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第10回 インタビュー編《オーケストラ奏者に聞く》vol.1 大久保成美

THE FLUTE ONLINE 連載 「岩崎花保のハッピーフルートライフ」

今回は、インタビュー新シリーズをお送りします♪ 
このシリーズでは、オーケストラ奏者として活動するフルーティストの方々に、お話を聞いていきたいと思います。
記念すべき第1回目は、名古屋フィルハーモニー交響楽団の首席奏者・大久保成美さんをお迎えいたしました。

 

岩崎
名フィルに入団されて2年と少し経たれたかと思いますが、オーケストラでの演奏とソロでの演奏の違いを感じることはありますか?
大久保
一番違いを感じるのは息のスピードですね。オーケストラはたくさんの楽器とのアンサンブルを求められているので、まわりの音色と溶け合うためにゆっくりとした息を使うことが多いです。もちろん、フルートのソロがあるときは、あえてスピードの速い息を使うこともあります。
岩崎
なるほど……。速いスピードの息ばかり使っていたら、音程も高くなってしまいますもんね。
大久保
そうなんです。ソロやピアノとのアンサンブルの場合、曲が盛り上がってきたときにフルートの音程が高くなったとしても、テンションと一致しているのでそこまで気にならないかと思うのですが、オーケストラの中ではそういうわけにはいきません。なので、大きい音で吹いても小さい音で吹いても安定した音程で吹けるように普段の練習から気を付けています。
岩崎
自分が主役のソロの演奏会と、オーケストラの曲中に出てくるフルートソロを吹くのと、どちらのほうが緊張しますか?
大久保
(食い気味に)圧倒的にオケ中のソロです!!!!!!!
岩崎
そりゃそうですよね!失礼いたしました!(笑)
大久保
オーケストラは自分一人の舞台ではないし、みんなで作品を奏でていくわけだから、どうしてもプレッシャーを感じます。
岩崎
想像しただけでおなかが痛くなってきました……。名フィルに入団されてから、そういった精神的に大変な演奏会を乗り越えてこられたかと思うのですが、緊張との向き合い方みたいなものがあれば教えてほしいです。
大久保
私も本番前は緊張で、信じられないぐらい手が冷たくなったりするんですよ。そんなふうには見えないって同僚たちからは言われるんですが(笑)。 オーケストラに入団する前からピラティスを習っているのですが、そこで学んだ呼吸法は、フルートにも生かされていると思います。あとは大変なプログラムの演奏会の日こそ、普段通り過ごすようにしています。朝ピラティスをして、生徒さんのレッスンをして、それから会場入りするとか……。
岩崎
すごい!だいたいの人は、緊張したり大変な演奏会があったりしたら「何か特別なこと」をしようと考えてしまうような気がします。
大久保
普段通りに過ごすということは、それまでにたくさん準備をしておくということでもあります。直前に焦っても仕方がないので、計画的に練習したり準備ができるといいですよね。

そんな大久保成美さんは3月15日に名古屋でリサイタルをされます。

岩崎
リサイタルへの意気込みなどあればお聞かせください。
大久保
フルートソロの曲って、ピアノやヴァイオリンに比べると一般的にあまり知られていない作曲家やフルーティストが作曲した作品が多いですよね。オーケストラに入団して、今まではあまり触れあえなかった作曲家の作品を演奏するようになって、自分の中で見える景色がかなり変わりました。フルートではない楽器の作品に、以前にも増して興味が湧くようになったのも、オケに入ってからです。 今回のプログラムはそういった影響が色濃く出ているかなと思います。メインはフランクのソナタですが、どの曲目もピアノとのアンサンブルが非常に重要なものばかりです。もしかしたらフルートよりピアノのほうが演奏するのが大変かもしれません(笑)。  いろいろな時代の、異なった国の作曲家の世界を表現できたらいいなと思っています。
岩崎
ありがとうございました。演奏会のご成功をお祈りしております。

 

Concert Information

名古屋フィルハーモニー首席奏者
大久保 成美 フルートリサイタル

※こちらのコンサートは中止となりました。

2020年3月15日(日) 15:30開場 16:00開演
[会場]ドルチェ・アートホールNagoya(ドルチェ楽器名古屋店内)
[料金](全席自由)一般3000円 学生2000円
[チケット取扱・問合せ]ドルチェ楽器名古屋店 050-5807-3564
[主催]パウエル・フルート・ジャパン 株式会社ドルチェ楽器
[後援]名古屋フィルハーモニー交響楽団
[出演]ピアノ:與口理恵
[プログラム]C.P.Eバッハ:ソナタニ長調、C.ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲、F.ボルヌ:カルメン・ファンタジー、C.フランク:フルート・ソナタイ長調 他

 

大久保 成美  Narumi Okubo

大久保成美
大久保成美

香川県立坂出高等学校音楽科、東京藝術大学音楽学部器楽科を経て同大学院音楽研究科を修了。 第11回日本フルート・コンヴェンションコンクール・アンサンブル部門中学の部、金賞。第60回全日本学生音楽コンクール大阪大会、第1位。第12回日本フルート・コンヴェンションコンクール・アンサンブル部門高校の部、金賞。第4回徳島音楽コンクール木管楽器部門大学・一般の部、金賞。並びに入賞記念ガラコンサート、審査員特別賞。第16回日本フルート・コンヴェンションコンクール・ソロ部門、入賞。第19回日本フルートコンヴェンションコンクール・ピッコロ部門、第1位。2018年度香川県文化芸術新人賞を受賞。 これまでに、都村慶子、佐柄晴代、西田直孝、中野富雄、金昌国、竹澤栄祐、高木綾子、神田寛明の各氏に師事。室内楽を池田昭子、河村幹子、三界秀実、和久井仁、山本正治の各氏に師事。また、ヴァンサン・リュカ、フィリップ・ベルノルドのマスタークラスを受講。 名古屋フィルハーモニー交響楽団首席フルート奏者。

 


岩崎花保 Kaho Iwasaki

岩崎花保
岩崎花保

愛知県豊田市出身。
第15回日本クラシック音楽コンクール中学校の部全国大会第1位。
第61回全日本学生音楽コンクール高校の部全国大会第1位。
第13回万里の長城杯国際音楽コンクール管楽器部門第1位をはじめ、様々なコンクールで入賞。
2012年豊田市文化振興財団より文化新人賞受賞。
小澤征爾音楽塾、浜松国際管楽器アカデミー、ロームミュージックファンデーション音楽セミナーに参加。
NHKのクラシック音楽番組「ららら♪クラシック」や「スコラ」などに賛助出演し、人材派遣の協力もしている。
学生時代から古楽の世界にも興味を持ち、トラヴェルソ奏者としても活動しているほか、朝♪クラ音楽ディレクター、コラムライター、コンサートの企画運営など、演奏以外の仕事もボーダーレスに行っている。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、東京藝術大学を卒業。
同大学大学院音楽研究科修士課程器楽専攻を修了。
2019年より東京藝術大学管打楽科の非常勤講師として藝大ウィンドオーケストラの授業を担当している。

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