サックス記事

TENOR Axos × 松下洋 試奏レポート

THE SAX vol.104
Axos

サクソフォンのスタンダードを常に提示してきたセルマー・パリから、新たにプロフェッショナル向けサクソフォンのポテンシャルを受け継ぐモデル“テナー・サクソフォンAxos”がリリースされた。従来のモデルよりも価格を抑えつつも、異なる個性を持ちながら高いスペックを有するこの楽器を、クラシックからジャズまでボーダーレスに活躍中の若手本格派サックス奏者、松下 洋氏に試奏・徹底レビューをしてもらった。

 

Tenor Axosを試奏していただきましたが、まずは音色の特徴を教えてください。
松下
太くてむっちりした、パワフルな音色が出る楽器です。ソリッドというよりはしっとり、モチっとした音色なので、ジャズ系のメタルマウスピースをつけた時でも音が開かずコントロールしやすく感じました。パワープレイが好きなブロワーの方にとても良いと思います。また、僕がクラシックで使用しているマウスピース、バンドーレン オプティマム TL3との相性も非常に良く感じます。TL3は細くてまろやかな音が出るマウスピースですけれど、Axosはそこにパワフルさを補ってくれますね。
ルックスについてはどうでしょうか? 例えば手彫りのオリジナル彫刻についてはどうでしょう?
松下
個人的にはこのデザインのほうが他のシリーズよりも好きですね。この花柄がしっかりとセルマーの楽器らしくていいと思います。レーザー彫刻にも良さはあると思いますが、手彫りがなくなってしまうのは寂しいと思っていたので、この仕様は嬉しいですね。
SA80 SERIEⅡ(以降シリーズⅡと呼ぶ)やSERIEⅢ(以降シリーズⅢと呼ぶ)と比較するとAxosにはどのような特徴がありますか。
松下
音色はシリーズⅡやシリーズⅢと比べると若干ダークな印象です。楽器の構造としてシリーズⅢをベースにしているということから、吹奏感もやはりシリーズⅢに近いです。操作性に関してはシリーズⅡよりも好みかもしれません。シリーズⅢの音色の軽さは個人的にはとても好きですが、「シリーズⅢでは音色や吹奏感が軽すぎる」と感じる人にとっては、Axosはテナーの第三の選択肢となるのではないでしょうか。

<松下洋 試奏: SERMER Paris Tenor Saxophone Axos>

次ページにインタビュー続く

 

登場するアーティスト

松下洋
Yo Matsushita

1987年生まれ横浜市出身。洗足学園音楽大学首席卒業ならびに優秀賞受賞。東京芸術大学院を大学院アカンサス音楽賞を得て首席卒業。タイ、中国、台湾、マカオ、フランス、韓国など世界各国でも講師や招聘奏者、国際コンクール審査員として活躍している。洗足学園音楽大学非常勤講師。第1回いちのみや音楽コンクール優勝。第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール優勝。第31回日本管打楽器コンクールサクソフォン部門第2位。現在ジャズを勉強中。激辛党、将来の夢は小説家。

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