THE FLUTE 156号 Special Contents

タンギング&フィンガリング レベル・テクニック別練習法

タンギングのための基礎練習
~初級・中級・上級編~

中村めぐみ

タンギングに特化した基礎練習法を、きめ細かくレッスン!初級から上級まで、それぞれのレベルでの課題を明らかにしながら、どんな練習をしたらいいのかをアドバイスしていきます。

♪初級の課題♪

《シングルタンギングをマスターする》

タンギングとは、舌=タン(タング)を使って、音の立ち上がりをコントロールする奏法のことです。フルートが上手くなるために、真っ先に求められる基礎的なテクニックの一つですね。でも、うまく綺麗に音が立ち上がらない、ひっくり返る……(涙)そんな悩みを、一気に解決していきましょう!

練習してみましょう

次のリズムパターンで ①息だけで練習 ②頭部管だけで練習 ③いろんな音で練習してみましょう。

譜例
譜例
注意点息はfくらいの息のスピードで、しっかりと同じスピードを保つようにしましょう!
舌先をつける際、舌が面でついてませんか?点でついていますか?
息を出している間、舌先は下の歯のつけ根より下の部分に固定できていますか?

♪中級の課題♪

《ダブルタンギングのクオリティを上げる》

シングルタンギングが美しくできるようになると、今度は、ダブルタンギングをマスターしないといけません。ダブルタンギングは、速~いタンギングの嵐!の時に使います。 その際、マスターしないといけないのは、Tu-Ku のKuの部分をTuと同じくらいの強さで、できるようになることです。Kuは、のどを閉める筋肉を使って発音します。その喉を閉める筋肉の強化をしないといけません。そこで、オススメする練習方法を紹介します。

練習してみましょう
譜例
譜例

①Ku.Ku.の練習(Kuだけで、できるだけ短く、強く発音する練習)
②Tu.Tu.の練習 (Tu だけで、できるだけ短く、強く発音する練習)
③Ku.Tu.の練習(できるだけ、同じ長さ、強さにする練習)
④Tu.Ku.の練習 (できるだけ、同じ長さ、強さにする練習)

♪上級の課題♪

《ダブルタンギングのクオリティを上げる》

“音の出だしの印象”は、“聴いている人に与える印象”に、ものすごく大きな影響を与えます。舌を上手くコントロールし、「いろんな種類の音の出だし」ができるようになることは、フルート演奏のレベルアップのために必要不可欠なテクニックの一つです。
タンギングは、狭義的に言うと「舌を使った音の出だしのやり方」となりますが、広義的に言うと、「舌を使わない音の出だしのやり方」も含んでいます。 音の強弱に合わせたタンギングの練習のしかたを紹介しましょう!

»»THE FLUTE156号誌面では、舌の位置や唇の形などを詳細に図解しながら中村さんがタンギングについてレッスンしています。

中村めぐみ

中村めぐみ Megumi Nakamura
山口県出身。国立音楽大学卒業。卒業時に武岡賞受賞。ドイツロベルトシューマン音楽大学、大学院卒業後、ドイツ演奏家国家試験に合格し、1997年に日本帰国。 同年、フルートコンベンションコンクールソロ部門において2位入賞。1998年より広島交響楽団に在籍。2000年よりエリザベト音楽大学にて非常勤講師として後進 の指導にあたる。2016年、癒し系CD<Piece of Soul~魂の故郷へ~>をリリース。各地でソロ、アンサンブルなどでも演奏活動を行なっている。フルートを宮本明恭、アンドレ・ゼーバルト、ヤン・ベンクトソン、西田直孝、庄田晴美、中谷望(故)の各氏に師事。フルートフェスタ山口実行委員長。
♦中村めぐみホームページ:http://flmegumegu.web.fc2.com
♦めぐみのフルートダイアリー(ブログ)

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