サックス記事 全世界の音楽ファンから愛され続けている ジャズ界のレジェンド
THE SAX vol.75 Cover Story

全世界の音楽ファンから愛され続けている ジャズ界のレジェンド

全世界の音楽ファンから愛され続けている ジャズ界のレジェンド、ソニー・ロリンズ

今回登場いただくのは“超”VIPな方であり、ジャズ界やサックス界だけでなく、全世界の音楽ファンから愛され続けているソニー・ロリンズ氏です。(本記事はTHE SAX vol.75の記事を再編成したものです。)
Special Thanks: Terri Hinte(www.terrihinte.com), David Gould at Vandoren Studio, NYC(www.dgclarinet.com), Florent Milhaud at Selmer Paris(www.selmer.fr), Bret Primack at(www.jazzvideopromotion.com)※現在はリンク切れ

Text & Photos:Yuki Tei(www.yukiteimusic.com)(www.yukiteiphotography.com)※現在はリンク切れ

 

私自身、ソニー・ロリンズ氏は大好きで尊敬しているミュージシャンの一人でありますが、人としても多くの面で尊敬できる方です。そんな憧れのヒーローに直接会い、自宅でインタビューと写真撮影するチャンスを得られました。こういった機会を与えられることは滅多にありません。
ソニーは現在85歳。ニューヨーク州のウッドストック(1969年のあの伝説のロックコンサートで有名な場所です)にお住まいです。ニューヨーク、マンハッタンからは車で2時間ぐらいの所にある小さな町です。ここは芸術家が集まる小さなアーテイストコミュニティがあります。とてものどかで冬は少し寒いですが、夏などは過ごしやすいです。
ソニー・ロリンズといえばやはりマイルス・デイヴィス、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーン、デューク・エリントンなどと共にジャズの代名詞ともいえる人物です。日本にも数多くのファンがいます。サキソフォン・コロッサスという称号は彼のためにできた言葉です。そして私の尊敬するもう一人のレジェンド、ジャッキー・マクリーンとソニーは幼なじみ。私が20年近く住んでいるマンハッタンはソニーやジャッキーが育った場所です。

ジャッキーとヒギンスと
ジャッキーとビリー・ヒギンスとともに。筆者がまだ10代のころの写真
ジャッキーとヒギンスと
ジャッキーとビリー・ヒギンスとともに。筆者がまだ10代のころの写真

私がジャズを始めるきっかけやニューヨークに移り住むきっかけになったのもソニーでした。アメリカには高校生の時に来て、その当時のジャズの専門テレビ「Jazz Central」で、青いシャツとバナナ帽をかぶったテナーサックスプレイヤーが『My One and Only Love』を演奏しているのを聞き、“おお、すげえかっこいい人だな”というのが第一印象でした。
当時ソニー・ロリンズの名前は知っていたのですが、そこまで聴いていなかったので、あまりピンときませんでした。それから、ある日の晩にJazz Centralでソニーが演奏しているのを見て、知らず知らずのうちにソニーが大好きになっていました。また、ふとテレビの画面を見ると、日本人のギタリストらしき人がソニーと一緒のバンドでギターを弾いていて、ある意味、衝撃的でした。その方はそれから何年後にニューヨークでお会いする増尾好秋さんでした。勇気づけられたというか、ソニーのバンドにいるなんて“すごいな”と思いました。
そして、ニューヨークのある場所で光栄にも増尾さんと一緒に演奏する機会があり、その時にソニーの話を聞いたり、いろいろとアドバイスをいただきました。増尾さんから聞いた話で一番印象的だったのはソニーの家で午前中にリハーサルを行なった日のことです。午後になり増尾さんは忘れ物に気づきソニーの家に夕方戻ることになったのですが、彼の家に到着したら朝に演奏した曲を夕方までずっと練習していたそうです。

筆者と増尾好秋さん
筆者と増尾好秋さん
屏風
この屏風はソニーの友人である奥村髙明氏からいただいたもの

次のページへ続く
・多くのジャズスタンダードを生み出す
・ソニー・ロリンズのスタイル
・4月(2016年)にCDをリリース
・楽器の変遷
・インタビューを終えて

登場するアーティスト
画像

ソニー・ロリンズ
Sonny Rollins

1930年9月7日、ニューヨーク生まれ。7歳の頃、ルイ・ジョーダン(as)のレコードを聴きサックスに興味を抱く。9歳でピアノを、また11歳でアルト・サックスを始め、高校時代にテナー・サックスへ転向。ハイスクールではジャッキー・マクリーンやケニー・ドリューらとバンドを組んだ。1950年からはマイルス・デイヴィスのグループに参加。翌51年には『ソニー・ロリンズ・ウィズ・ザ・モダン・ジャズ・カルテット』でデビューした。56年には歴史的名盤『サキソフォン・コロッサス』を録音。その歌心溢れるプレイが多くのファンを獲得し、ジャズ界での地位を確立した。また同年、『テナー・マッドネス』でジョン・コルトレーンと共演。以降、『ニュークス・タイム』『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』など多くの名盤を発表した。60年代にはアバンギャルド、70年代にはフュージョン寄りのアプローチを行なうなど常に音楽の可能性を追求し、ジョン・コルトレーンと並ぶジャズ・サックスの巨人として讃えられている。

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