This issue’s Guest:神崎ひさあきBAND

神崎ひさあき Come to me! │ 第1回

日本のフュージョン~スムース・ジャズ・サックスの先駆者として1980年代からシーンを牽引し、デビュー40周年を迎えた現在も国際的に活躍を続ける神崎ひさあき。その神崎をホスト役に、毎回ゲストを迎えてトーク・セッションを繰り広げる対談連載『神崎ひさあきCome to me!』が、102号よりスタート!
記念すべき第1回目のゲストは、「神崎ひさあきBAND」のメンバーとして長きにわたり共にその音の世界を紡ぎ続けてきた中道勝彦(key)、石川俊介(b)、岸田容男(dr)の3氏が登場。このバンドについて、またリーダー・神崎ひさあきについて、大いに語っていただいた。

惹きつけるのは、人としての奥行きの深さ

「神崎ひさあきBAND」結成の経緯は?
神崎
はっきりといつから結成というような始まりはなかったんだけど、一番長いのはドラムの岸田で、彼がまだ19歳の頃、塩次伸二(g)さんとのセッションで出会い、その後、僕のバンドに呼んだのが最初でした。それからいろんな出来事を経ていまも一緒にやってくれていて、キーボードの中道とは22~3年前から。最初はプログミングを手伝ってもらっていて、リズムがいいぞ!と感じて、17~8年前からレギュラーで参加してもらっています。ベースの石川がこの中では一番新しくて、それでも2004年ぐらいからだから、もう16年。とにかくみんな長いよね。
それだけ長く心惹きつけ続ける「神崎ひさあき」とは、どんな人?
岸田
温かくて優しくて、良き音楽の先輩です。海外にもミュージシャン仲間がたくさんいて、僕がまだ若い頃「ジェームス・イングラムの来日公演がリハーサルから見られるから一緒に行こう」と有明の会場に連れて行ってくれて、ドラマーのランド・リチャーズが急に叩かせてくれたことがありました。
神崎
それはね、前もって電話して頼んでおいたんだよ。あの瞬間に、岸田はパッと開いたよな。
岸田
はい、あの瞬間に。それからベースのアレックス・アルがキャリン・ホワイトのツアーで来日したときも、アレックスを神崎バンドの六本木バレンタインに連れて来てもらって、4曲ぐらい一緒に叩かせてもらったこともありましたね。とにかく面倒見が良くて、育てていただいたという感じです。
中道
神崎さんは、たぶんこの4人の中で一番孤独と静寂を知っている人だと思います。見た目よりもすごく繊細で、気遣いの人ですね。
石川
ギャップがある人ですよね。ギャップって、人間の魅力だったりするじゃないですか。見た目と違うところを見つけると、なんだかドキドキしたり、その人のことをもっと知りたくなったりする。神崎さんも、見た目は怖いけどとても繊細な部分もあって、それは音楽を聴けばわかりますよね。音はストレートに語りますから。そういった奥行きがあるから面白い。

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Hisaaki Kanzaki

Hisaaki Kanzaki
日本のフュージョン・ブームをリードした「神崎ON THE ROAD」を結成し、1980年「Open My Road」でデビュー。以降、国内で3枚のアルバムをリリース。1986年に渡米し、1988年、リッピントンズのラス・フリーマンらを迎えアルバム「KANZAKI」をリリース。帰国後、数々のTV番組や映画等のテーマ曲を担当。自作の『So Far Away』(マイケル・ホワイトがリリース)は、全米ジャズ・チャートで第9位に。盟友マイケル・パウロとのプロジェクト“The Asian Soul Brothers”など、グローバルな活動を展開中。
http://www.kzsax.com/

Katsuhiko Nakamichi

Katsuhiko Nakamichi
1971年生まれ。幼少期はL.A.で過ごし、帰国後7歳からエレクトーンを始める。学生時代からCM、ラジオのジングル、BGMなどの制作を始め、その後キーボード演奏に活動の重点を置き、神崎ひさあき、松山千春、Paris Match、中西保志、辺見えみり、山下徹大、穴井夕子、Soul Lovers等ライブサポート、阿川泰子、SMAP、織田裕ニ、ケツメイシ等のレコーディングに参加。またゲーム神宮寺三郎シリーズ、AK Live等への楽曲提供等、幅広い音楽活動を続けている。

Shunsuke Ishikawa

Shunsuke Ishikawa
1962年生まれ。1986年、聖飢魔Ⅱの2代目ベーシスト「ゼノン石川」としてプロデビュー。聖飢魔Ⅱの活動と並行して、雷電湯澤(dr)らとRXを結成し、セッションミュージシャンとしての活動を開始。聖飢魔Ⅱ解散後、是方博邦(g)、米川英之(g)のレコーディングやセッションに参加。様々なセッション活動を通じて知り合った仲間と横濱トリオというバンドを結成。また、田村直美(vo)、野村義男(g)、土橋安騎夫(key)、長谷川浩二(dr)、という面々とsho-tawith tenpack riverside rock'n roll band なるものを結成し、年一のペースでアルバムをリリースしている。そして、神崎ひさあき(sax)、ファイアーアタックといった、フュージョン、ファンク系のミュージシャンとのライブも精力的に行ない、現在に至る。

Yoshio Kishida

Yoshio Kishida
1968年生まれ。19歳のときに寺内たけしとブルージーンズのドラマーとして正式にプロ活動を開始。Dreams Come True、DA PUMP、AI、伊藤たけし、クリヤ・マコト、日野賢二、Fayreyのサポートドラムを経て、現在は、スガシカオ、鈴木雅之、DA BUBBLEGUM BROTHERS、西野カナ、BETCHIN、Full Of Harmony、ミトカツユキなど、幅広いジャンルで活躍中。中でもダンス、ヒップホップ系やブラック系フュージョンの曲で聴かせる、図太いグルーヴには定評がある。またジャズ系アーティストとの共演・サポートでも評価が高い。

登場するアーティスト
画像

神崎ひさあき
Hisaaki Kanzaki

高知県出身。青山学院大学卒業後、日本のジャズ・フュージョンブームのスタートとなる「神崎on the road」を結成。1980年、『OPEN MY MIND』でデビュー、その後3枚のアルバムをリリース後渡米。1988年ラス・フリーマン、リッピングトンズ等を迎えアルバム『KANZAKI』をリリース。帰国後は数々のテレビ、CMの音楽制作、プロデュースなどの活動を積極的に行なう。作曲の『SO FAR AWAY』をマイケル・ホワイトがカバー、アルバムタイトル曲としてリリースし、全米ジャズチャート9位にランクインされコンポーザーとしても評価される。マイケル・パウロとのプロジェクト『エイジアン・ソウル・ブラザーズ』での活躍など、国際的な幅広い活動を展開。DJ、クラブイベントのプロデュースなども行なうなど、クラブミュージックシーンでの活動も展開中。http://www.kzsax.net/

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