知られざる開発の裏側、その想い
前号では、シルキーのサウンドに惹かれた奏者たち「ザ・シルキー・ファイブ」の面々に、シルキーの魅力を熱く語ってもらった。後編となる今号では、アメリカ・シカゴに本社を構えるシルキー社の社長、アンドリュー・ナウマン氏にメールインタビューを敢行。シルキーのこだわりから、社長としての熱い想い、そして貴重な開発の裏側までを語ってくれた。
協力:Schilke Music Products, INC./株式会社グローバル
※内容はTHE TRUMPET vol.8発刊(2021年4月)当時のものです。予めご了承ください。
奏者とともに歩んだ挑戦「ソロイストシリーズ」

ナウマン社長が見守る中、SB4-OTのプロトタイプをチェックする高橋敦さん(上)と田中敏雄さん(下)。奏者との親密な関係からソロイストシリーズは誕生した。

ザ・シルキー・ファイブ コンサートツアー2021 第2弾
東京公演 2021年4月5日(月)

ジェイムズ・バーンズによる『交響的序曲』の高らかなファンファーレからコンサートは始まった。アメリカの作曲家らしいきらびやかで高揚感に満ちた音がホールに響きわたる。まるでこれまでの鬱憤を吹き飛ばしてくれるかのような一曲だった。思えば、この演奏が客席に届くまでに、演奏家たちにとって長い道のりがあっただろう。コロナ禍がようやく落ち着きをみせた昨年秋の本誌インタビューでも演奏家の心の一端を垣間見たが、その矢先にまたも緊急事態宣言となり、当コンサートツアー第1弾は仙台公演以外開催中止となった経緯もある。個人的にも、久しぶりにホールで聴いた生演奏だった。それだけに、冒頭のこの一曲から生演奏の素晴らしさに圧倒され、心から感動してしまった。
東京公演では、参加できなかった松山萌氏の代わりに伊藤駿氏が演奏。若き俊英の堂々とした演奏も印象的だった。前半は1曲ごとにテーマを持った楽曲集、後半はオペラの歌曲の魅力をテーマに、トランペットアンサンブルの魅力、シルキーの表現力の広さが伝わるような2部構成だった。
ザ・シルキー・ファイブの魅力は、それぞれの楽器が役割を担う多くの四重奏・五重奏とは異なり、5人が楽曲の一部となり重厚なハーモニーを奏でては、時にそれぞれが主役となってソロをとり、メロディを掛け合う──そんな幅の広さ、自由度の高さにあるように感じた。そんなトランペットの魅力を存分に引き出す高橋氏のアレンジ、難しいことをさらっとこなす5人の演奏、そして明るく遠くまで通るシルキー特有の音色が相まって、一瞬も飽きさせない、本当にあっという間のコンサートだった。
アンコールではJ-popから「香水」とJ.P.スーザの「士官候補生」の2曲を演奏。特に「香水」はアレンジが素晴らしく、インストで演奏すると繰り返しの多い味気ないメロディになりがちな楽曲を、緻密で重厚なアンサンブルに昇華させていた。いつか全曲ポップスのザ・シルキー・ファイブも聴いてみたい……そんなことを想像しながら帰路につくほど、余韻までも楽しめるコンサートだった。
















