日のほうが上手いと思えるようになりたいです。
清水信貴
清水信貴
やはり音楽のことがメインですね、常に自分の音楽や音、演奏をどうしたら良いか考え続けていますが、その他は健康のことです。昨年の秋から冬にかけて体の調子が非常に悪かったので、またヨガをやろうかと思っています。それと体力づくりですね、体力はある方ですが。何か健康に問題がありそうな時には癒すのではなくパワーをつけるというアメリカ人の発想に賛成です。
梶原一紘
梶原一紘
Carin Levineさん(フルーティスト)。最近手に入れたシェルシ(現代音楽の作曲家)のCDが素晴らしくてハマっています。
清木ナツキ
清木ナツキ
せっかく京都に住んでいるので、京都の面白いスポットや美味しいお店など開拓したいです。
また子供と一緒に遊びに行けるスポットも気になります。
白戸美帆
白戸美帆
山。最近登山に興味を持っています。最近は筑波山に登りました。気持ちがいいです。
榊原敬幸
榊原敬幸
ドイツ系のフルート・ピッコロです。アメリカ留学以来、アメリカ系メーカーの楽器にしか興味が無かったのですが、昨年偶々出会ったヨハネス・ハンミッヒを吹き始めてから興味を持つようになりました。
阿部博光
阿部博光
1番気になっているのは、血糖値をどうしたら下げられるのかです。
良い方法を知っている人はお知らせください。

 

座右の銘、または好きな言葉は?
神田勇哉
神田勇哉
旅をしない音楽家は不幸だ。byモーツァルト
西村いづみ
西村いづみ
「ありがとう」 音楽と同じくらい美しい波動を持っている言葉です。
谷風佳孝
谷風佳孝
好きな言葉は「努力」です。努力が実った時の快感には中毒性があります。ただ努力が好きすぎて、目的を見失ってしまう時があります。
小山真之輔
小山真之輔
「Let It Be」問題が起こった時に急いであれこれと解決策を講じて傷口を広げることがあるので、勇気を持ってしばらく「そのままでいる」ようにしています。例えば泣いている友人にああだこうだ言うのではなく、そっと寄り添うだけ……それができないんです。
清水信貴
清水信貴
「ヴィブラートをつけたピッツィカートのような、ひとことでいうならば、音が最小の時間に最大の生命をもつようにすることなのである」
──マルセル・モイーズの「ソノリテについて」より
梶原一紘
梶原一紘
「歌うようにゆっくりと。」
清木ナツキ
清木ナツキ
自然体
白戸美帆
白戸美帆
為せば成る、為さねば成らぬ、何事も。
榊原敬幸
榊原敬幸
“To listen is an effort, and just to hear is no merit. A duck hears also.”
「音楽を“聴く”のは努力である。ただ“聞く”だけでは何の意味もない。それならアヒルでも出来るのだから。」
というストラヴィンスキーの言葉。何事も自分から興味を持って理解しようと努力しなければ意味が解らないのだから受身ではいけない、という自戒の為の言葉として捉えています。
阿部博光
阿部博光
「正直に 腹を立てずに 撓まず(たわまず) 励め」(鈴木貫太郎氏)
2.26事件で瀕死の重傷を負いつつも一命をとどめ、終戦後の内閣総理大臣として終戦と復興に大きな功績を残した鈴木貫太郎氏の人生教訓。
たとえ自分と相反する考えの人とも、しっかりと向き合って話を聞くことが出来る方で、この言葉は内閣総理大臣を辞した後、故郷の前橋で話された。
“何をするにも誠実に、たとえどんな事が起こっても受け入れ、感情的になる事無く受けとめ、そして、何時も気力を、気持ちをしっかり持って努力しなさい”と、私は解釈しております。同じようなことを私の仲人だった指揮者の渡邉暁雄先生が「阿部さん、負けるが勝ちですよ」とおっしゃり、また、先日亡くなったマンデラ氏も同じ思想をお持ちだったと思います。現代社会では、そのような生き方は難しくなっておりますが、
少しでもそのような生き方が出来ればと思っております。

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